晴れ、28度、86%
チャイを入れたり、ココアを作ったり、専ら私の飲み物作りのためのミルクパンを探していたのは10年ほど前のことです。それまでは、お好み焼きを混ぜるときの小さな持ち手の付いたボールを使っていました。気に入ったものが見つかるまでは、結構ズボラです。探し始めると、これまた真剣に探します。
香港で売られていたミルクパンは、大きさが手頃なものは赤鍋でした。つまり、銅。お値段はビックリするほど高い上に、注ぎ口がついていません。その頃、本や雑誌でよく見かけたのが柳宗理のお鍋やボールでした。書いている方達皆さんこぞって、使いやすい、形がきれいだと褒めていらっしゃいます。今のようにどこのデパートにも売られていたわけでなく、帰国の度にユナイテッドアローズを覘いていました。確かにきれいなフォルムです。けど決め切らないまま、買いあぐねていました。私にとって、これ!っていえる何かを感じられなかったからでしょう。
それでも、ボストンバックの一番上に大事に入れて香港に持ち帰りました。何分にも、私の飲み物を作る鍋ですから、大事です。さて、次の日の朝から早速ミルクを沸かします。料理家の江上トミさんと試行錯誤を重ねて作られた鍋だと聞いています。さすがに持ち手、注ぎ口が、皆さんがお褒めのように使い易く出来ています。でも、ミルクを沸かすので、タンパク質が固まって付きます。シンクの水にジャボンと浸けて洗いました。他のお鍋の上に重ねて仕舞いました。翌日使おうと取り出した時、下の鍋のふたに小さな水たまりが出来ています。次の日もまた水たまり。持ち手の裏、本体との接続部分に小さな穴があります。水に浸けて洗うので、そこから水が入って流れ出ているのだと気付きました。
私の周りで、一人この柳宗理の鍋を全て持っている人がいます。そういえば、彼女が同じ事を言っていました。聞いたときは人ごとだとあまり気に留めていませんでしたが、いざ自分の身に同じ事が降り掛かって来ると、我慢なりません。
折角買ったのに、2日目にしてがっかりでした。でも水に浸け置かなければいいので、そこは気を使いながら使っています。
たまたま、私のと知人の鍋が水漏れするのかどうかは解りません。注ぎ口が、真ん中に付かずにやや前よりなところも、右利き左利きでも使えるところなど、本当に優れものです。そう思えば、水が漏れてくるのは小さな欠点かな?蓋も別売で売っています。私は、本体だけです。柳宗理のお鍋を買うときは、持ち手と本体のつなぎ目に穴があるかないか確かめてみてください。