先日「MAKIKYUのページ」では、ウラジオストク市内を走る路面電車に関して取り上げましたが、路面電車は現在郊外を走る6系統一路線のみの運行となっています。
そのため市内交通機関の主流は路線バス、MAKIKYUが昨夏ウラジオストクに到着した際、最初に利用した交通機関も、ウラジオストク駅(Вокзал)~バリャエヴァ (ул. Баляева)間を結ぶ「7T」系統の路線バスでした。
この系統は路面電車代替路線の一つで、終点のバリャエヴァバス停は、現存する路面電車6系統の始発電停、ミンヌイ・ゴルトク(Минный городок)電停と徒歩2~3分程度の所にあります。
乗り通すと昼間時間帯でも40分程度、道路が空いている早朝深夜などであれば、所要時間はもう少し短いと思いますが、ダイヤには余裕があるのか、途中バス停で時間調整を何度も行っていたのは印象的でした。
MAKIKYUが乗車した車両は、最近韓国では見る機会がなくなった現代AEROCITYシリーズの経年車、外見も見るからに草臥れた印象が否めませんが、最近の韓国では聞く機会も減った一昔前の三菱エアロスター加速仕様車によく似た走行音はいいなと感じたものでした。
車内に足を踏み入れると、韓国語の注意表記なども見受けられ、韓国で使用していた車両の中古だろうと推測される状況でしたが、座席配置は韓国の市内バスでは余り見かけないものとなっており、ロシアで増設したものなのかも気になったものでした。
車内掲示の「23руб」は23ルーブルの事、昨夏時点での市内バス運賃は23ルーブル(約40円程度)の均一運賃となっており、1乗車1~2元程度の中国市内公交汽車よりはやや割高なものの、韓国の市内バスなどと比べても割安な設定。
前乗り前払いが殆どの韓国や中国の市内バスとは異なり、均一運賃ながらも日本だと関西の公営系事業者などに多い中乗り前降りの後払い方式となっているのが大きな特徴です。
ICカードリーダーの姿は見かけないどころか、定期券や回数券の類すら見かけず、皆現金で運賃を支払っていましたが、運賃箱は設置されておらず、その代わりにシフトレバー脇に机を設け、ここに運賃を置く→釣銭が発生する場合は、運転士が釣銭皿にある釣銭を渡す方式となっておたのが印象的でした。
(23ルーブルという細かい単位故に、30ルーブルや50ルーブルなどで釣銭をもらう乗客が非常に多く見られ、運転士が終点到着後収受人員分の乗車券をまとめて発券&釣銭皿に小銭を振り分けしている姿も目撃したものでした)
ちなみに7T系統では車型・塗装なども様々な車両が用いられており、車両を見て路線を識別する事は困難、車外の掲示(写真)などが頼りになる状況でした。
他車両の中には、ウラジオストクの市内バスで最もよく見かけるシルバー一色の現代大型車をはじめ、同型車の塗装違いなども活躍。
また大型車だけでなく中型車も混用されており、使える車両を片っ端からかき集めた様な印象を受けたもので、その中には韓国では近年見る機会がなくなった起亜製車両の姿も見受けられたものでした。
ウラジオストク駅~路面電車6系統電停間を結ぶ路線は他にも幾つかあり、またウラジオストク駅には発着しないものの、駅から少し北側に歩いた所に位置する中心街を経由する路線もありますので、路面電車乗車の序に様々な路線バスを乗り比べる事もできます。
写真の31系統は路面電車の終点電停・サハリンスカヤ(Сахалинская)で撮影したウラジオストク駅行、ウラジオストクで最もよく見るシルバー1色の現代製大型車ですが、広告付となっており、この車両以外にも広告付車両は時折見かけたものでした。
この車両は割合新しい車両ながら冷房装置は搭載しておらず、現代がロシア向け輸出仕様として製造した車両かと思いますが、ウラジオストクの市内バスは大半が非冷房車、もしくは冷房付車両でも未使用で窓を開けて走っている状況でしたので、夏場の特に暑い時間帯に乗車する際は要注意です。
7T系統や31系統以外の市内バス路線も、活躍する車両の主流は大型車で、中には韓国で見た事がある装いの車両も散見する状況。
それ以外も韓国製の現代と大宇が大半を占める状況でした。
ただ中にはMAN製車両の姿なども目撃し、これは数が少ないだけに際立つ存在とも感じたものでした。
また大型車が主流とはいえ、路線によってはミニバスも用いられており、こちらも一度だけ乗車したものでした。
韓国マウルバスの様に割安な運賃設定にはなっておらず、運賃は大型車で運行している市内バス路線と同額でしたので、大型車充当路線と重複する区間のみを乗車するなら、個人的には大型車の方が…とも感じたものでした。
昨夏のロシア訪問ではウラジオストク市内以外にも、近隣都市の市内バスや都市間バスにも乗車する機会がありましたので、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。