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カンボジアを走る鉄道・ROYAL RAILWAY(3)~列車からの車窓とタケオ駅

2017-10-09 | 鉄道[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、ROYAL RAILWAYで活躍する車両に関して取り上げましたが、今日はその続編でプノンペン駅から乗車した列車からの車窓と、列車を下車したタケオ駅に関して取り上げたいと思います。
(タケオ→プノンペンの復路も同一経路ですが、乗車時間が夜間帯になりますので、車窓写真は全て往路乗車中のものになります)


プノンペン駅を出発した列車は、出発すると程なく車窓左手に車両基地が見え、ここには何両かの客車の姿が見えてきますが、車両基地に留置されている客車は、MAKIKYUが乗車した列車の様に綺麗に整備された車両ではなく、ボロボロに朽ち果てて外板に穴が空いた車両ばかり。

Wikipediaに掲載されている凄まじい記述も、この車両を用いて運行していたなら…と感じる程の代物でした。


日本のに搬入され、解体待ちとなっている除籍車両の方が格段にマシと感じる程で、整備して使う事もまず無理だろうと思われる状況でしたが、中には外板の穴が空いた部分に洗濯物を吊るしている光景も見られたものでした。


車両基地を過ぎると、暫くはプノンペンの市街地を走りますが、線路脇に立ち並ぶ住宅はスラムと言っても過言ではない、台風でも襲来したら倒壊するのでは…と感じるボロボロの家も多く見受けられたものでした。


家屋の前を通る道路も舗装されておらず、ぬかるんで所々に水たまりができていたり、砂埃が舞いあがっている所も少なくない状況。


中国程顕著ではないものの、新たな建物などを建造している姿も多数見受けられ、タイやベトナムなどの近隣諸国に比べても、カンボジアはまだまだ発展途上である事を強く実感させられる状況でした。


プノンペンの市街地を抜けると、田園風景などが拡がる平野を走り、急勾配や急曲線などはなく線形も悪くない気がしましたが、軌道状態は余り良くないのか速度はさほど上がらない状況。


プノンペン~タケオは路線図上では隣駅ながら、途中には幾つかの信号所も設置されており、途中では貨物列車とも交換、その際には一旦信号所の手前で暫く停車した後にゆっくりと信号所に入線する状況。

クルージング感覚でゆっくりと車窓を眺める事が目的なら悪くない気もしますが、75㎞程度の距離で途中停車駅がないにも関わらず、所要時間が2時間以上を要しており、貨物列車を先に信号所に入線させた後、減速なしで信号所を通過できるようになるだけでも、旅客列車の輸送改善に大きく貢献するのでは…とも感じたものでした。


そして日が暮れる頃にタケオ駅に到着、MAKIKYUはここで列車を下車し2時間後のプノンペン行を待ちます。

プノンペンを午後に出発する列車に乗車し、当日中に列車でプノンペンへ戻れるのはダイヤの関係で日曜日だけですので、列車乗車目的でタケオ駅に滞在する事を考える人物は他にもいるのかどうか気になったものでしたが、MAKIKYUの乗車日はアメリカからの旅行者で同じ事を考えて実行した人物を1名見かけたものでした。


タケオ駅では10分程の停車時間があり、列車乗客向けに飲料水の販売なども行っていましたが、駅周辺は閑散とした農村と言う雰囲気で、駅舎に隣接して住居兼商店が1件あるほかは、食堂などは見当たらない状況でした。


地理不案内な土地で周囲も電灯が少なく暗い事もあり、駅から離れて独り歩きするのは…とも感じ、駅舎隣接の住居兼商店でカップラーメンと飲み物を購入、商店でカップラーメンにお湯を入れてもらい夕食に。

このカップラーメンはタイからの輸入品でピリ辛、商店内で売られている菓子類などもタイからの輸入品が過半数と見受けられる状況でした。


夕食を済ませた後も列車の入線時刻まで1時間以上あり、商店兼住居の住居部分も少し見せて頂き、許可を得て内部も数枚撮影しましたが、建物はコンクリートの床に角材で構成した骨組、そして骨組にトタン板を張り付けだけの簡素なもので、家屋内には幾つものハンモックが見受けられる状況でした。

当然ながら空調もなく、この簡素な住宅で指の数以上の人数が生活しているというのは、今日の日本ではまず考えられない事で、ここで生活するのは容易ではないな…とも感じたものでした。

そして列車の入線時刻が近づくと、駅舎内に鉄道係員が現れて乗車券販売などを行うものの、所定時刻を過ぎても列車が来る気配はない状況。

また係員が乗車券販売を行っているデスク上には、韓国語のテキストが置かれており、韓国語が話せるのか否かを片言の英語で尋ねたら、別の係員を指さし、この係員に尋ねたら「勉強中で少しできる」との事。

漢字が書かれたノートも見せ、中国語も少しできるという事で、この係員に「火車晩点?」と尋ねたら通じず、「열차지연(列車遅延)?」と書いたメモを見せたら「1hour」との回答。

そこで片言の韓国語を用い、以前韓国を旅行した際の写真などを見せながら遅れている列車を待つ状況でしたが、この係員は母国語(クメール語)ではなく英語を用いて韓国語や中国語を勉強している様で、日本ではこの様な駅係員はまずいないだろうな…と思うと、かなり勉強熱心な人物とも感じたものでした。

またタケオ駅駅係員だけでなく、駅舎兼商店に在住の小学校高学年位に見える子供も、中国語を勉強しているとの事で多少の漢字筆談が出来る状況で、タケオで漢字やハングルが通用するとは思っていなかっただけにビックリでしたが、どちらも日本語はできないとの事でした。
(プノンペンの日系ホテルでもフロントに日本語が出来る人物がいない事が多い状況でしたので、カンボジアでは英語はある程度通用するものの、日本語が通用する事は非常に稀です)

カンボジアでは滞在日数も数日程度、列車乗車以外は体調を崩し発熱してホテル内で休んでいた状況でしたので、記事として取り上げられる事は余り多くないですが、都市間移動の基幹交通として多数運行している長距離バスに乗車する機会もありましたので、機会があればこちらも今後取り上げたいと思います。



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