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中国鉄路・昆明市内を走る米軌路線~残念ながら現在は…

2018-03-09 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国~ベトナム間を結ぶ国際列車(南寧~Gia Lam)に関して取り上げましたが、以前は中国~ベトナム間を結ぶ国際列車として、この路線以外に昆明~Ha Noi間を結ぶ国際列車も運行していました。

南寧~Gia Lam間は標準軌(軌道幅1435㎜)の車両が用いられているのに対し、昆明~Ha Noi間はベトナムの鉄道では標準的なメーターゲージ(軌道幅1000㎜)の車両が用いられており、両都市間を丸1日かけて運行する国際列車も設定されていました。

現在でもベトナム方は中国と国境を接する街・Lao Caiまで旅客列車が運行しており、鉄路は中国へ続いていますが、中国方は大半の区間で旅客列車運行が休止となっています。

中国雲南省のベトナムと国境を接する街・河口は、近年街外れに河口北站が開業、標準軌新線を運行する列車が昆明~河口北間で4往復設定されており、国境の街をタクシーなどで移動する事を除けば、今日でも昆明~Ha Noiを鉄路乗継で移動する事も可能です。

また中国側も標準軌新線が開業したものの、昆明市内の一部区間では少し前まで米軌(メーターゲージ)路線の旅客営業を行っており、昨夏昆明へ足を運んだ際には、MAKIKYUもこの米軌路線に乗車機会がありました。


米軌路線は昆明北を起終点としており、標準軌路線の基幹駅・昆明站や高速鉄道新駅・昆明南站とは離れた場所にありますが、近年は地鉄でこの3駅間を乗換なしで移動する事が出来る様になり、各駅間の移動自体は比較的容易でした。
(昆明站~昆明北站なら、他に市内公交汽車も頻発しています)

 
昆明北站を発着する列車は、河口・Ha Noiへ向かう途中に位置する王家営との間を結ぶ列車が2往復、他に石咀との間を結ぶ列車が1往復設定されていましたが、両者合わせても3往復しか旅客列車設定がない事もあり、大勢の旅客で賑わう昆明站や昆明南站とは大違いで非常に閑散としていました。


中国鉄路乗車となると、まず火車票(乗車券)購入だけでも少々難儀する事が多いですが、この駅では無札入場し列車乗車後に車内で乗車券を購入、それも手書き発券となっているなど、他の中国鉄路各線とは随分様相が異なっていました。

 
旅客列車自体も他路線とは規格が異なる事もあり、専用のディーゼル機関車と客車による運行となっており、客車は車幅が狭い事もあってか、硬座車座席は2+2列配置。

現在中国鉄路の普速(客車列車)は、昔の装いに回帰するかの如く濃い緑色+黄帯塗装への変更が進み、列車種別毎に異なっていた新空調車塗装が、数を減らしている旧来の非空調車(緑皮車)と同等の装いに改められていますが、この米軌路線の客車は新空調特快塗装を堅持。

 
客車内は車両の大きさこそ日本の在来線車両を連想する小柄なものながら、設備的には旧来の緑皮車(非空調車)硬座車と大差なく、薄いクッションの入ったビニール張り直角座席は質素な印象を受けますが、これでもベトナム国鉄のハードシート(木のベンチ)に比べれば遥かに快適と感じたものでした。

客窓も開閉可能、ベトナム国鉄非空調車両の様なアクリル製穴開き窓もない上に、南方ながら標高が高い事もあり、常春とも言われる昆明では窓を開けて外の風が入る状況であれば、車内も空いており短時間乗車なら質素な車両でもそこそこ快適と感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUが昆明で乗車した米軌路線は、昆明北~王家営間を夕方に運行する列車で、片道1時間強の道程でした。

    
車窓は標準軌線との並行区間やマンション建設が進む開発途上の風景、高速鉄道新線の高架橋下に畑の拡がる農村風景など変化に富んでおり、途中幾つかの駅に停車しながらの道程はあっという間と感じたものでした。

 
現在旅客列車の終点となっている王家営站は貨物駅の脇に旅客用のホームと駅舎を設けた所という印象で、站前は閑散とした印象でした。

乗客の大半は来た道を戻る状況、MAKIKYUもその一員でしたが、王家営站での折返時間には記念撮影に興じる人物の姿も散見され、移動手段というよりもアトラクションやクルージングの感覚で乗車している乗客が多いのでは…とも感じる程でした。

ちなみに昆明の米軌線は、残念ながら最近旅客輸送が停運(運休)になってしまったという情報もあり、MAKIKYUは良い時期に乗車したものと感じています。

また米軌路線の起終点站となっている昆明北站は、雲南鉄路博物館を併設しています。

ここでは米軌路線は勿論、近年急速に路線網を拡大している動車組列車に関する展示も多数あるなど、かなり内容の充実した博物館と感じたもので、こちらに関しても機会があれば別記事で追って取り上げられれば…と思っています。



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