晴、15度、75%
香港は日本より南に位置します。香港から帰った翌日、ご近所の方に「香港って北ですか?」と尋ねられました。小さな土地ですのでご存じない方もいるのでしょう。亜熱帯気候、年間を通して気温、湿度ともに高く、厚手のコートを羽織る日は数日です。自然にある木々や鳥たちは日本のそれとは違います。紅葉はほとんど見られません。
在住の日本人たちが「香港桜」と呼ぶ花があります。4月には香港島の北の斜面に薄ピンクの花が煙るように咲きます。その色と咲く季節から日本人は「桜」を思ってそう呼んでいるのでしょう。 まだまばらに咲いている「香港桜」は「ブーへニア」というのが正式な名前です。そしてこの花は香港の「国の花」です。香りはありません。
「ブーへニア」を見上げていると、ふっと鼻先を甘い香りが掠めました。 「銀木犀」です。金ではなく銀、花色は白です。香港のこの「銀木犀」は日当たりのいい場所なら真夏を除いて年中咲きます。「金木犀」ほど香りが重くありません。ふっと一瞬香るとそれっきり。花もポツポツと枝につきます。
高いところに真っ赤な花が見えています。「カエンボク」、火の炎のように見えるからこの名前です。 洋名は「チューリップツリー」。チューリップを大きくしたような花です。
中高木の木に垂れるように咲いている赤い花は「ボトルブッシュ」と呼ばれるものです。見出し写真がその花です。「ブラシの木」と呼ばれます。よくご覧ください。ボトルを洗うブラシにそっくりな形です。
真っ赤な花をこの時期に咲かせる木がもう一つ、「コットンツリー」です。高木で大きな赤い花、4月になると花が丸のまま落ちて、踏むとバナナの皮より滑ります。そして5月には綿毛を飛ばします。白い綿毛が香港島の「コットンツリードライブ」の坂道を上る時舞い降りてきます。少し、時期が早いのか空港に向かう道で数本咲いているのが見えました。 この写真は「コットンツリーの花」で検索したら出てきた私の2014年3月31日に書いたブログの写真です。
真っ赤な大きな遠目にも目立つ花が咲く、亜熱帯ならではの景色です。「ミモザ」の花の時期は過ぎたのでしょうか?車に乗っていても花を探して落ち着かない私でした。