
お香とお線香の違いって何?!
稀に聞かれる質問。
色々調べてみても厳格な定義ってないようですが、
仏様が好まれる香りを焚くのがお線香で、
生きている人が香りを楽しむのがお香という感じでしょうか。
仏様が好まれる香りは白檀であったり、
甘茶香であるとどこかで読んだ気がします。
でも実際にはそれほど厳格に線引きなどなく、
お線香と呼ばれているのを仏様に焚いているのが現実かと。
なのでお線香と言っても香りは本当に様々です。
最近ではお仏壇でお線香を焚かれる代わりに、
お香を買っていかれる方も多いですね。
人間は仏様になられると、
人と香りの好みが異なりお線香を好まれると言われています。
なので自分が好きなお香を焚くのではなく、
仏様が好まれるお香を焚くことが本来は好ましいとされています。
煙が仏様に伝わるといわれ、
善い香りが煙に乗って相手に気持ちを供えようとするもてなしの心を仏様は召し上がると言われます。
仏様のお食事がお線香。
厳密に言えばお香を焚くことは良いことではないのかもしれません。
しかし重要なのは相手を想う気持ちかと思います。
弊店にバラのお香を度々買いに来てくださるお客様がいらっしゃいます。
お仏壇用にと買っていかれるのですね。
小学生の女の子を数ヶ月前に亡くされた母親。
このバラのお香は凄くいい香り。
娘も喜んでくれるに違いないわ。
このお話を伺ったとき、
言葉が詰まってしまい、なんと返答をして良いのか、
英語であれば I'm so sorry to hear that・・・ と言うのが適切かと。
しかし日本語で ごめんなさい って変だし・・・。
娘さんを亡くした母親の気持ちは、
私のような未熟な人間になど慰めることのできない重いこと。
ちょっぴり涙ぐんだその方の目を見ながら、
ひたすら それは、それは・・・ などと意味のない言葉しか発せなかった
自分が嫌でした。
今度 小学校のお友達がお墓参りに一緒に行ってくれるので、
バラのお香を持っていこうと思って。
という母親の気持ち。
母親のその優しい気持ちは、
どんなに高級なお線香よりもいい香りがするに違いない、
そんな気がします。