M・M日記~心理カウンセラーのつぶやき

アドレリアンの日常と、時どき心のお話
何があっても ちょっと一呼吸おいて違う見方をしてみたら…
人生楽しくなるかも♪

お酒をお客様のコートに!

2011-04-30 23:55:05 | 仕事
あれは、
息子が居酒屋でバイトを始めて
まだ2日目のことでした。

疲れ切った顔で帰宅した息子から聴かされたのは、
「カシスオレンジをお客さんのコートにこぼしちゃったんだ…。」

お盆のうえでバランスを崩して
倒したカシスオレンジ。
悪い事に色が濃い…。
ひたすら謝って、
コートをクリーニングに出すため
お預かりすることになったそうです。


開店してまもない店なので、
クリーニング店がどこにあるか店長は知らず、
息子は探してきてと言われて
夜中に携帯で検索し、
方向を間違えたりしながらも
走り回って探し当てたそうです。


「たいへんだったでしょうね。」
取りあえず労をねぎらってから、
「ま、良かったね。
 アルバイトのうちにこうやっていろいろ失敗しながら
 対処の仕方を学べて。
就職してからも仕事の役に立つんじゃない?」
とフォローしておきました。


ホールの仕事は初めてであるにも拘わらず、
基本的なことをほとんど教えられないまま
いきなり接客をさせられているそうで、

現場でやりながら覚えて行けばいい、
という方針らしいのです。


でも、経営者は
どこに時間をかけるかということを
ながいスパンで考えないと
結局はこんなふうに新人スタッフが
いろいろやらかしちゃって、

「よくあることだから。」では済まされなくなり
いずれ足もとをすくわれることに
なっちゃうんじゃないでしょうか…。


新人スタッフの研修をしっかりやる「余裕」がないのは
どこもいっしょだと思うのですが、

それでもきっちり教育をするかどうか、
それが長い目で見たときに
その企業の繁栄につながると思うのです。

特に日本が想定外の事態に陥っているいま、
ご立派な企業理念が
きちんと社員に浸透しているかどうか
露呈してしまうと思います。

それは経営者が社員と
どう向き合ってきたのかによるのだと思います。

組織は「人」で成り立っているのですから…。


あれから数日、
「その後どう?」
と息子に聞くと、
「運ぶ時に緊張してしかたない。」
というのです。

「それじゃ~返って失敗しやすいじゃなーい。」

人は恐れや不安を抱いたりした時、
緊張してからだは硬直し、
思考も止まってしまいます。

そして失敗するのです。

だから「またやっちまったら、どうしよう!」
と思えば思うほど、

失敗しやすくなります。


「あのね、そんな時こそ、
自分がベテランになった気分で動いてみて~。

なりきるんだよ~♪

はい、料理の乗ったお盆を片手に、
どんなふうに運ぶ??

ベテランスタッフは動きもスムーズでしょう?
きちっと脇を締めて、カッコいいよね~♪」


すると息子は、

左腕にエアーお盆を乗せ、
背筋をキリリと伸ばして
まるで社交ダンスのように
くるくるっと2回転してから
スッと片膝をつきました!


「あのね。2回転はいらないから。」

突っ込み入れときました♪