M・M日記~心理カウンセラーのつぶやき

アドレリアンの日常と、時どき心のお話
何があっても ちょっと一呼吸おいて違う見方をしてみたら…
人生楽しくなるかも♪

なつかしい名前・・・。

2013-04-13 01:30:30 | 家庭
随分前になりますが、
ある日突然かかってきた電話。

この春に大学生になった娘がまだ幼稚園の頃、
園で仲良しだったママ友でした。
その声は重苦しいしわがれた声で
「夫が亡くなったの」
とだけ告げました。

かける言葉もみつからずにいると
「落ち着いたら連絡するから…」
と言ってすぐに受話器の向こうの声は切れました。

彼女の夫は
アルコール依存症でした。

ずっと相談にのっていましたが
当時はまだカウンセラーの勉強中で、
未熟な私は一緒になって苦しんでしまい
大した助けになれなかったように思います。

アルコール依存の治療はとても難しくて
妻など援助者との共依存状態に陥りやすく
入退院を繰り返したり
援助者も共倒れになってしまうことが多いのです。

やがて真面目な性格の彼女自身も
鬱状態になり
周囲に心を閉ざしてしまって
すっかり疎遠になっていたのです。

そしてあの日の
突然の電話以来、音沙汰ないまま、
さらに時は過ぎたのですが
きのうふと、電話の着信記録に
彼女の名前を見たのです。

ようやく電話をくれた…。

少し勇気がいりましたが
こちらから電話をしてみました。

しばらくぶりの声は
若干暗くてトロンとしたしゃべり方…。
今も何か薬を服用しているんだろうと
察しがつきました。

はじめのうちこそ、
ぎこちなさがありましたが
ぽつぽつと話をするうちに
抜け落ちていた年月の
できごとが埋められていき
口調も明るくなっていきました。

派遣社員としてフルタイムで
仕事をしていること、
彼女の息子も遠方ながら独立し、
娘のYちゃんも吹奏楽をがんばって
女子大に入学したことがわかり
ほっとしました。

長いこと彼女の置かれた状況は
とてもとても苦難に満ちていました。
夫のことだけでなく、
彼女の弟や、夫の両親、
息子のことでも…。

それでも必死で真っ当に生きている彼女に
人間のはかりしれない底力を感じました。

ほんとうに頭が下がる思いです。


今日もありがとうございました♪


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