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慶北観光 循環テーマ列車(2)~車内編

2012-07-01 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた「慶北観光 循環テーマ列車」ですが、今日はその続編として車内の様子を取り上げたいと思います。

慶北観光 循環テーマ列車はRDC(CDC:都市近郊型ディーゼル動車のムグンファ号用改造車)の特別仕様車だけあって、CDCをベースに団体臨時列車の「パダ(海)列車」用に仕立てた車両程の大規模な改造は施しておらず、観光向け列車としてだけでなく、旅客列車本数の少ない慶北北部において、他列車の補完目的を兼ね備えています。

 
そのため車内に足を踏み入れても、MAKIKYUが乗車した列車の東大邸(Dong-Daegu)方(MAKIKYUの乗車区間は、栄州(Yeonju)~安東(Andong)・北永川(Buk-Yeoncheon)廻り東大邸まで)車両は、LCDモニターやLEDによる案内表示の設置と、荷棚脇付近やデッキ壁面の装飾などを除くと、他のRDCと大差ない回転式リクライニングシートが並び、特に観光列車と言う雰囲気ではありません。


荷物棚付近の広告枠には、慶北観光 循環テーマ列車の運行区間をはじめ、慶尚北道の様々な自治体の宣伝告知がびっしりと掲げられ、慶尚北道全体の観光振興を図る意味合いもあるのか、沿線地域外自治体の宣伝告知も幾つも見受けられたものでした。
(写真は韓国内では全国的に有名な観光地・慶州(Gyongju)市の宣伝告知で、慶北観光 循環テーマ列車は通常、慶州市内を運行する区間はありません)


しかしながら編成の栄州方は、客室内にステージなどが設置され、一般の旅客列車とは大きく異なる観光列車ならではの雰囲気があり、実際にステージにあるマイクを使い、大音響で歌を歌っている様子なども目撃しています。


団体旅行で盛り上がる場としては良いとはいえ、静かに列車の旅を楽しむには不向きな空間といった感があり、まして何を言っているのかも分からない外国語ともなれば尚更ですが、様々な乗客のニーズに対応するために多様な選択肢を用意しているとも言えます。


また通常4両編成程度でローカル列車に用いられるRDCでは、カフェ車の連結などはなく、飲料水の自動販売機などが設置された空間(KORAILではMini Mini Cafeなどと称しています)が設けられている程度ですが、慶北観光 循環テーマ列車は観光列車だけあって、中間車の1両に売店が設けられ、係員による物販を行っています。


その隣の車両にも飲食などに対応した空間が設けられているのも特徴で、ロビー的な役割も兼ねているなど、ムグンファ号扱いで短編成で運行する列車にしては、設備面で充実した印象があります。

慶北観光 循環テーマ列車は、江原道を走る「パダ列車」の様に、乗車自体を観光の目的とするには物足りない感があるものの、列車本数が少ない慶北北部において、少し変わった列車で旅を楽しみたいという向きにはおススメで、MAKIKYUがまだ立ち寄った事がない慶北線沿線や安東などへ足を運ぶ機会があれば、また乗車しても…と感じたものでした。