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東京都交通局 300形電車~日暮里・舎人ライナーで活躍する新交通システム車両

2008-04-05 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

  

去る3月30日に首都圏では横浜市営地下鉄グリーンラインと共に、都営日暮里・舎人<Nippori・Toneri>ライナー(以下舎人ライナーと表記)も開通し、MAKIKYUも開業当日にこの両新線に乗車する事が出来ましたが、今日は舎人ライナーを走る車両・300形に関して取り上げたいと思います。

この車両は舎人ライナー開業に合わせて導入された車両で、同じく都内を走る新交通システム「ゆりかもめ」に良く似た感がありますが、舎人ライナーはまだ開業したばかりという事もあり、増発や延伸で何度かに渡って車両増備が行われ、製造年度によって車両のバリエーションが幾つか存在するゆりかもめとは異なり、現状では1タイプのみの存在となっています。

また前面形状もゆりかもめとは少々異なるものとなっていますし、両数もゆりかもめより1両短い5両編成となっているのが特徴ですが、内装も客ドアが金属地剥き出しになっているなど、ステンレス無塗装の外観だけでなく、車内もかなりシンプルな印象を受けるものとなっています。

座席配置は最初ロングシート主体としていたものの、それでは予想以上に乗車可能という事で、急遽変更された模様とはいえ、東京の大動脈とも言える山手線も走る日暮里駅を起点とする路線を走る車両でありながら、車内の座席配置は大半が方向固定のクロスシート(約半数の座席は進行方向と逆行)になっているのも特徴的で、座席配置は車両幅が狭い事もあって、通路を挟んで2人がけと1人がけになっています。

勿論この手の新交通システムでは恒例とも言える最前部の展望席とも言うべき特等席も、1人がけと2人がけになっていますが、急遽座席配置を変更した事が影響したのか、それとも小柄故に荷棚を確保できない事の代わりなのか分かりませんが、1人がけ座席の窓側に、デッドスペース(?)と言っても良さそうな、異様な空間が設けられているのが非常に特徴的で、これでは立席空間が狭くなりますので、通勤ラッシュの際などに問題が生じないのか気になるものです。

それにしても東京都交通局はこの舎人ライナーの運行開始で、地下鉄4路線(それも全て別規格)に路面電車(都電荒川線)、上野モノレールに加えて新交通システムまで抱える事になり、鉄軌道の見本市的様相を呈する状況になっています。

この事をPRする事も兼ねてなのか、従来からの一日乗車券(他に23区内で多数が走り、青梅地区でも幾つかの路線を運行する都営の路線バスも利用可能ですが、上野モノレールは利用不可)を「都営まるごときっぷ」と改名する程で、片道320円の運賃を要する舎人ライナーも利用対象に含めながらも、一日券の値段を据え置く(700円ですのですぐに元が取れます)など、舎人ライナーには随分力を入れている事を感じさせられますが、今まで鉄軌道系交通機関不在地域であった故に不便さが否めなかった足立区西部の舎人ライナー沿線をはじめ、今後広く愛される路線として走り続ける事を願いたいものです。

写真は起点の日暮里駅に入線する300形電車と、座席配置が特徴的な車内の様子です。