チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

Kwaii

2013年09月30日 | 日々のこと

雨,23度、97%

 香港で,日本のテレビ番組が全部見られることが出来るなんて,昔は思ってもいませんでした。衛星放送、有線放送,日本のテレビ専用のチューナー,今ではPCに取り込み好きな番組だけを見ることも出来ます。そのチューナーとやらが出始めた頃に,主人はお付き合いで買って来ました。ところがそのチューナー,我が家では一度も使われることなく,ベットの下に奥深くに眠っています。主人は,このチューナーを付けると,私が24時間テレビの前に座り続け、「倍返し」と言っては何をさておいても家に帰るようになるのを恐れました。私といえば,主人がプロ野球中継の勝敗で一喜一憂する様を見たくない,それぞれの思惑ですが,珍しく意見が一致して,チューナーは使わず仕舞いです。

 そんな我が家でも日本の放送が一局だけ入ります。NHK WARLD。おそらく,海外向けのNHKです。90%は英語で,30分間のニュースに続き,一日4本の30分番組を6回流します。ドラマはありません。同じ番組を何回も見ることが出来ます。そんな番組の中に、「Kwaii」という番組があります。日本の女の子たちの可愛いファッション、お嬢様ルックや森ガールを紹介するばかりか,その可愛いファッションがいかに世界中の若い人たちに受け入れられているのかを流しています。初めの頃,この番組あまり好きではありませんでした。可愛い服装には、もう興味のある年齢ではありません。ところが,この所毎週興味深く見ています。

 我が家のお手伝いさんはタイの女の子です。彼女が香港に来たばかりの頃,知っていた日本語は、「かわいい」「キティーちゃん」「桜」でした。まさか彼女だって,香港に来て日本人の家に仕事に来るとは思ってもなかったと思います。世界中に可愛いを浸透させた立役者は,なんといってもキティーちゃんに違いありません。今でも,可愛いファッションに身を包んだ女の子は、キティーちゃんグッズを持っています。東南アジアどこに行っても,このキティーちゃんの偽物が一杯です。

 香港,ちょっとしたお店の店員さんは,もちろん可愛いという言葉をご存知です。日本人観光客に、「かわいいね。」といえば,喜んでくれることを知っています。時折,こんな私にまで、「かわいいね。」と言ってくれます。嬉しいですね。もちろん,日本のもの大好きな香港人,よく日本に旅行します。当然、皆さん可愛いという言葉を習得して帰ってきます。言葉ばかりか,あの可愛いファッションをそのままを並行輸入してくるのです。日本のファッションは、憧れです。

 ひと時代前までは、富士山、芸者、相撲、すき焼きなどといわれていた日本文化、現代の日本以外の国の若者にとっては,漫画、ゲーム、Jポップに可愛いファッションが日本文化ではないでしょうか。そして,これからもこの傾向は続くと思います。大手の企業経済力でなく,漫画や可愛いファッションが今の日本を世界に向けて表現しています。NHK WARLDの「Kwaii」を見ながら,可愛いファッション,がんばれ!とまで思うようになりました。

 先日,モモさんと夕方の散歩をしていると,女の子の一団に、モモさん、「かわいい!」と言われました。思わず,私も「ありがとう。」と応えます。香港人の女の子たち、一瞬キョトンとしています。

 古語では、慈しむ、愛おしく思うなどの意味を持つ、「かわいい」。この言葉が,もっともっと、世界中に拡がってくれるようにと思います。

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栗ごはん

2013年09月29日 | 日々のこと

小雨、25度、82%

 福岡の実家に帰っていた主人が,栗を買って来てくれました。主人の育った街から,船で10分ほど、玄界灘に浮かぶ能古の島の栗です。 井上陽水の歌にも唄われ,作家檀一雄一家とも縁の深い小さな島です。

 香港も、今からの季節栗が一番美味くなりますが,なんと、一年を通して栗があります。しかも市場では,おばさんたちが堅い皮を剥いて売っています。料理をする者にとっては、たいそう便利。10月もおしまいの時期になると、街のここかしこに,焼き栗売りのリヤカーも出ます。堅い皮が付いていますが、この皮を剥くのは,焼き栗が大好きな主人です。私は,随分長いこと栗の堅い皮をむかずに来てしまいました。とても億劫に感じます。オーブンに石を敷いて焼き栗を作ろうか,とも思いましたが、やっぱりこの時期栗ごはんです。ため息混じりに栗の皮を剥きます。いやー、堅いこと。虫が入っていたり,蒸れて傷んでいるものもあります。きれいに栗の形にむくのは,私には至難の業。

 折角の栗ごはんですから、 土鍋で炊きました。炊き込みご飯を作る時は,鉄鍋か土鍋を使います。これは,ひとえにおこげが食べたいからです。おこげは焦らずに,じっと蒸らしているとツルッとはがれてくれて,美味しいのなんのって,これも香ばしい香りがごちそうです。 不揃いの栗が見え隠れする栗ごはん。食べる時に混ぜ込んだ栗は、崩れて小さくなるので不揃いでもいいことにしましょう。

 栗ごはんに、これまた福岡から買って来た里芋をたっぷりといかと一緒に炊き合わせました。秋らしい食卓です。栗の皮むき,里芋の皮むきと手間がかかりましたが,喜ぶ主人の顔を見てると,なんのその。

 栗ごはんが底をつく頃,あら?ねえ,栗の香りがしないね,と私。そうです,炊く時から栗の香りが立ちませんでした。ほっこりと甘い栗でしたが,香港に来る途中、香りが飛んだのかもしれません。

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椿油

2013年09月28日 | 日々のこと

曇り,25度、85%

 こんなに長く香港にいるとは,27年前思ってもいませんでした。そんな我が家ですが,幾つかの家具を日本から持ってきました。香港の賃貸ののマンションは,日本と違い,私たちのような海外からの住居者もいるので,基本的な家具や電化製品は付いています。我が家は日本から家具を持ち込んだので,大家さんの家具といつも雑居状態です。

 食器棚と整理ダンスと座卓,これが27年前の荷物に入っていました。そのうえ,今,工事中の私の実家のラダーチェアーと飾り棚と食卓を、一昨年こちらに送りました。全て,水目桜の素材です。一番古い物は,私より歳がいっています。木材の家具はいずれも使うごとに人の手から温もりや湿り気や脂をもらい、年々艶を増して行きます。それでも,手入れは必要です。私はずっと,「OLD ENGLISH」というパインの油で拭きあげていましたが,最近では手軽なスプレータイプのものを使っていました。

 昨日のことです,さあ家具を磨こと思ったら,スプレーの中身は空っぽ、新しいのを買って来て明日にでもしよう,と思った途端に椿油を実家から持って来ていることを思い出しました。この椿油は家具用に買った物のようです。母がまだ家にいてヘルパーさんが、一日3交代で来てくれていた頃から家にありました。ヘルパーさんの話では,時間が余ったヘルパーさんにこの椿油で家具を磨くよう,頼んだそうです。一人のヘルパーさんは,何でこんなことしなくてはいけないの?と不満を漏らしていました。そうですよね,私など,母が家具を磨いているところすら,小さい時から見たことがありません。自分ではろくに掃除もしない人です。そういう人に限って,こんなことを人に頼むものです。母が施設に入所して以来ふた夏,実家は人もいずに閉めっきりでした。かわいそうにこの家具たち,カビだらけになりました。ふた月に一度帰っては,大雑把にからぶきしますが,心が痛んでいました。

 椿油で家具を磨くのは初めてです。蓋をとると,油の柔らかい香りがします。パインオイルの香りとは違ってまろやかな香りです。柔らかな布に油をとって,力を込めて磨きます。キュウッという音ともに、拭きあげた後からいい艶が甦ってきます。小さい頃からピアノと家具を磨くのが好きでした。よく磨かれた家具は人の顔すら映します。

 空っぽのスプレーは,人工的なレモンの香りがしました。椿油の香りは,すぐに消えてしまいますが,磨いている人へのご褒美のように思います。

 今,実家の残りの家具たちは、密柑山にある大きな倉庫で家に帰る日を待っています。この夏は山の空気を一杯吸って,生き返ったはずです。

 その倉庫にある家具も全部水目桜のものです。家が出来上がったら,椿油をたっぷりと,艶が戻るまで拭き上げてやるつもりです。

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チクチクとモモさん

2013年09月27日 | もも

曇り,835、24度

 今年も,12月に旅行の予定があります。クリスマス前に幾つか刺繍を仕上げようと,チクチクを始めました。どんなに嫌なことがあっても,針を持つとすっと気持ちが落ち着きます。永年刺し続けて来たとはいえ,麻の目の細かさに目が付いて行くようになるまでに,随分時間がかかるようになりました。当然刺繍をするとなると、いつもは忙しなく動き回っている私でも,ドンと腰を据えます。

 コーヒーテーブルの前にクッションを床に置き,動かなくていいように、お茶にお菓子、携帯,テレビのコントローラーまで身近に置きます。目が慣れて来ると,刺す手もスピードが上がってきます。音を立てていないつもりなのですが,気配を感じてか,ベットの上でお昼寝中のモモさんが,そっとやってみえます。私は,ソファーに寄りかかっていますから,ソファーで寝てくれたらいいようなものの,モモさんの定位置は,私の膝の間です。 まあ,一日20時間近くは寝てばっかりのモモさんです。定位置に納まるとすぐさま,いびきをかかれます。香港、昼間はまだ,30度近くまで気温が上がります。軽く空調を入れていますが,モモさんがお休みの私の膝は,じっとりと汗ばんできます。とにかく,立ち上がらずに、ずっと刺し続けていたい私の気持ちをお見通しなのか,モモさん、態勢を変えつつも気持ちよさそうに眠り続けます。 汗ばむばかりではありません,手には針を持っています,はさみも使います。ももさん、あのまん丸な目で見上げていることもありますから,気を使うことも殊更です。

 台所に行けば足元に寝そべって,料理が出来るのを待つモモさん。トイレに入っていても,ガリガリと遠慮なく入ってみえます。お風呂場にも入ってきますが,ドアを開けたまま出て行くモモさんです。

 チクチクが終わって,立ち上がると、 早速私のクッションを占拠しています。

 今回刺す予定の3点も,ゲルダベングトソンのデザインの物です。まず,「宿り木」が刺し上がりました。モモさんを膝に乗せチクチク,この分ならクリスマスプレゼントに間に合いそうです。

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わかめちゃん

2013年09月26日 | 日々のこと

曇り,26度、82%

 今、期間限定付きで髪を伸ばし始めました。未だに昼間30度を超える香港です。髪ををひとつに束ねているので、どのくらい伸びたのかあまり意識していません。

 小さい頃から小学を出るまで私の髪型は、サザエさんのわかめちゃんのそれでした。つまり,かなりショートのおかっぱです。わかめちゃんだってしていたその髪型が、何も昭和30年代の女の子の流行だったわけではないと思います。古い映像を見ていると、戦時中の女の子がよくあの髪型をしています。手がかからない,洗うのも簡単です。

 わかめちゃんの髪型は,おかっぱ,さて、わかめちゃんの後ろ姿を覚えていますか?短いおかっぱですから、襟足はずっと剃り上げられています。カラーの漫画なら,青々と剃り上げられたわかめちゃんの襟足が見られたはずです。私が自分の髪型を嫌いだと思い始めたのは10歳頃からです。友達に冷やかされたからでもなく,嫌でしょうがない。しかも床屋さんで襟足を剃られた後,鏡でそれを見た時は,打ちのめされたぐらい嫌気がしたものです。中学に入り、やっと剃り上げなくてもいいくらいの長さが許されました。前髪も少し伸ばして横分けにしていました。でもあごの先より長い髪は、母が絶対に許しませんでした。高校に入っても同じ事。髪を切りに行く度に,床屋さんの鏡の前で泣いたものです。

 さあ,考えます。どうにか髪をうんと伸ばしたい。どうすればいいものか?簡単です。母のいる家を出れば言い訳です。家を出たい一心,髪を伸ばしたい一心、あと一つ,ベットの上でゴロンとなって本を読みたい一心で,東京の学校を選びました。それから30年近く、息子が乳幼児の時期をのぞいて、私の髪はウェスト近くまで伸びていました。

 一度だけパーマをかけたこともありましたが,細く腰のない髪には,パーマはうまくかかってくれませんでした。以来ずっと真っ直ぐのまんま。手入れなんて洗うだけですから,らくちんです。ところが50前になり,白髪が少しずつ増え始めました。長い髪の白髪は,いやが上にも目立ちます。徐々に短くして行きました。

 何故でしょうか,急に,もう一度髪を伸ばそうと思い立ったのは。自分でも解りません。ただし,期間限定です。この年で髪を伸ばすと,髪にも負担がかかると思い、久しぶりに,シャンプーをAVEDAのものに戻しました。期間は来年の2月までです。涼しくなって,髪を下ろす日が待ち遠しく思われます。

 それにしても,小さい頃のわかめちゃんおかっぱを嫌だった思いは、未だに胸の中にくすぶっています。

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ios7

2013年09月25日 | 日々のこと

曇り,27度、84%

 朝走って家に戻り,まず一番先にすること,PCを開いてiPhoneをつなぎます。先日,いつものようにiPhoneをつなぐと,何かがダウンロード出来ると表示が出ました。良く見もせずに続行させます。しばらくして見るとiPhoneの画面は真っ白、初期化しているようです。何か大事なダウンロードだろうと,そのままにしておきました。

 またしばらくして画面を開けると,あら!すっかり,アイコンが新しくなっています。そこで初めて,その日が新しいiPhone5sの発売日だと気が付いたわけです。つまり,私のiPhone5に新しいios7がインストールされていました。何でも新しいのは楽しいことです。見慣れないアイコンを開けてはいろいろ試してみます。前評判通りにカメラ機能が、レベルアップしています。しかも、スクロールして、画面やスイッチの切り替えが出来る範囲が以前より増えています。写真の加工もinstagramのような機能まで付いて,やはり新しくなると便利になるなーと,遊びます。

 私が毎朝,iPhoneをPCにつなぐのは,PCにダウンロードされたPodcastを入れるためでした。iPodを買って以来毎朝の行事ですから,かれこれ12年ほど続いています。新しいアイコンになって,いつもPodcastが入っているミュージックのところを開けてもPodcastが見つかりません。初期化されると、時折こんな事態が発生します。あれこれいじっていると,Podcastが私のiPhoneにインストールされていないと表示が出ました。??意味は解りませんがインストールすることぐらいなら出来ます。そこで,インストールしたのが画面左下から2番目の紫のPodcastのアイコンです。どうやら,Podcastが独立をしたようです。そこで,このアイコンをクリックすると,なんと、今まで10年以上もPCにつないで落としていた番組が自動的にダウンロードされます。なんで、もっと早くPodcastを独立させてくれなかったのかしら、とにかく私にとっては,カメラよりこの機能の方がずっとありがたい思いです。

 ここ香港は,アンドロイド搭載のサムソンの機種を使っている人が,圧倒的に増えて来ています。日本より早くからからiPhoneを使っている人が多かったこの香港に、異変が起きているわけです。iPhoneより大きめの機種を平然持ち歩いています。

 昨日のニュースでは,iPhone5sの売り上げが最初の3日間で,記録を更新したと言っていました。中國,アメリカ、日本やはり根強い人気のアップルです。

 その反面BlackBerryが身売りの話も聞きました。最初のiPhoneに切り替えた時ですから5年ほど前でしょうか,私は実はBlackBerryにしようかどうか迷っていました。香港の金融,証券の方達は会社支給なのか、BlackBerryを使っていました。海外ではローミング代がかかるiPhoneよりBlackBerryだというのが理由だったそうです。たった5年ほど間に携帯も本当に様変わりしました。そう言えばノキアなんてもう耳にしませんね。なんと移り変わりの激しい世の中でしょうか。

 私のiPhoneを見ながら,この中の小さな部品を造っている中國の工場で働く若い人たちのことを思い浮かべます。このiPhoneを組み立てている若い中國の人達は,きっとここ数ヶ月は24時間態勢で仕事をしているのでしょうね、便利ね、と言いつつも,小さなiPhoneの向こうにいるたくさんの人を思います。

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ル コルビュジェと20世紀美術 国立西洋美術館

2013年09月24日 | 日々のこと

雨、27度、91%

 先日帰京した折,やっと時間を見つけて行ったのが,コルビュジェの展覧会です。友人が勧めてくれる山種美術館の速水御舟も行きたかったのですが、物見遊山での帰京ではありません。限られた時間の使い方を考えます。どうしても浅草の合羽橋に行って、買いたいものがありました。そこで,一番近い上野を目指します。

 西洋美術館の一番大きな催しは,ミケランジェロです。そちらには目もくれず,常設展として企画されたコルビュジェの展示室に入りました。大成建設は,コルビュジェのコレクターとして有名です。今回の展覧会は,この大成建設、コルビュジェ財団の協賛によるものです。しかも,日本唯一のコルビュジェの建設物、ここ西洋美術館での開催です。

 建築家として有名なコルビュジェですが,多数の絵画、彫像も残しています。絵画,彫像とともに見るのは初めてでした。絵画は,同時代のピカソとも交流があったことを偲ばせる構図ですが,その彩色はコルビュジェ独特な色合いです。 建築家としてみて来た私の目に,色を施された絵が目の前にあると,急に今まで見えなかったコルビュジェの世界が拡がって行きます。建造物の無機質の冷たいものから、ホット灯が点いたような温かな世界です。彫像にも彩色されています。横に飾られているコルビュジェの白黒写真は,見慣れた彼の建築物をイメージしますが,彩色された絵画や彫像を見ると,その写真までがカラー写真に見えてきます。

 この展示場,ほとんど人がいませんでした。コルビュジェが作った空間を彼の絵やエディットした本が並んでいます。実は私が今回どうしても見たかったもの,それは,コルビュジェが手がけた都市計画のデッサンなどです。その都市とはインド、ニューデリーの北、パンジャブ州の州都チャンディガールです。ヒマラヤの裾野に拡がる平原のチャンディガールの都市開発をコルビュジェが手がけたのは1950年以降です。街の景観も含め,幾つかのパブリックの建物の建築、オープンハンドと呼ばれる塑像まで残しています。

 私がチャンディガールを訪れたのはもう15年も前のことです。ニューデリーから電車や車でも行けますが,空路をとりました。飛行機で約1時間。降り立ったチャンディガール、ニューデリーの人の渦と埃と喧噪からは,信じられないような街でした。主人の仕事関係のオープニングセレモニーに出席するだけが目的でした。当然限られた時間です。コルビュジェが手がけた建物を見て回る時間すらありませんでした。道路が,放射状に延びた街の整然とした美しさだけが,記憶にあります。

 後日、チャンディガールでコルビュジェが建てた最高裁判所の壁には、彼がデザインしたタペストリーがかかっていることを知りました。そのタペストリーのデッサンが今回展示されていました。デッサンもやはり彩色されています。全部で5枚。壁を飾るタペストリーです,実物はかなり大きいものに違いありません。

 コルビュジェと向き合っていた僅かな時間が,チャンディガールへ連れて行ってくれました。きっと,あのヒマラヤの裾野の街にはもう訪れることはないかと思います。インドの人も,チャンディガールの街を「インドのエンジェル」と呼ぶそうです。

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最近読んだ本

2013年09月23日 | 

雨、25度,91%、シグナル8

 自分の読んだ本のことを書くのには,随分と抵抗がありました。本を選ぶ,それを読む,すっかり自分がさらけ出てしまいそうです。ですから,もっぱら本に付いて書くのは、装幀のことが多かったように思います。しかも,ここ15年ほどは,出来るだけ英語の本を読むことを心がけてきました。洋書は香港にいれば,日本より安く,豊富に手に入ります。主人に,格好ばかり付けるな,といわれ続けても諦めません。幾人かの現代作家のものは、新刊を待って読むようになりました。日本の本を売っている本屋も,香港に数件ありますが,まず,随分と値段が高めです。しかも,日本語ですから,あっという間に読み上げてしまいます。

 この数ヶ月,身辺が何となく落ち着きません。いえ,よく考えれば,今年に入って私の周りは流れが変わって行くような,変化が起きています。こんな時でも,なぜか本を側に置いています。主人が私にと買って来てくれた本、主人が自分で読んで面白いからと,読め読めという本、なんだか本棚にある主人の本で気になっていた本,読み始めたら,ベットにひっころがって,1日とかからない本ばかりです。

 「みちくさの名前。」雑草図鑑 吉本由美

 ずーっと昔,大橋歩さんのアシスタントをなさっていた吉本由美さんの本です。猫が好き、旅行好きのこの人の本はいつも本屋で立ち読みでした。この本は主人が,花の名前を覚ることが出来ない私にお土産です。人に本を頂くと,何より先に読まないと申し訳ないと思ってしまいます。そこで、読みかけの本を差し置いて読むことに。人から頂く本は,最初の選ぶ時点での視線の違いから,自分とは違った選択なので,時には得難いものがあります。主人の思惑通りに行かず,いまだ花のの名前を覚えることは出来ません。日本に帰ったらこの本片手に散歩しましょう。

 

 「英国一家,日本を食べる」マイケル ブース   

 主人が読め読めと仰った本。日本を縦断して,日本の食文化をイギリス人一家が体験する話です。東京、京都の項目が多いのは解りますが,もっと地方料理にも目を向けて欲しかった本です。福岡の博多ラーメンも一項目割かれています。フンフン,博多ラーメンは確かに語れば,福岡の人は10人が10人,違う自分たちの思い込みを語ってくれるような食べ物です。香港でも,日本のラーメン屋のブームで我が家の下の一帯だけでも,20軒近くのラーメン屋があります。しかも,香港人に人気なのは博多ラーメンです。お昼時長い長い行列を作って食べてくれています。ありがたい。

 

 「漆の実のみのる国」  藤沢周平   

 主人が読んで本棚にあった本です。藤沢周平の本は,こうした実話を元にしたものも,フィクッションも30代後半に随分読みました。この方の書く本は,いつもいい余韻が残ります。本棚にあるこの本の「漆」の字に惹かれて読みたい読みたいと思いつつ,やっと,ベットに持って上がりゴロンと読み始めました。東北の漆に興味があります。私が思っていたような漆の情報は手に入りませんでしたが,久しぶりに藤沢周平の世界にどっぷりと浸かりました。

 作家も画家などものを作る人は、その人の人柄が反映されます。そして,人柄はお顔にも出てくるように思います。時折、作家の顔写真を見て、もうこの人の書くものは読むまいと思うようなことがあります。ある女性作家、お顔が好きではありません,そこで,その人の書くものは,どんなに評判でも読みませんでした。あるとき,その方が香港にいらしていたのでしょう。偶然にもホテルのロビーで見かけました。たくさんの連れの方に接するその女性作家を見て,あー、この人の書いたものを読まずによかった。としみじみ思ったことがあります。顔で決めることは私の悪いくせです。藤沢周平さんの風貌は,やはりあの余韻ある世界を作り出しているものと共通していると思います。

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オジギソウの花

2013年09月22日 | 日々のこと

曇り、30度,84%、シグナル3

 スパー台風うさぎが接近中の香港です。シグナル3が点いた後も,雨風ともにまだ影響はありません。高層ビルの壁面の硝子さえ砕けて飛び散る,香港の台風です。山の木たちも根こそぎなぎ倒されて,見るも無惨な山姿になります。

 そんな小高い山から昨年の秋採って来たオジギソウの種,豆科の植物ですから、小さなさやに入っています。茎にもさやにも小さなとげがあります。さやから出した種を,オリーブの木の根っこに蒔いておきました。日当りが悪いので,花が付くのがやっとこの時期になったわけです。

 日本のおじぎ草の花は白が多いようですが、香港はこんなピンクの色をしています。花は一日だけ。次の日はもう薄枯れた色をしています。オリーブの葉、アマリリスの葉と重なって見辛いおじぎ草の葉ですが、やさしい黄緑の色をしています。そっと触れただけでも,葉を閉じますが,夜の間も葉を閉じて寝ているようです。含羞草とも言われるおじぎ草,恥じらいを隠して葉を閉じる姿を見て,名付けられたのでしょうが,なんともいいネーミングです。

 一人っ子で,遊ぶ友達も少なかった私は,このおじぎ草に随分遊び相手をしてもらいました。触って閉じた葉がまた開くまでじっと待って,また触れる,それを繰り返す,それだけで楽しかった記憶があります。。何もしなくても,自然に芽を出してくるおじぎ草です。来年も,きっと花をつけてくれるはずです。

 今日は,このおじぎ草も含めて植木鉢を全部,部屋の中に入れる予定です。山のおじぎ草はきっと強風に吹かれても,柔らかく体を横にして生き延びてくれることでしょう。

 追記、昨日のブログ、フレンチパグに頂いたコメントで,現在は,JAL、ANA共に鼻ペシャ犬は乗れるようになったことを知りました。ただし,ANAは5−9月は乗せないそうです。

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フレンチパグ

2013年09月21日 | もも

晴れ,28度、62%

 我が家の近くにはありとあらゆる国の人たちが住んでいます。中には,自国から犬を連れて見える方もいます。パグだけに関しても。シンガポール生まれ,オーストラリア生まれ、イギリス生まれ、アメリカ生まれに,イタリア生まれの犬に会いました。どこ生まれのパグがどう違うとは一概に言えません。顔つきだって,体格だって個体差と個性によって決まるものだと思います。そのうえ,パグ好きな私たち夫婦は、行く先々でもパグに遭遇します。中國のパグ、インドのパグ,ロシアのパグ,オランダのパグ。台湾の友人が台湾にはパグが少ないと言っていましたが,確かに台湾ではパグにお会いしません。

 人の出入りの多い香港です。犬たちだって,遠くに帰って行きます。モモさんの幼なじみの香港生まれのマックス君は,シアトルに帰りました。モモさんの唯一のガールフレンド、シンガポールからやって来たまんちゃんは,シドニーに帰りました。年上の香港生まれのヨーダ君は,今ニューヨークに住んでいます。

 フレンチパグって,パグとフレンチブルドックのミックスのことではありません。フランス生まれのパグです。お散歩のとき初めて会った,エルビス君。前日にフランスからやって来たのだそうです。6歳,ややがっしりとした体つきです。モモさんは,パグの友達を見ると嬉しいのか、すっと寄って行きます。 エルビス君、旅のお疲れが残っているのか,警戒中。お近くらしいので,これからも宜しくね。右がエルビス君、左がモモさんです。それにしても,香港にはクロパグが少ないと思います。

 さて,我が家がもし日本に帰国となれば、どうやって帰りましょうか?JALもANAもキャセイも,ペチャ鼻犬は乗せてくれません。主人が,船で連れて帰ろうといいます。モモさんを船にお乗せして,付き人として私も乗り込むのです。優雅なクルーズとはなりませんが,それが一番安全かなと思います。

 モモさん、香港生まれの香港育ち,そう言えば,日本生まれのパグに香港でお会いすることはありませんね。

 

 

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