みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

家庭血圧

2012-09-10 06:06:01 | 医療一般
「家庭血圧」から不調を読む

■血圧には病院やクリニックで測る「診療室血圧」と「家庭血圧」があります。
病院などでは緊張から数値が高めに10~30mmHgもの差があることがあります。
家庭血圧はリラックスした状態で測定でき安定しているので、自分の血圧水準や、その変化を認識することができます。

家庭血圧の測り方
■基本は毎日同じ時間に同じ条件で測定することです。
毎朝起床後、朝食前に測るのが最適とされています。
朝と晩など1日に数回測定することで血圧変動の傾向をつかめます。
市販の血圧計は大きく分けて上腕で測定する機種と手首で測る機種があり、一般的なものは4千円前後で売られています。

■日本高血圧学会は、より正確な測定が必要な人には上腕タイプを推奨しており、健康づくりのために家庭血圧を測定する習慣を勧めています。
実際に毎日血圧を測ると、塩辛いものをたくさん食べたり、運動不足が続いたりした時に、血圧が上がるのが分かるようになります。

■最近発表された睡眠時間と病気に関する複数の調査によると、睡眠時間が短いほど糖尿病、心臓血管障害などによる死亡率が高くなることがわかってきています。
最高血圧135mmHg以上、最低血圧85mmHg以上が続いたら医療機関などで診療を受けるのがよい。
普段の血圧と比較して大きな変化があったときは要注意です。
ほどほどの飲酒は血圧を安定させます。
しかし飲酒過多や慢性的疲労での高血圧は、休肝日を設けたりしっかりとした睡眠を心がけたいものです。
疲れがたまっているとき、特に睡眠不足はすぐに血圧に影響します。
夜更かしは当然血圧によくないのですが、深夜労働の人も血圧が下がりにくい傾向にあります。


■女性の更年期以降の上昇や、ダイエットのしすぎによる栄養不足からの低血圧など、健康リスクのサインとなりますので注意が必要です。

■現在、国内での高血圧患者は4,000万人とも言われています。
健康な時からの血圧測定の習慣は、自分の体の状態を知る良い機会になります。
血圧が変化したときの不調を記録することで、さまざまな病気を予防できる可能性が高まります。

参考
日経新聞・朝刊 2012.8.25


<私的コメント>
血圧は体内の様々な変化を表すサインともいわれます。
健康な人でも定期的に血圧を測定する意義は大きいのです。
腎臓の病気や胃潰瘍による出血がみつかったり、代謝性疾患やうつ傾向などの心の変調のサインとなることがあります。
脈拍も血圧同様に体の不調を示すことがあります。
市販の血圧計には必ず脈拍もデジタル表示されますので血圧と一緒にチェックする習慣をつけましょう。
「家庭血圧」から、見過ごしていた不調を発見することも出来ます。
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