萌えてばかりもいられない!

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リンカーンを観てきました!

2013-05-13 06:49:14 | 推薦します!
金曜日の夜は手詰まりな感じだったので、レイトショーを観に行くことにした。
映画は「リンカーン」。中村さんのブログを読んで観に行きたいと思っていたところだったから。


伝記では読んだことのある人。
偉い人の典型、人民の人民のための人民による・・・、だけど悲運に見舞われてしまう!!といった凹凸のない記憶しかなかったのだけど、好きな日本史でもたまに錯誤が生じる。当時の背景。
これを想像する中で、アメリカを二分する南北戦争があって…。
理想は分かるが、地続きの日常の中から、人間の平等を訴えているその状況は非常に危ういことであったと想えば、そのカリスマが目指す行為はどこまでも微妙な行為だったことだろう。

オバマ大統領が現代には誕生している。
スレイブ(奴隷)という身分を有色人種に与えてきたそれまでの白人社会が、一切の不当な扱いをしなくなり、女性にも参政権を与え、身分というものを打ち壊して、人権というものを昇華させていく歴史的な出来事の原点がこれだ。

リンカーンは怯まない。手練手管という言葉で括られてしまうような闘争で票の切り崩しをしていくのだが、どこまでも民主主義の中の多数決という評定は理想と現実に揺れ動く様を現している。最後は「私は誰だ?アメリカ合衆国大統領だ!私のために票を集めろ」というキレル様な口調でとうとうと捲くし立ててしまう場面もあるのだが、芯が強い証拠に一切の妥協的な案を組み入れず、最後は詭弁も弄して議会を掌握してしまう。

あの広い国土で内戦を制しつつ、政策を取り付ける。
国民や国家、人類や未来に資する気持ちがなければ出来ない偉業である。

今この時代と場所からその歴史を翻って見てみるといい。
そこには人類が一歩また一歩とステージを揚げてきた証跡が残っている。
誰でも現実と乖離するのは嫌なものだ。
誰でも予測できない未来を単純に楽観できる状況にはない。
でも誰でも「正しい」と思う方への気持ちを正直に打ち出すことは出来る。

日本において、どの内閣総理大臣がそういう決断をしてきただろうか?
その前の将軍でもいいし、施政者であれば誰でもよいのだろうが、そういう観点を発信してきた人物が日本の中にもいるのだろうか?

評論家や学者ではなくて為政者の中でである。

もしかしたら、革命的な政治判断は、大統領という仕組みでしか生まれ得ないのか?
内閣総理大臣という地位にはバランサーの役目しか与えられていないのではないか?
という疑問さえも沸いてきてしまう。


リンカーン公式ホームページ

強い国家には、強い指導者が生まれる仕組みそのものがあるということかもしれない。
是非とも国のあり方を含めて色々と考えさせられる「リンカーン」をご覧下さい。
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