いやぁ、刀が欲しくなっています。(笑)
途中、「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方」にちょっと寄り道してしまい、(だって毎日新聞の下に広告が出てるんだもん!)虎徹の方が少しばかり停滞しておりました。。
刀鍛冶、作刀、鍛刀ならいざ知らず、刃文、鞴(ふいご)、鎚(つち)、火床(ほど)、地鉄(じがね)、地沸(じにえ)、鋼(はがね)などの単語が渦巻く中に、青く煌く火と土と湿気が鉄を蕩かして鎚を振り下ろされて、刀が鍛えに鍛えられていく様の描写が秀逸です。
また虎徹が「できた」と思ったり、怒ったり(いかったり)、奮闘したり、達観したりする毎に、刀の出来映えがどうも変化しているあたりの機微を描き分けるという。。。すんばらしい書きっぷりです。
怒りを胸にしていることもあり、鍛冶をすることのみにすがることもあるのですが、刀のなんたるかを見極めていく虎徹の姿はやはり圧巻です。矜持(意味は自負・プライドだけど、ニュアンス的には意地・執念・傾倒・窮めに近い感じ)という言葉がこの小説のテーマです。
物語は、甲冑鍛冶から刀鍛冶へと転進する時代の流れに抗えない一人の男の生き様でもあるのですが、行光という名刀の行方(所持していた貞国鍛冶は殺されていた)とその復讐に燃える弟子(初めは虎徹を犯人だとして付け狙っていた貞国の息子)との話や明暦の大火や、将軍家のお抱え鍛冶の座やそれに纏わる政争も絡んできます。
あまり新撰組のことを知らないので、近藤勇の所持していた刀として有名だったということも何も知らずにこの小説を読み始めました。
名刀を幾振りも世に送り出し、晩年近くには傑作を生み出しているとのこと。物語はその10年ほどの前の名刀行光にまつわる話で幕を閉じている。
火天の城の時にも書きましたけど、この作家、山本兼一氏は、歴史の端々の部分に生きる人々を見つめ、想い、時間を感じて息吹を吹き込んで話を作ることがとても上手です。
息衝いている登場人物たちの表情が浮かぶ程です。
司馬先生の話は、中心が有名な人物なため、逸話も多く、寄り道しながらもその途中で出てくる人物(の後々の功績などで)の凄さを知ることが出来るという作風ですが、山本兼一氏の話は、歴史的には余り逸話も残っていないような人物なので、話(ストーリー)の中で何も寄り道せずに、人物を膨らましていくのです。泣いたり喚いたり、砂利を掴んで歯噛みするほど悔しがったりする、そんな描写で人物を膨らませていきます。歴史の中に時間を感じる、例えば夕日や朝日や夜の帳などは今も昔も変わらないと想うような。。。ちょうどそんな感じです。
で、本屋に行ったら、「雷神の筒」という、織田信長に鉄砲を指南し最強の鉄砲衆を創設したという、、、、これまた知らない橋本一巴という男の生涯を描いた小説があったのでそれに移りました。(笑)
今年は山本兼一総なめの年になりそうな予感・・・。
途中、「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方」にちょっと寄り道してしまい、(だって毎日新聞の下に広告が出てるんだもん!)虎徹の方が少しばかり停滞しておりました。。
刀鍛冶、作刀、鍛刀ならいざ知らず、刃文、鞴(ふいご)、鎚(つち)、火床(ほど)、地鉄(じがね)、地沸(じにえ)、鋼(はがね)などの単語が渦巻く中に、青く煌く火と土と湿気が鉄を蕩かして鎚を振り下ろされて、刀が鍛えに鍛えられていく様の描写が秀逸です。
また虎徹が「できた」と思ったり、怒ったり(いかったり)、奮闘したり、達観したりする毎に、刀の出来映えがどうも変化しているあたりの機微を描き分けるという。。。すんばらしい書きっぷりです。
怒りを胸にしていることもあり、鍛冶をすることのみにすがることもあるのですが、刀のなんたるかを見極めていく虎徹の姿はやはり圧巻です。矜持(意味は自負・プライドだけど、ニュアンス的には意地・執念・傾倒・窮めに近い感じ)という言葉がこの小説のテーマです。
物語は、甲冑鍛冶から刀鍛冶へと転進する時代の流れに抗えない一人の男の生き様でもあるのですが、行光という名刀の行方(所持していた貞国鍛冶は殺されていた)とその復讐に燃える弟子(初めは虎徹を犯人だとして付け狙っていた貞国の息子)との話や明暦の大火や、将軍家のお抱え鍛冶の座やそれに纏わる政争も絡んできます。
あまり新撰組のことを知らないので、近藤勇の所持していた刀として有名だったということも何も知らずにこの小説を読み始めました。
名刀を幾振りも世に送り出し、晩年近くには傑作を生み出しているとのこと。物語はその10年ほどの前の名刀行光にまつわる話で幕を閉じている。
火天の城の時にも書きましたけど、この作家、山本兼一氏は、歴史の端々の部分に生きる人々を見つめ、想い、時間を感じて息吹を吹き込んで話を作ることがとても上手です。
息衝いている登場人物たちの表情が浮かぶ程です。
司馬先生の話は、中心が有名な人物なため、逸話も多く、寄り道しながらもその途中で出てくる人物(の後々の功績などで)の凄さを知ることが出来るという作風ですが、山本兼一氏の話は、歴史的には余り逸話も残っていないような人物なので、話(ストーリー)の中で何も寄り道せずに、人物を膨らましていくのです。泣いたり喚いたり、砂利を掴んで歯噛みするほど悔しがったりする、そんな描写で人物を膨らませていきます。歴史の中に時間を感じる、例えば夕日や朝日や夜の帳などは今も昔も変わらないと想うような。。。ちょうどそんな感じです。
で、本屋に行ったら、「雷神の筒」という、織田信長に鉄砲を指南し最強の鉄砲衆を創設したという、、、、これまた知らない橋本一巴という男の生涯を描いた小説があったのでそれに移りました。(笑)
今年は山本兼一総なめの年になりそうな予感・・・。