OpenSky2.0 / 八谷和彦 (ICC)

冬の空がとても青く見えた...吹き抜ける風が気持ちいい...

そんな土曜日の午後、あるプロジェクトの全貌をこの目で確かめに
行きました...OpenSky2.0...オープンスカイって語感がすごくいい
ですね。しかも 2.0...近頃は 2.0流行りですが、そんな 2.0の中で
もピカ一のネーミングだと思いました。

会場は初台の ICC、オペラシティの四階にあるギャラリーです。

会場には大小さまざまなグライダーが展示されています。モチーフ
はメーヴェ、あの、ナウシカが乗っていた飛行装置です...

左右に伸びた真っ白い羽がとても美しい...

この飛行機を作っているのは八谷和彦さん、ポストペットを開発さ
れた方だそうです...

会場ではこれまでも歩みを映像で見せています。最初は工房の中で
実験していた模型から無人飛行へ...そして、八谷さんらがテスト飛
行をするに至るのです...

大学のグラウンドを使ってあれこれと試行錯誤している様子...何度
目かの挑戦でゆったりと機体が持ち上がるメーヴェ...持ち上がった
機体が少し下降し、そこから再び持ち上がるメーヴェ...

ちょっとずつ空に近づいていく映像に、ふと、子どもの頃の想い出
が蘇ってきました...

あれはいつ頃だったろうか。小学生にもなって、自転車に補助輪を
付けてた私...ガラゴロとうるさい音をたてて自転車転がしてる私に、
親父が練習してくれたものです。

はじめは親父に手で支えてもらいながらそろそろと進み、ふっと手
が離されるとよろけ、再び支えてもらいながら進み、ふっと手が離
されるとよろけ...住んでいたマンションの駐車場で、何度も何度も
練習させてもらった記憶があります。

ある瞬間、ふっと進んでいく感覚が、自転車とともに進んでいく感
覚が、親の手がなくても進んでいく感覚が、私の少しとろい運動神
経の中にそっと入りこんでいくような...

画面上、何度も何度もトライしていく八谷さんに、そんな自分を重
ねてみたのでした...

会場を囲む写真...一枚、一枚のポジにはライトボックスの光があた
っていて、メーヴェのシルエット、青い空...どれもが美しい...

会場では音声ガイドを貸しています。ナレーターは島本須美さんで
す。貸す時に『島本須美さんのナレーションです』と教えてくれる
のですが、反応する人が少なくて意外でした...私なんかはリアルタ
イムで知ってる世代なので、『おぉ！』てな感じだったのですが...

二十年前にナウシカを吹き替えてた島本さんの声には、少し貫禄が
ついてるように思いました。でも、どこか懐かしくて、久しぶりに
『風の谷のナウシカ』を観たくなってきたのだな...

今は車などでひっぱって飛ばしているのですが、今年はジェットエ
ンジンでの滑走を試すそうです。飛ぶといいですね...

図録はまだ出来ていなかったのですが、印刷がきれいだったら是非
買ってやろうと思っています。

・OpenSky2.0 (ICC) - 3/11

＃ そうそう、会場のロビーに『コロボックルのテーブル』という
＃ 作品があって、これもなかなかにユニークです...

おまけ
・八谷さんのブログ
・『風の谷のナウシカ』