萌えてばかりもいられない!

そんなに色々なことにやたらと深い造詣などいだけないから適当に綴っていこうかしらん

いっしん虎徹 読了

2011-07-28 23:03:53 | プチ萌え
いやぁ、刀が欲しくなっています。(笑)

途中、「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方」にちょっと寄り道してしまい、(だって毎日新聞の下に広告が出てるんだもん!)虎徹の方が少しばかり停滞しておりました。。

刀鍛冶、作刀、鍛刀ならいざ知らず、刃文、鞴(ふいご)、鎚(つち)、火床(ほど)、地鉄(じがね)、地沸(じにえ)、鋼(はがね)などの単語が渦巻く中に、青く煌く火と土と湿気が鉄を蕩かして鎚を振り下ろされて、刀が鍛えに鍛えられていく様の描写が秀逸です。

また虎徹が「できた」と思ったり、怒ったり(いかったり)、奮闘したり、達観したりする毎に、刀の出来映えがどうも変化しているあたりの機微を描き分けるという。。。すんばらしい書きっぷりです。

怒りを胸にしていることもあり、鍛冶をすることのみにすがることもあるのですが、刀のなんたるかを見極めていく虎徹の姿はやはり圧巻です。矜持(意味は自負・プライドだけど、ニュアンス的には意地・執念・傾倒・窮めに近い感じ)という言葉がこの小説のテーマです。

物語は、甲冑鍛冶から刀鍛冶へと転進する時代の流れに抗えない一人の男の生き様でもあるのですが、行光という名刀の行方(所持していた貞国鍛冶は殺されていた)とその復讐に燃える弟子(初めは虎徹を犯人だとして付け狙っていた貞国の息子)との話や明暦の大火や、将軍家のお抱え鍛冶の座やそれに纏わる政争も絡んできます。

あまり新撰組のことを知らないので、近藤勇の所持していた刀として有名だったということも何も知らずにこの小説を読み始めました。

名刀を幾振りも世に送り出し、晩年近くには傑作を生み出しているとのこと。物語はその10年ほどの前の名刀行光にまつわる話で幕を閉じている。

火天の城の時にも書きましたけど、この作家、山本兼一氏は、歴史の端々の部分に生きる人々を見つめ、想い、時間を感じて息吹を吹き込んで話を作ることがとても上手です。
息衝いている登場人物たちの表情が浮かぶ程です。

司馬先生の話は、中心が有名な人物なため、逸話も多く、寄り道しながらもその途中で出てくる人物(の後々の功績などで)の凄さを知ることが出来るという作風ですが、山本兼一氏の話は、歴史的には余り逸話も残っていないような人物なので、話(ストーリー)の中で何も寄り道せずに、人物を膨らましていくのです。泣いたり喚いたり、砂利を掴んで歯噛みするほど悔しがったりする、そんな描写で人物を膨らませていきます。歴史の中に時間を感じる、例えば夕日や朝日や夜の帳などは今も昔も変わらないと想うような。。。ちょうどそんな感じです。


で、本屋に行ったら、「雷神の筒」という、織田信長に鉄砲を指南し最強の鉄砲衆を創設したという、、、、これまた知らない橋本一巴という男の生涯を描いた小説があったのでそれに移りました。(笑)


今年は山本兼一総なめの年になりそうな予感・・・。

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またね!埼玉の皆様、こんにちは!川崎の皆様!

2011-07-24 05:49:46 | Weblog
~To Our Friends Around the SAITAMA Prefecture
Thank You For Your Support~

実は台風が迫り来ると云われていた7月の21日に所沢の家を退去し、7月22日に新居のある溝の口のマンションに荷物を運び入れるという引越しを行いました。

台風の接近で訪れた涼やかな日取りの中、家内の義姉や友人が応援に駆け付けてくれたおかげで、72平米→67平米に移る、狭くなる引越しがもう少しで実現しそうです。多くの障害を家内や義姉が解決してくれました。。。

まだ、いくつものミッションが残っているのですが、お蔭様で大まかな部分には目途が立ちました。

埼玉県在住時には、多くの友人にお世話になりました。私の川越勤務時代はいい意味での人生の転換期になりました。またブログでも埼玉県の皆様に多くの知己を得られたことは私の人生の中でとても充実した時間でした。


息子の幼稚園での友人の両親達(ママ友・パパ友)とは、色々な部分で大きな絆を築くことができました。
息子達にとっても生涯の友達で居続けてくれることを心から願っています。

息子や家内には多くの友人が出来た場所でもある所沢の家では、多くの見送りを受けました。

埼玉県では登校班というものが組織され、行き帰りを共にする仲間とお別れすることになり、息子も少しめげています。。。。


家内は精神的な支えである友人達との別れに、かなりのショックと脱力感を伴っています。


私は・・・これからはここ川崎市の住民としても、様々な地域への参画やらにも、邁進していきたいと思っています。




まずは久々にフロンターレの応援かな?(笑)『なんじゃそりゃ?』ですか?(笑)
30日の対浦和戦は・・・・あらら完売目前のようですな。


さすがレッズサポーターの皆様!!
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よくやった!なでしこジャパン!世界一!

2011-07-18 06:22:13 | スポーツへの想い
すごい。よく追いつき、よく粘った。

アメリカのFIFAランク1位のプレスに前半は苦しめられていたが、よくぞ、よくぞ抉じ開け、よくぞ追いつき、よくぞ止めて、PK戦を制してくれた!


得点王 澤 穂希 あなたは素晴しすぎる。他のみんなも!!

お疲れ様、そして ワールドカップ優勝、本当におめでとう
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いっしん虎徹 読中感想文

2011-07-16 23:19:11 | プチ萌え
今、山本兼一さんの小説、『いっしん虎徹』を読んでいます。

今回は少し時間がかかってます。(笑)

江戸時代の刀鍛冶 長曽祢興里(ながそね おきさと)のお話。元は越前で甲冑鍛冶であったが、自分の甲冑・兜を断ち切る刀を打ちたくなって、出雲のたたらに鉄を勉強に行ったり、江戸に出て、修行していったり。。。。


でも実は『この人誰なんだろう?いきなり刀の鍛冶で江戸の平時(1660年ごろ)のと言われても・・・・周りも含めて「誰だよ、この人!」って思っちゃうよな』と余り読み進められなかった。

ただ鉄(かね)への執着が人並み外れていて、初めて打った刀は研ぎ師から「災難が寄ってくる」、その主からは「張り切った刀」と評され、鉄(かね)が鍛えすぎて、冷えた夜に飾っておいた枕元で張り詰めていた刀の切っ先が折れて弾け飛んでしまう。

二本目は、自信を持って試し切りに持っていくも、試刀家の加右衛門から「この刀は怒っている。」「切るまでもない。この刀は簡単に折れる。お前は鉄(かね)殺してしまった・・・」と散々に言われ、それでも懇願し試し切りをしてもらうのだが、命を掛けろと言われてしまう。
自分の刀を構え、ライバルの先代、康継2代目の刀で打ちかかってくる。自分の刀が負ければ首が飛ぶ。その位置を狙われず、加右衛門の刀は、興里の刀の切っ先を弾き飛ばし、興里(おきさと)の髷(まげ)を切り裂いた。



後日、「その首を捧げに来い」と言われ、死を覚悟する興里。


そこで康継三代目のにっくき賤しい刀で首を落とされると知って、興里は涙をあふれさす。

そこにいた公方の叔父である僧侶の圭海に「お前の兜を見た。わしの目に適う刀を打つというのならその命、助けよう。」「刀は魂の拠り所。益荒男(ますらお)の矜持(きょうじ)である。今の武士には今の武士の刀が必要だ。正宗、行光、青江のようないにしえの鍛冶に出来た品格と潤いを持った刀を打て」と、そして興里は「思い上がりを恥じ、一度はあきらめた命、入道させてほしい」と頼む。そして、一心日躰居士 虎徹という法名をもらう。



ここまでを読んだ。

100ページくらいまでは出雲のたたらで鉄(かね)を学び、トラブルに巻き込まれ、という興里を読んでいても、『もののけ姫みたいだな』という程度だったかな。。。
この後の、興里の”刀を打ち、鍛え始めて、弟子を鍛え、一心不乱に鉄(かね)を求め、刀に執念を燃やす姿”でギアが入りました。

火天の城でも書いたが、この山本兼一氏、職人の仕事を書かせたら、素晴らしい言葉でその技と出来映えを評していく。




千利休を読んだときは茶器が欲しくなり茶室に憧れた。懐石というものの神髄に触れた気がした。(もちろん錯覚)
いっしん虎徹を読み終わった後は日本刀が欲しくなる。。。。のだろうか。。。(笑)


多分、そんな気分にさせてくれる(はずの)小説家、山本兼一氏、あっぱれでございます。


mac
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なでしこの健闘を祈って!

2011-07-16 21:04:36 | スポーツへの想い
なでしこジャパンの躍進が続いている。

決勝進出?凄過ぎだが、ドイツ戦での勝利への執念を思うと、心の強さが体力を凌いでいるような気さえする。

その強さがスウェーデン戦ではチーム力に結実した感がある。


何故か縁者がいるということで、北京オリンピックの頃から、親父はなでしこを応援している。
ワールドカップ前の韓国との試合、松山の大雨の中でのあの試合に合羽を着こんで随行したんだとか。。。。少し歳を考えて欲しいけど。

今日はたまたま一人で家財を預けるために実家に来ていたら、その縁者から「ちょうどドイツのワインが届いている」とか。。。

アメリカとの決勝戦への調整が続いているであろう、遠くドイツで精進しているであろうなでしこジャパンの選手たちを想いながら、親父とワインを飲み干した。



親父がワインのお礼を早朝のドイツ戦のハーフタイムに携帯にかけたら、自宅にテレビの中継が入っていて向こうが困っていたそうだ。なんと間の悪い・・・。



まぁなにはともあれ、アメリカに勝って”世界一”の称号を日本へもたらして頂きたい!



頑張って下さい。お祈り申し上げます。
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『ぶっせん』のすすめ

2011-07-07 05:41:31 | 推薦します!
本当は仏仏専寺。だけど、表向きは仏教専門学校。略してぶっせん(仏専)。

窮乏に瀕した寺の住職が留守の老師に成り代わって始めた学校事業。
「50単位で悟りだ」というシステムに、進学や進路にあぶれたり、迷うものが集まってきた。

中には隣の金満腹寺からまぬけなスパイもやってくる。

男子校(女人禁制)、校歌(般若心教)などから始まり、剃髪、座禅、懐石、托鉢、修行に絡めて起こる事件の数々。廃寺されそうになるのを必死で守る生徒達。
どこまでも楽観的で突き抜けた老師の帰還。

とても大好きな漫画なのだが、売りに出そうかと思って思い留まった。

もう一度読み返してもやはり色々な箇所がツボのままだ。

特に教師役の雲信。この理屈っぽさは自分自身に通じるところがあるのでは?と勝手に思いこんでいる。

この漫画、実は家内の友達からの評価がいまひとつ。


一人自分だけが昔からお気に入りだった。


週間文春の漫画レビューコーナーで紹介されているのを読んで、購入したものだが、読み返してもまだ面白い。登場人物がみんな頭を丸めてしまっているから、キャラが見分けにくい?


今は上中下の3巻愛蔵版の形ででているのかしら?




機会があったらご一読あれかし!!!!そして感想をどうぞ!
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火天の城、読了

2011-07-01 04:39:02 | 推薦します!
読み終わりました。火天の城。

クライマックスは一旦完成した後の命懸けの補修の部分なんでしょうけど、今回も瓦の部分が圧巻でした。
一見という明から渡来した職人が鮮やかな赤い瓦を焼き、採用されるのですが、主人公の一人、岡部又右衛門(父)が見廻りに来て、下のものに任せず、足で土を捏ねる一見にどうして自分で土を踏んでいるのかを訊ねます。
足の裏で土を感じ、足の裏が喜んでいると感じるといい瓦ができるという問答をします。

後日、信長がなんという綺麗な赤が出たものだと一見を褒めるのですが、一見はこれは棟梁である又右衛門の手柄であると信長に伝えるのです。信長は「お前は瓦も焼くのか?」と又右衛門を訝しく見るのです。
一見の仕事ぶりを観察し、興味を持ち、声をかけられたおかげで『この棟梁の仕事ぶりには負けられぬ、自分も鮮やかな赤を出してこの城に捧げたいと』と強く思うことができたと信長に進言します。

信長のギッリギリの注文を出す才能が一番ではあるのですが、それに応える職人衆の存在を浮き彫りにさせたこの「火天の城」という作品、一つの極上であります。

そうなんです、信長は荒唐無稽な注文を出すこともありますが競い合って「最上のもの」を目指させるマネジメントの覇者としてこの作品の中に君臨します。

岡部又右衛門、以俊(もちとし)親子も意匠を凝らし、設計に頭を悩まし、御屋形様(信長)の期待のうち、諫めることも厭わず行いながら、この世の極上の城を目指して精進を重ねていきます。自分の城という意識をこれまた職人であるこの親子が持ち挑んでいくのです。

多分こういうのが本来の『仕事』なのだと思います。

DVDも出ているみたいなので、そっちを今度は観てみたいと思います。

山本兼一さんの作品、「利休にたずねよ」、「火天の城」。どちらも面白いです。



『火天の城』公式サイト2


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