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ベトナム・ホーチミン郊外を運行するベカメックス東急バス~日本の東急バスとは様々な面で差異も

2017-12-12 | バス[その他海外]

今夏MAKIKYUが東南アジア方面へ足を運んだ際には、ベトナム最大の都市・ホーチミンにも宿泊機会があり、その際にはホーチミン北郊のビンズン(Binh Duong)省にも足を運んだものでした。

ホーチミンは市外中心部から北西に向かった所にサイゴン駅が存在、同駅からダナンなどを経てハノイまで至る統一鉄道が走っているものの、長距離列車のみの「列車駅」となっており、大都市ながらも現段階では地下鉄や路面電車などの軌道系交通機関は皆無の状況となっています。

ただ距離的には200㎞強しか離れていない隣国カンボジアの首都・プノンペンとは異なり、市内や近郊を結ぶ路線バスは非常に充実しており、ホーチミン滞在中は何度か路線バスを利用したものでした。

その一つがホーチミン北郊のビンズン省を走る「ベカメックス東急バス(Becamex Tokyu Bus)」で、その名の通り日本の首都圏を中心に交通事業や流通事業、都市開発などを幅広く手掛ける東急グループが運行しています。


多摩田園都市などの都市開発で定評ある東急グループだけに、路線バス運行だけでなくベトナムの大手ディベロッパー・ベカメックスと合弁でビンズン省内の都市開発も行っており、都市開発エリア内にあるバスターミナル名称(写真)は「Hikari」、路線バス名称は「Kaze Shuttle」など、日本語由来の名称を多用しているのも大きな特徴です。


ベカメックス東急バスに関しては、東急線車内広告でも告知されていますので、ベトナムの路線バスというと東急が真っ先に思い浮かぶという方も居られるかと思いますが、日本とは異なる左側通行という事もあってか使用車両は左ハンドル車、日本の東急バスとは異なる車型の車両が用いられています。


東急線車内広告にもイラストが用いられている現代の大型路線車(New Super Aerocity)は、韓国で多数運行している座席型市内路線車と大差ない前中扉配置(中扉引戸)・2段ステップの天然ガス車で、何度かベカメックス東急バスに乗車した際には、この車両にも乗車機会がありました。

MAKIKYUが何度かベカメックス東急バスを利用した際には、たまたま乗務員と共に日本語会話が出来る運行管理者の方(ベトナム人)が乗車しているバスにも乗車、ベカメックス東急バスに関して幾つか話を伺う機会がありましたが、8月時点での車両台数は17台との事でした。


現時点ではまだまだ小規模な部類、まだこれからという感が強い沿線都市開発と共に今後の事業拡張が期待される事業者と感じたものでしたが、事業開始から日が浅く車両台数も少ないとは言えども、New Super Aerocity以外の車種にも遭遇、乗車機会もありました。


韓国のバスとよく似たデザインながら、SAMCOブランドで中扉が折戸になっている車両は、ホーチミン市内や近郊では他事業者でもよく見かけるものの、現代自動車の本拠地・韓国ではありそうでないタイプの車両。


HYUNDAI THACOブランドの車両は、こちらも中扉折戸で前面形状が異なり、これも現代自動車の本拠地・韓国では見かけない車両。


この車両は前輪タイヤハウス上の座席が横向き配置(ロングシート)となっており、この座席配置はベトナムの隣国でもある中国の路線バスではよく見かける反面、日韓の路線バスではまず見かける機会のない仕様で、つり革形状なども中国の路線バスとよく似ている様に感じたものでした。


またベカメックス東急バスの運賃は、系統別に設定された均一運賃で前払い、運賃箱は簡素な箱で運賃支払時に乗車券(レシート同然ですが…)が発券されるのも大きな特徴となっていますが、メイン路線となっているトゥーヤモット(Thu Dau Mot)~Hikari Terminal間で10000VND(約50円)という運賃は、ベトナムの近隣路線バス運賃と比べるとやや割高な設定となっています。


ただ空調完備でクッションの効いた座席をはじめ、車内にはWi-Fiも装備、車内で「Japanese know-how」と謳った掲示も掲出しているだけあり、各停留所に運行角瓶の時刻を掲出、各停留所到着前にベトナム語と英語の2か国語で停留所名を放送も実施。

乗務員は制帽とマイクを着用、発車時や停車時のマイク案内も実施するなど、日本では当たり前の事ながらも、ホーチミン都市圏を走る他事業者バスよりも進んだ輸送サービスを提供していると感じ、東急バスが一時運行していた「東急コーチ(運賃は他路線と別体系)」を連想したものでした。

乗務員が携行している運行表もベトナム語と日本語の2か国語表記、漢字に混じり「ダイヤ」などのカタカナも見受けられる状況で、日系の東急ならでは…とも感じたものでした。


また車内掲出の乗務員氏名札(許可を得て撮影)を見ると、乗務員はサービス・プロバイダーやサービス・クルーとは呼ばず、LEI XI/DRIVERという一般的な名称となっており、使用車両と共にこの様な所も日本の東急バスとは異なる点と感じたものでした。

ホーチミン周辺ではベカメックス東急バス以外にも幾つかの路線バスに乗車、またバスターミナルで撮影した画像などもありますので、これらに関しても近日中に追って別記事で取り上げたいと思います。



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