はれ、27度、88%
香港の日本人学校、以前は、中学部の修学旅行は北京でした。20年程前の息子の修学旅行時には、まだ、香港から北京の直行便はなく、当時は聞いたこともないドラゴンエアーが別の団体と組んで直行便を出してくれました。
香港$200が、彼らのお小遣いです。さて、当時の日本円になおしていくらぐらいか、とんと忘れました。子供たちは、$200は北京の普通の人のひと月の生活費より多いことを聞かされて旅行に出かけました。お金をむやみに財布から出さないようにとも、注意を受けていました。
私が家庭教師として教えていた日本人学校の子供たち、小学部の広州の修学旅行、中学部の北京の修学旅行の時には、自分たちのお小遣いの中から私にお土産を買って来てくれました。中国独特の切り絵や、土人形、お土産屋で買うものです。彼らがくれたものが箱一杯に仕舞ってあります。
たった一つ、いつも側に置いて使っているものが、翡翠の小さなはんこです。2,5cmほどの小さいもので中国の獅子が頭には彫られています。この石を買うと、すぐにその場で名前を彫ってくれるのだそうです。私の苗字は彫りやすいと思いますがそれでも10分、20分はかかるでしょう。その間これをくれた子は、どうやって待っていたんでしょうね。このはんこを土産に私に差し出したときの、この子の顔が忘れられません。 以来、この翡翠のはんこは私の宝物です。
男の子です。今は、アメリカでパイロットをしています。彼を教えたのも、途中3年間日本の高校へ帰りましたので空きますが、5年程でした。皆そうですが、最初は私より小さかった子供が、あっという間に私の背を抜いて行きます。今では見上げる程です。去年はわざわざ、私を訪ねてくれました。10年近くも会っていませんでした。男の子ですから、音信も不通です。流石の私も、2001年9月11日のあの時だけは、メールで安否を問いました。それなのに、会った途端から昔と変わらぬ二人の会話です。ご両親のこと、仕事のこと、将来のこと。
私が家庭教師の仕事を辞めて5ヶ月が経ちました。使わなくなった赤のペンやこのはんこを見ると、子供たちと過ごした時間が思い出されます。もうすぐ、3人目のお母さんになる子もいます。たくさんの子供たちのことを思いながら、皆、今日も元気でね。