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東京の夜景動画ブログです。

写真の外、芸術の内

2007-02-19 22:27:07 | 業務関連


今日は朝から好い天気ではあったが、企画会議だったので空をふり仰ぎつつ出社する。
とはいえ、会議ではもっぱら聞き役に回り、最後のほうだけちょこちょこデータ確認という塩梅だったので、なんとなく損をしたように気になってしまった。



それにしても、自分の仕事というのは、つくづくメタな商売だと思う。



ひとつのアイディアが、あるときは小説、あるときはドラマCD、あるときはゲーム、またあるときはアニメとなり、運がよければ(悪ければ?)その全部にさえもなる。そして、自分はアイディアを外側から検討し、その中から適当な要素を適当なメディアに当てはめてゆくという、なんともまぁメタなポジションに位置しているのだ。



例えば、あるひとつの物語をゲームとして完成させれば、当然ながらその物語はゲームとして評価を受けるし、また同じ物語を小説として完成させれば、やはり当然ながらその物語は小説として評価されるのだ。そして、いささか大上段に構えるなら、あるアイディアが商品として消費されるか、あるいは作品として評価を受けるかは、そのアイディアそのものが持つ力に加えて、アイディアを取り巻く社会的制度の力も大きく左右するといえるだろう。



現在、自分はギャラリーでの個展という形式で作品を公開しているが、これは自らの作品を貸しギャラリーという制度に乗せ、あらかじめ内部の作品を芸術と保障する空間に展示することで、自らの作品を保護しているともいえるだろう。つまり、作品を写真という商業的制度の外に置き、芸術という不可侵領域へ後退することで、批判から逃れようとしていると、そのように受け止められてしまう危険性を内包しているのだ。



そういえば、かつて自分は大学の後輩に個展を開くよう熱心に勧めていたが、今にして思うとひどく無礼なことをしていたように思う。というのも、後輩は既存の美意識や、あるいは旧来の価値観に対して、激しい敵意をあらわにしつつ、時には露悪的に過ぎる作品を制作していた。
当時の自分にはわからなかったが、あくまでも貸しギャラリーという制度を拒否しつつ、アウトサイダー系の自主ギャラリーで活動し、同時に写真という価値観へこだわり続けることで、後輩は反芸術的な姿勢を世に問うていたのだろう。現在は音信不通となってしまったし、またギャラリーで個展を開くことも無いだろうから、これから接触する機会もないとは思うが(また接触することがよいとは思えない要素も無くはないし)、かつて不用意な交流を持ったことには心から反省し、かつ激しく後悔していると表明しておく。



そして、自分は次回の展示でもメタな視点を強調しつつ、おうおうにして自明となっている既存の美意識や、あるいは旧来の価値観に対して、ささやかながら異議申し立てをしていくつもりだ。



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