![Ariake010](http://farm2.static.flickr.com/1090/1211719429_981b52f56b.jpg)
少し時間が出来たので、村松画廊の加藤康成展「落葉」‐有り触る世のために‐とギャラリー山口の橘秋展を観に行った。どちらも非常によい展示で、美術に興味のある方にはぜひともお勧めしたい。しかし、いずれの展示も自分の能力では言語化不可能で、ある意味、言語を扱う人間としての限界を思い知らされた展示でもある。
加藤氏の展示は気楽な写真を気楽にインスタレーションしたような展示にも思えるが、しかしながら作品を観れば観るほど見た目の気楽さとは全く異なる何かが、じわじわとわだかまってくる。しかし、それを言語化しようとすればするほど、そのわだかまりは何かまた別なものへと変容してしまい、決して捉えることができないような、めまいにも似た感覚に襲われてしまう。
結局、自分は何か別の作家なり作品なり、あるいはジャンルなりテーマなりといった「言語化を容易にするための基準点」を「作家の意思や作品と無関係に設定」しなければ、この展示を言語化できないということに気がついてしまったのだ…
橘秋展は案内の画像やコメントから受ける「重さ」とは裏腹に、なにか楽しげで、そして微かに軽やかさを感じる展示だった。また、インスタレーションも自分好みで、足を踏み入れることによって目に入ってくる作品が、鑑賞者の新たな感覚を呼び起こすような、そういう配置になっているのはとても楽しかった。
展示されている作品は、作家自身からとても愛されているのであろうなと、そんなことを感じさせてくれる、暖かな展示だったように思う。
加藤康成 展
会場: 村松画廊
スケジュール: 2009年10月12日 ~ 2009年10月17日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-4 近代ビル1F
電話: 03-3567-5665 ファックス: 03-3567-5665
橘秋 展
会場: ギャラリー山口
スケジュール: 2009年10月12日 ~ 2009年10月17日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F・B1F
電話: 03-3564-6167
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