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済州島内を運行する列車~旅客営業用の公共交通機関ではないですが…

2015-01-15 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)の済州(Jeju)島内を走る市外バスに関して取り上げましたが、その際には記事の最後に「730番市外バスに乗車し、途中停留所で下車した際には…」と記し、気になった方も居られるかと思います。

MAKIKYUが昨年6月に済州島を初訪問し、晴れて韓国全道(38度以北の通称「北韓」を除く)訪問を達成した際には、済州島内で「鉄道」にも乗車しており、韓国全道での鉄道・列車乗車も達成しています。

しかしながら日本のJRと同様に、韓国のKORAIL(韓国鉄道)も本土全道にネットワークを持つものの、離島の済州島内には路線がなく、日本でも沖縄県だけが唯一JR旅客営業線区の存在しない都道府県になっているのと似た様な状況になっています。

沖縄県は永年日本で唯一「鉄道のない県」と言われ続けていたものの、今世紀に入ってから沖縄都市モノレール「ゆいレール」が開業、現在も旅客営業を行う鉄道はこの1路線だけながらも、那覇市内の足として定着し、新しい路線と感じるゆいレールも開業から10年を超えています。

MAKIKYUが昨年春に沖縄本島を訪問した際には、当然ながらこの「ゆいレール」にも乗車し、日本国内全47都道府県での鉄軌道系交通機関への乗車も達成となりましたが、済州島では現在でもゆいレールの様な都市内を運行する鉄軌道系交通機関は存在せず、公共交通は専らバスのみと言う状況になっています。

そのため済州島で鉄道・列車に乗車したというと、不思議に感じる方も居られるかと思いますが、エコランド(Ecoland)というテーマパーク内に4.5kmの鉄道路線が敷設されており、このエコランドは済州~西帰浦(Sogwipo)間を南朝路(Namcheoro)経由で結ぶ市外バス(730番)の途中に位置しています。
(最寄停留所は済州石文化公園かギョレ自然休暇村ですが、乗務員に「エコレンド(Ecoland)」と言えば通用します)

テーマパーク内の移動手段兼アトラクションですので、旅客営業用の公共交通機関ではないのですが、「鉄道」の走る地域とは程遠い印象がある済州島において、鉄道・列車に乗車できるのは貴重です。

日本では余り知られていないものの、エコランド自体も結構人気がある様で、MAKIKYUの訪問時は繁忙期ではないにも関わらず、結構多くの人出が見受けられ、観光案内所の方(日本語案内員)から伺った話でも、エコランドは結構人気があって混雑するとの事でした。

エコランド内では入出場ゲートのある「Main(メイン)駅」を起終点として、途中には「Eco bridge駅」「Lake side駅」「Picnic garden駅」「Green & Rose garden駅」の4駅が存在しています。

全線が単線非電化で線路幅は610mm、各駅共にホームは1本しかない事もあり、列車は片方向のみの運行となっています。

途中下車せずにMain駅へ戻って来る事も可能ですが、Main駅では乗降箇所が分離されており、Main駅へ戻ってくると再度の乗車はできませんので要注意です。
(列車の運賃はテーマパーク入場料に含まれており、Main駅へ戻って来た後にまた列車に乗りたい場合は、再度入場料を払って入場する事になります)

そのため大半の乗客は各駅で下車して駅周辺を散策・見学し、各駅周辺を廻る事になり、MAKIKYUも当然各駅で下車しているのですが、基本的にパーク内の各駅間を徒歩で移動する事は不可能となっており、先の駅へ行った後に手前の駅へ戻る事は出来ません。
(「Eco bridge駅」と「Lake side駅」の間だけは、徒歩で移動する事も可能で、Lake side駅まで乗車した後にEco bridge駅へ向かい、来た道を再び辿る事も可能なのですが…)


この園内を走る列車は、全て機関車牽引の客車列車となっており、旅客列車を牽引する機関車は全てSL風の外観をしたDL(ディーゼル機関車)ですが、事業用にDLも存在しており、途中駅で留置されている姿も目撃しています。

 
客車はオープンタイプと箱型の2種類が存在し、編成内の客車はどちらか一方のタイプで統一されています。

 
車両のグレードはどちらも大差ないのですが、座席配置などが異なっていますので、両者の差異を色々比べながら乗るのも面白いかと思います。

ちなみにSL風のDL+客車の編成は、各編成毎に装いが異なり、愛称も付けられているのですが、合計6編成が活躍しています。

「Eco bridge駅」と「Lake side駅」の間を何度も移動する様な事をしなければ、基本的に乗車できるのは最大5編成までで、途中下車した後に乗車したのは同一編成になる可能性もある事を考慮すると、一度の訪問で全編成に乗車するのはほぼ不可能な状況となっています。
(これがもし全編成乗車を狙うレールファンを目論んでの企みであれば、かなり上手い商売かもしれません)

ちなみに各編成の愛称は以下の通りとなり、エコランド園内ではPicnic garden駅が列車の撮影には比較的好適と感じたもので、以下の編成写真は全てPicnic garden駅にて撮影したものです。
(Main駅の到着ホーム到着前の列車も、光線状態次第では比較的撮影し易いと思います)



済州の赤い火山岩を象徴する「Red sand」


美しい花を象徴する「Yellow flower」


コッチャワルを象徴する「Green forest」
(「コッチャワル」とは、火山の噴火で流れ出た溶岩が固まり、その上に形成された森を済州の方言で表した言葉です)


湖を象徴する「Blue lake」


済州の黒い玄武岩を象徴する「Black stone」

ネット上で「エコランド」を検索すると上記5編成が出てくる事が多いのですが、他にも1編成「Purple dream」も存在しています。


エコランド内にある各駅や、園内の様子などに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。



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