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東京都交通局 40形電車~都営線唯一のモノレール車両は様々な特徴が…

2008-03-01 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

   

昨日MAKIKYUは上野動物園に入園し、東園と西園の2つに別れている動物園内を結ぶモノレールにも乗車しましたが、このモノレールは動物園内のみ(東園と西園の間を分断する道路を跨ぐ部分を除く)の短い区間を走っており、上野動物園に入園しないと乗車できない路線です。
(余談ながら東園~西園間は、モノレールに乗車しなくても徒歩で移動する事も可能です)

園内を移動する交通機関だけに、当然動物園の営業時間(9時台~16時台)にしか運行されず、動物園閉園日は運休になりますが、それでも都営交通をはじめとする首都圏を走る大半の公共交通機関で利用可能なPASMOなどのIC乗車券をはじめ、都営交通一日乗車券も使えない(日暮里・舎人ライナー開業と共に同線にも乗車可能となり、「都営まるごときっぷ」と改めて都営地下鉄・都電・都バスに加えて、新交通システムまで乗車できる様になっても不可の様です)とはいえ、単なる遊戯施設ではなく上野懸垂線と呼ばれ、東京都交通局が運営する正式な鉄道路線の一つとなっているのが特徴です。

また日本初の営業用モノレールで、昨年12月で50周年を迎えた歴史ある路線でもありますが、車体の上に軌道が存在する懸垂式モノレール自体が、日本国内での現行営業路線自体が他に湘南モノレールと千葉都市モノレールのみ(こちらはサフェージュ式と呼ばれます)、懸垂式モノレール自体もMAKIKYUの知る限りでは、世界的に見ても他にはモノレール発祥の地であるドイツ・ヴッパータールに存在する程度(当然この路線に乗った事はありませんが…)です。

しかもランゲン式と呼ばれるヴッパータールのモノレールとほぼ同等(駆動輪がゴムタイヤになっている事が、上野懸垂線の大きな特徴です)で、モノレールにしては割合細いレールに台車が剥き出しとなり、この台車と車体との間を大きな腕の様なもので繋いでいる構造の懸垂式モノレールは、日本では上野以外に現存しませんので、その様な観点でも非常に貴重な路線です。

このモノレールで活躍する車両は、開業から長い月日を経ている事もあって、MAKIKYUが昨日上野懸垂線で乗車した現在活躍中の車両は4代目になりますが、この車両は40形と呼ばれています。

単線で路線長も短く交換設備等も存在しない路線だけに、2両1編成のみの存在となっており、何らかの事情でこの車両が使えなくなった時は上野懸垂線自体が運休になりますが、2両の車両間は湘南モノレール等と同様、非常用で通常乗客の通り抜けはできない構造となっています。

車体上部がグリーンに塗装されている辺りは、如何にも都営バスなどを運行している東京都交通局の車両という感があり、車体に多数の動物が描かれている(ラッピングの様ですが…)のは、動物園内を走る鉄道といった感じですが、車内の座席も先頭部のみクロスシート配置となっていますが、各座席が硬いFRP製となっている事は、中国の地下鉄や路線バス等を連想させられ、日本の鉄道では非常に物珍しく感じます。

また40形は2001年に営業開始した比較的新しい車両であるだけに、車椅子スペースやドア開閉時の注意放送(チャイムではありません)、自動放送等も装備していますが、上野懸垂線は東園と西園の2駅しか存在せず、乗車したら次は確実に終着駅となる事もあって、駅到着時の案内放送では「まもなく駅に到着します…」と流れ、車内放送で駅名を呼称しない辺りも特徴的です。

とはいえ列車入線時に案内放送が流れ、東園・西園両駅では列車運行時刻も掲出されています(殆どが不定期列車扱いというのは興味深いですが…)し、JR東日本の特急列車で使用されているのと同様のミュージックホーンを鳴らしながら走るなど、本格的な鉄道らしい一面が見られるのも興味深いもので、所要時間は片道1分半と非常に短いですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も上野動物園を訪問する機会がありましたら、是非上野懸垂線に乗車されてみては如何でしょうか?

写真はまもなく西園駅に到着する40形車両(写真撮影は西園駅近くで、同駅に到着する列車が最も容易です)とその車内、駅構内に掲出された時刻表と乗車中のワンシーンです。