先月MAKIKYUは近場で気になっていながらも、なかなか乗車機会のなかった海老名駅―寒川駅間を結ぶバス路線に初めて乗車したものでした。
公共交通機関を用いて海老名-寒川間を移動する際はJR相模線1本で移動するのが一般的で、運行本数・所要時間・運賃の3点で圧倒していますので、この2駅間を路線バスで移動しようと考える人物は、JR輸送障害発生時などを除くとまずいないと思います。
しかしながらこの路線はJR相模線よりも若干東側の公共交通不便地域を経由、この一帯の途中停留所と海老名・寒川両駅を直結する役割を果たしており、MAKIKYUが乗車した際は全区間乗り通したのは1人だけでしたが、区間利用は海老名市内・寒川町内双方で見受けられる状況でした。
ちなみに海老名市・寒川町の2自治体は共に神奈川中央交通(神奈中)の営業区域であると共に、海老名市内は相鉄バスが神奈中以上に多数の路線を運行していますが、海老名駅-寒川駅間の路線バスは2014年に実証運行バスとして神奈中・相鉄バスの2社双方が運行に関わり、両者でほぼ半分ずつ運行していました。
そのため今春の本格運行開始でも、実証運行時と同様に神奈中・相鉄バスの2社共同運行となっていますが、海老名市域では利用が振るわない休止コミュニティバス路線の代替も兼ねています。
自治体による赤字額負担などが議員によって問題視された事もある路線だけあり、道路状況的には中型車での運行も可能なのでは…と感じる路線ながらも、神奈中・相鉄バス2社共にマイクロバスで運行しています。
バス停ポールも海老名市域は相鉄バスのポール・寒川町域では神奈中のポール(写真)を用いており、運行営業所も相鉄バスは綾瀬営業所、神奈中は平塚営業所(神奈川中央交通西・寒川駅発着一般路線の一部系統も運行)担当となっています。
MAKIKYUが乗車したのは神奈中便でしたが、充当車両はブルーを基調とした装いの車両に一般路線色のラッピングを施しており、黄色の色合いなどが若干異なる他、後部ルーバー部分にブルーの車体色が見受けられるなど、少々違和感を感じる装いとも感じたものでした。
海老名市内の神奈中・相鉄バス2社競合となっている区間では、2社のポールが少し離れて設置されている停留所では相鉄バスのポールに合わせて停車する程で、海老名方事業者:相鉄バス・寒川方事業者:神奈中という位置付けになっているのでは…と感じ、運行本数などを考慮すると、本格運行を行うならどちらか1事業者だけに統一した方が良いのでは…と言う気もしたものでした。
乗車方法も神奈中・相鉄バスの2社で異なり、どちらの便も整理券方式の運賃後払いである事は共通しているものの、相鉄バス便は扉が1箇所しかない車両を充当する事から「前乗り前降り」となっている一方、神奈中は少し前まで多区間路線で多かった「前乗り前降り」ではなく、全国的に見ても一般的な「中乗り前降り」となっており、バス停にもこの事を示す注意書きが見受けられたものでした。
実証運行路線としてスタートした2社共同運行路線と言う事もあってか、この路線の2社共通定期券発売は行っておらず、相鉄バスが発売している「トクトクていき(金額式定期券)」が相鉄バス便のみ利用可能(指定金額以上の区間を乗車した場合は差額精算)、神奈中で通用する定期券は存在しない上に、神奈中が発売している1日乗車券は神奈中便のみ利用可能であるなど、様々な面で制約の多い路線となっています。
そのため一般向けに利用しやすい路線とは言い難い面もありますが、神奈中の1日乗車券を利用して県央各地の路線バスを乗継移動する際には、上手く神奈中便の時間に合わせて旅程を組めれば、他の神奈中各路線と併せての乗継移動には結構有用な路線とも感じたものでした。
またこの路線の終点・寒川駅では北口発着、北口ではこの実証運行路線以外に町内コミュニティ路線が複数発着していますが、その一部も神奈中が担当しており、こちらは実証運行路線充当車と同型&海老名駅-寒川駅線充当車の元塗装を纏った車両が活躍しており、海老名駅ー寒川駅線充当車もこの装いで良いのでは…とも感じたものでした。
寒川駅北口を発着するコミュニティ路線では、この他に東京通勤圏の乗合バスでは少数派のワゴン車による運行便も見受けられたものですが、茅ヶ崎駅―寒川駅間を結ぶ大型路線車充当の神奈中一般路線は南口発着となっています。
こちらは駅南口とバス乗場が若干離れており、一応駅南口とバス乗場の双方に案内看板も存在するものの、不慣れな人物にはやや分かり難い状況ですので、寒川駅で神奈中のバス同士を乗継、海老名-寒川-茅ケ崎のバス移動を考えている方は要注意かもしれません。
<お断り>海老名駅―寒川駅線は2社共同運行路線ですが、乗車した神奈中(神奈川中央交通西運行)便は小田急グループに属する事業者
ですので、この記事は「小田急グループ」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。