美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




ユダヤ系の移民の物語です。

兄弟でアメリカへ移ってきた主人公たちは、壁紙職人として生計を
たてます。子どもができ、孫ができ、だんだんと家族が賑やかにな
ります。絆は強く、父親をアメリカへ呼び寄せてみんなで面倒をみ
ます。とても幸せな時代です。

はじめてわが家にテレビがきたときのエピソードはとてもおかしい。
放送時間が短かったり、映像の調整が難しかったりで、今ではあた
り前に映るテレビも普及当初は扱いにくかった様子。ラジオの方が
いいじゃないかみたいな台詞もありました。

主人公は職人で、その息子は商人になります。個人営業のセールス
マンから、スーパー、遂にはデパートを開くまでになります。新し
い時代の新しい仕事。生活にも余裕が出てきて、主人公の家族は共
同住宅から郊外の一軒家に引っ越します。

生活のレベルがあがって、テレビも生活に馴染みます。家族がテレ
ビの前で夕食をとる場面は少しおそろしい。家族ゲームチックです。
豊かになるにしたがって、妬みや嫉みが生まれ、あんなに強く見え
ていた親戚の絆が脆くなってきて、そして主人公の晩年は...

過去と現在とを往復しながら、数十年の時の流れを綴る映画です。
バリー・レビンソン監督の1990年の作品で、自伝的な要素もあるよ
うです。『ナチュラル』、『グッドモーニング・ベトナム』、『レイ
ンマン
』を次々とものにして、絶好調の頃の作品です。地味だけど、
独立記念日に打ち上げられる花火の映像が印象的で心に残っていま
した。今回、久しぶりに観たら、少し寂しい気持ちになりました。

インターネットムービーデータベースでそこそこ評価されているの
は、遠くない過去の懐かしさに溢れているからでしょうか...


わが心のボルチモア

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