ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

「マスメディア」から「マイメディア」、そして…

2004年08月18日 | Weblog
インターネットの登場によってメディアのあり方は大きく変貌した。それまでのように特権的な放送局や新聞社、大手出版社が圧倒的大多数に対して情報を加工し提供するというあり方から、誰もが簡単に自分の意見や主張、想いといったものをインターネットを通じて発信するというあり方に。HPしかり、インターネットラジオしかり、動画配信しかり、BLOGしかり。「マスメディア」から「マイメディア」への転換である。

こうした状況の中で、僕らのような個人だけじゃなくて所謂著名人も「マイメディア」を持ち始める。今やHPを持っていない著名人などほぼいない状態だ。しかしそんな中で単なる「自分自身の」宣伝媒体以上の価値を提供できた「マイメディア」の持ち主はそんなにいない。

例えば、村上龍氏の「JMM」。メルマガという形態をとりつつも、「金融・経済」ネタという硬派な内容と「双方向性」を活かすという独自の形態で発展してきた。

田坂広志氏の「未来からの風」は早い時期から「コラム」と「インターネットラジオ」という形を通じて、著者の考えを伝えてきた。そこでは現象に捕らわれがちなビジネスの世界でより深い「気付き」に誘ってくれた。

そして木村剛氏。「木村剛の金融・経済大捜査線(現、フィナンシャルジャパンONLINE)」以来独自の視点でニュースを解説したり、多数のゲストを招いて「激論」を繰り広げたり、と有料ではあるもののかなり割安価格で「マイメディア」と「マスメディア」の間隙を抜くような番組を提供してきた。

この番組の不思議なところは、「報道ミステリー」や「激論!日本再生」のように木村剛氏が中心となりつつもある意味「サンデープロジェクト」のように政治経済番組として成り立っている部分と「日本振興銀行」の記者会見を放送したりと、方向性の違う路線が混在していても許されるというところ。「木村版マスメディア路線」から本当に個人色の強い(ある意味、ユーザー不在の)「マイメディア路線」が混在しているのだ。まぁ、それも「木村剛」がやっているんだ、俺のファンはついて来い的なノリの「マイメディア」だから許されるところか。

実際、昔の「激論!日本再生」はこれはテレビだと流せないよなといった発言があったりしてゲストも暴走気味の人が多かったし、そういう意味では「マイメディア」を存分に楽しんでいた番組だった。

また木村氏は「週刊!木村剛」というユーザーとのコミュニケーションをベースとした新しいメディアの想像にも果敢に挑んでいる。それは今や村上龍の方がしっかりと「金融・経済」系のお堅いメディアになったことがしめしているように、オフ会あり、厚労省に挑戦したり、ほとんど同人誌のノリとしか思えない「月刊!木村剛」を創刊したり、と「マイメディア」というより「大学のサークル」か「深夜ラジオ」のノリである。完全にサブカルチャー化しているといっていい。

その木村剛氏がついに「マスメディア」であるところの「月刊誌」を創刊するという。それも「経営幹部・投資家のための経営・投資・ライフスタイル情報を満載した、ストレートでフェア、オンリー・ワンの月刊誌」だというからびっくり!

「サブカル」から「エスタブリッシュ」への転向か?


木村剛が創刊「フィナンシャル ジャパン」


木村剛氏は何故、今、「マスメディア」に戻ろうとしているのだろうか。しかもコメンテーターといったある意味リスクの少ない立場ではなく、自ら創刊しようとするのか。「マイメディア」のマスメディア化か、新しい時代の要請に応えようとするものなのか、コラムや創刊準備号でもその意図はかかれているが、実体はまだ見えてこない。多くの新聞社や出版がそうであるように、当初の方針は素晴らしかったのに、経済の法則とメディアという権力の中で当初の方針を見失うことなく、是非とも初心貫徹、新しいメディアを創刊してもらえたらと想う。

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かなり高級感溢れる雑誌だったのでびっくり!
これ、紙代だけでも結構するよな、という感じで本当に経営が成り立つのか、人事ながら心配に。。
できれば、「フィナンシャルジャパンONLINE」購入者には割安にしてもらえるとありがたいな~なんて、、、



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