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錦川鉄道・NT-3001「せせらぎ号」~ハイグレードな設備を誇る錦川清流線の新型車両

2008-05-04 | 鉄道[中国]

  

先月末にMAKIKYUが広島周辺を訪問したのは、広島周辺を走る鉄道路線の中でも未乗路線として残っていた錦川鉄道・錦川清流線に乗車するのが最大の目的だったのですが、その際に岩国から乗車した車両がNT-3001号で、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

錦川清流線は旧国鉄岩日(がんにち)線を第3セクターに転換した路線(国鉄民営化直後も僅かな期間はJR西日本が運行)で、起点は岩国からJR岩徳線で2駅目の川西駅となっていますが、全列車が岩徳線に乗り入れて岩国~錦町間を運行していますので、運賃こそ川西を境にJRと錦川鉄道に分かれるものの、実質的には岩国を基点に錦町までを運行する路線と言えます。

錦川清流線に転換してからも既に20年余りの月日が経過しており、開業当初に導入されたNT-2000形と呼ばれる気動車は老朽化も進んでいますので、最近はこの車両の取替えにNT-3000形と呼ばれる新型気動車が導入されています。

その先陣を切って昨年から走り始めた車両がNT-3001号で、「せせらぎ号」と呼ばれる愛称が付けられていますが、この車両は地方の第3セクター鉄道でも比較的近年に車両代替を行った第3セクター鉄道などで、他にも幾つもの採用事例が存在する新潟トランシス製の標準車両ながらも、錦川鉄道に導入された車両は転換式クロスシートを主体とした座席配置を採用しているのが特徴です。

第3セクター鉄道ではよくあるイベント兼用車ではないにも関わらず、クロスシート部分の窓側には木製の折り畳み式テーブルも備え付けられており、内装も木目を用いていて高級感がありますので、岩国駅で顔を合わせる事もしばしばあり、普通列車用車両としては高級な部類に入る事で知られる山陽本線を走るJRのN○0工事施行車(車両自体は旧国鉄から継承した経年車ですが、座席や内装のグレードは関西の新快速などに匹敵します)と比べても決して見劣りしない程です。

そのため岩国駅から2駅間は同じ線路を走る岩徳線の旧年式気動車(キハ40・47形)などに比べると遥かに上等な車両と言え、岩国~川西間を利用するのであれば乗り得車両と言えます(ただ岩徳線・錦川清流線は共に決して運行本数が多いとは言えませんので、好きな列車を選んで乗車できる時間帯は限られますが…)し、決して安いとは言えない錦川清流線の運賃に見合う車両とも言えます。

ただその一方でドア付近のロングシート部分で用いられている座席モケットをみると、東洋随一の歴史を持つ事で知られる東京の地下鉄某線を連想させられ、長閑な山間の川沿いをノンビリと走る路線に乗車していながらも、大都会でも屈指の混雑線区を連想させられるのは不思議なもので、錦川清流線とは何か接点でも…と感じさせられます。
(まあこんな事を感じるのはMAKIKYUだけで、大多数の利用者はこんな事は考えないのでしょうが…)

沿線の過疎化などで利用客が減少し、車両代替の陰で在籍車両数の減車(6両→4両)と、これに伴う朝ラッシュ時間帯の減便が報じられ芳しいとは言い難い状況の中でも、ベース車両自体はメーカー標準とはいえ、永年使い続ける事を考慮してこれだけのグレードを誇る車両を導入した事は評価に値するものと感じますし、今後末永く沿線に愛される車両として活躍し続ける事に期待したいもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も岩国辺りへ行かれる機会がありましたら、是非錦川清流線を走るこの新型車両に乗車されてみては如何でしょうか?



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2 コメント

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岩日線の思い出 (6994)
2008-05-07 17:00:55
 錦川鉄道移管前の、国鉄最後の夏、広島から日帰りで乗りに行きました。昼間の列車なのに、キハ58や23をごちゃごちゃに繋いだ長い編成でした。
 あと管理人さんは、サンライズを利用されたそうですが、平日とは言えGW期間中に直前にソロが取れるようでは、利用不振も深刻ですね。
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随分な違いが… (MAKIKYU)
2008-05-07 22:37:39
6994様こんばんは。

こちらは先日初めて錦川清流線(旧岩日線)に乗車しましたが、今は亡きキハ23を混成した数両もの編成ともなれば、主に新形式NT-3000形が単行ワンマン運転で走る現在の清流線は、随分様変わりしている点もあると思いますので、現在の清流線に乗車され、今昔を比較してみるのも面白いかもしれませんね。

また清流線乗車の前に利用したサンライズ出雲号(これを取り上げるのは暫く先になりそうですが…)ですが、はやぶさ・富士号の如くガラガラ…という程ではないものの、空室も散見される状況でした。

寝台利用では新幹線よりも割高になってしまい、旅行商品があまり出回らず専ら正規運賃での利用になってしまうという価格面などを考えると、厳しい面もあると感じますが、設備的にはかなり快適に過ごせ、岡山で下車するのが惜しい程でしたので、車両もまだ新しい事ですし、末永く走り続ける事を願いたいものです。
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