『星を投げる人』(ローレン・アイズリー)
朝、いつものように海岸を散歩していると、ひとりの少年が何やら、海に向かって投げている。
「何してるんだい?」
「ヒトデを投げているのさ」。
見ると、見渡す限り無数のヒトデが打ち上げられている。
やがて死んでしまうだろう。
「こんなにたくさんいるのに、何の足しにもならない(no difference)よ」。
少年は、ヒトデをもうひとつ拾いあげた。
「でもこのヒトデには、大きな違いだと思うよ」。
そう言って、そのヒトデを海に向かって投げたのである。
ヒトデはこんなにたくさんで、全部は助けられない。
徒労に思える。
でも少年は言う、「この」ヒトデは事実に助かるよ。そして、ひとつずつヒトデを投げ続ける。それならできるから。
「ハクソー・リッジ」で負傷兵を助け続けたデズモンドのように。
そして、ささやかな「違い」のために、悪戦苦闘している誰でものように。
(日経新聞・夕刊 「あすへの話題」橋爪大三郎)
映画『 ハクソー・リッジ 』
http://hacksawridge.jp
朝、いつものように海岸を散歩していると、ひとりの少年が何やら、海に向かって投げている。
「何してるんだい?」
「ヒトデを投げているのさ」。
見ると、見渡す限り無数のヒトデが打ち上げられている。
やがて死んでしまうだろう。
「こんなにたくさんいるのに、何の足しにもならない(no difference)よ」。
少年は、ヒトデをもうひとつ拾いあげた。
「でもこのヒトデには、大きな違いだと思うよ」。
そう言って、そのヒトデを海に向かって投げたのである。
ヒトデはこんなにたくさんで、全部は助けられない。
徒労に思える。
でも少年は言う、「この」ヒトデは事実に助かるよ。そして、ひとつずつヒトデを投げ続ける。それならできるから。
「ハクソー・リッジ」で負傷兵を助け続けたデズモンドのように。
そして、ささやかな「違い」のために、悪戦苦闘している誰でものように。
(日経新聞・夕刊 「あすへの話題」橋爪大三郎)
映画『 ハクソー・リッジ 』
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