地に依(よ)りて躓(つまづ)ける者は
還って地に依りて起き、
路を行きて迷へる者は
還って路を行きて悟る
(「和歌政所一品経供養表白」澄憲)
訳)大地のせいでつまずく者は、むしろ大地のおかげで起きることができ、道を行きながら迷子になる者は、むしろ道を行くことで行き方を悟る。
永万2(1166)年に、説法の名手澄憲の作った表白(法会の趣旨を漢文体で綴っもの)の一節である。表白は法会の中で読み上げられるものなので、独特なリズムをもつ美文で構成され。
澄憲(1126〜1203年)は、藤原通憲(信西)の息子で、唱導の流派、安居院流の祖である。
(選・文=日本文学研究者 渡部泰明 「家庭画報」 2023年11月号)
還って地に依りて起き、
路を行きて迷へる者は
還って路を行きて悟る
(「和歌政所一品経供養表白」澄憲)
訳)大地のせいでつまずく者は、むしろ大地のおかげで起きることができ、道を行きながら迷子になる者は、むしろ道を行くことで行き方を悟る。
永万2(1166)年に、説法の名手澄憲の作った表白(法会の趣旨を漢文体で綴っもの)の一節である。表白は法会の中で読み上げられるものなので、独特なリズムをもつ美文で構成され。
澄憲(1126〜1203年)は、藤原通憲(信西)の息子で、唱導の流派、安居院流の祖である。
(選・文=日本文学研究者 渡部泰明 「家庭画報」 2023年11月号)
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