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まもなく終焉を迎える苫小牧市営バス(3)~移籍車両編

2011-11-25 | バス[北海道]

先日「MAKIKYUのページ」では、苫小牧市営バスで活躍する路線車に関して取り上げましたが、今日はその続編として、他事業者から移籍した車両に関して取り上げたいと思います。

苫小牧市交通部では、平成11年を最後に新車導入がストップしているものの、その後も老朽車淘汰の為に車両代替は必須となる事から、新車導入終了後は毎年の様に他事業者からの中古車両を導入しています。

現在その数は30台を越え、市営バスで活躍する路線車の3分の1以上が他事業者からの移籍車両という程ですので、結構な頻度で遭遇しますが、移籍車両は道南バスに運行委託している錦西営業所に配属される割合が高くなっています。

市営バスにおける移籍車両の特徴としては、まず局番に新車で導入した車両とは異なる300番台の番号が割り当てられ、関東鉄道バスの9000番台が割り当てられている車両などと同様に、振番ルールさえ知っていれば、誰でも容易に移籍車である事が見分けられる事が挙げられます。

また苫小牧への移籍前は、皆首都圏で活躍していた車両ばかりで、現段階では首都圏と共に排ガス規制による特定地域に指定され、地方へ多数のバスが移籍している阪神地区や中京圏の車両は存在していません。

車種も大半はいすゞ製の大型短尺車になっている事が挙げられ、新車で導入された車両は長尺車ばかりなのとは対照的です。

冬場の運転性にはやや難がある様ですが、元々首都圏で使用していた車両だけあって全て冷房装備となっており、苫小牧市営バスの冷房車比率向上にも大きく貢献しています。


最初の移籍車は元東京都交通局(都営バス)の車両で、富士重工製車体のいすゞ車ですので、巣鴨か深川のいずれかで活躍した車両かと思いますが、苫小牧市営バスで中扉4枚折戸となっているのは、今の所はこの元都営バスのみです。
(苫小牧市内では道南バスにも中4枚扉の移籍車両が在籍し、MAKIKYUも姿を目撃していますが、こちらは本州の民間事業車からの移籍車両です)

都営バスが地方への中古バス転売を中止した後は、川崎市交通局や国際興業の中古車両が多数導入されており、これらは苫小牧市営バスでかなりの勢力を誇るまでになっています。

 
阪神地区などからの移籍車は存在しない事から、西日本車体工業(西工)製こそ存在しないものの、富士重工製車体(7E)と純正(キュービック)の双方が存在し、川崎市営から移籍した車両の中には、両者が混在しています。


これらの中には、導入当初は少数派だった逆T字窓(最近のバスはこのタイプばかりですが…)の車両や、ワンステップ車(最近のワンステップ車より床面が10cm程高く、ステップの段差はやや大きいです)も含まれているのが特徴です。


比較的最近になって移籍した車両は、大都市圏での淘汰対象がV8エンジン搭載車になっている事から、MAKIKYUの中ではまだ新しいバスと言う印象があるKC-LV380Lなどが導入されていますが、国際興業からの移籍車はV8エンジン搭載車でもリーフサス(板バネ)で2段窓、2段ステップ車でシフトレバーもロッド式であるなど、年式の割には…と感じてしまう気がします。


最も最近導入された移籍車は、京浜急行バスで活躍していたキュービックのバリアフリー対応ワンステップ車で、サスペンションもエアサス(空気バネ)を装備するなど、デザイン的には型落ちの印象が否めないとはいえ、最新の新車に見劣りしない接客レベルを備えた車両と言えます。

移籍車は主に錦西営業所に配置される傾向があるものの、苫小牧市営バスでは比較的新しいV8エンジン搭載車は、大半が交通部所属となっており、特に最新導入車の元京急ワンステップ車は、導入された2台共に交通部所属となっています。

そして忘れてはならないのが、309号車と呼ばれる川崎市営バスからの移籍車両で、いすゞ車ばかりの移籍車群に混じり、1台だけの移籍三菱エアロスターMとなっており、苫小牧市営の三菱車で唯一のリーフサス車にもなっています。


この車両は錦西営業所に所属し、新車で導入された三菱車は全て交通部所属という事もあって、錦西営業所で唯一の三菱車と言う事でも注目の存在と言えますが、MAKIKYUが苫小牧を訪問した際には、偶然駅前のターミナル待機場に停車している姿を目撃できたものでした。

苫小牧市営バスに関しては、一般路線用とは異なる特殊用途の車両に関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。