美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




この展覧会のタイトルは素敵だなぁ...屋上庭園。10個の庭からなる
本展の、私の好きな庭を紹介しておきます...

□掌中の庭
版画雑誌のコーナー。何冊かの雑誌の復刻版を手に取ることができ
ます。『版画』という雑誌の『展覧会の会場研究』という特集ペー
ジに岸田劉生のエッセイ。当時、書画展を開くのに赤坂の三会堂と
いう箱を使っていたそうです。そこの難点は冬になると軒先で鮭の
安売りをすること。会場をひとまわりしてきたお客さんが、
『鮭はどこですか...?』
『それでは落語じゃないか』とぼやく、劉生の苦虫を噛みつぶした
ような顔がみえてくるようでおかしかった...(^^;

□アトリエの庭
牧野虎雄の植物画。中期のうねるような植物はグロテスクですが、
ごく若い頃の『花苑』や『園の花』、あるいは晩年の深い青空を背
景とした枇杷の暖色はとても素敵だと思いました。

□記録された庭
中林忠良さんの芝生はとてもシャープ。個展の様子が以下で観られ
ます。
中林忠良展(シロタ画廊)

□記憶の中の庭
ブノワ・ブロワザのアニメはとても牧歌的。デッサンから組み立て
られた雪景色はとてもやわらか。最後まで観てしまいました。

□天空に広がる庭
私は抽象を苦手とするのですが、数少ない例外が内海さんの作品で
す。『色彩の下』は緑を基調とした点描。幅にして二十メートルは
ありそうな大きな作品です。濃い緑...淡い緑...様々な緑は光にな
り影になり、たわわに実をつけたマスカットのようにも見え、藤棚
のようにも見え...抽象でありながらイメージの喚起力が強い作品で
す。

一方、白い壁いっぱいに展開されている色彩の飛沫は『三千世界』。
現代美術館の高い壁にリズミカルな色彩の輪舞曲。小さなスクエア
の作品は数にして八百以上...壁の端から端へと横切る斜めのライン
がとてもよかったです。『色彩の下』に通じる対面の白い壁も埋め
てみたらよかったのにな...

□庭をつくる
最後は須田悦弘さんの『ガーベラ』。一点の作品に満たされた空間
が本展の締め括りにふさわしいと思いました。

屋上庭園 (東京都現代美術館) - 7/6 まで...

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コメント
 
 
 
Unknown (Tak)
2008-05-07 00:15:42
おばんです。

よかったら我が家へも
10個だけですがあります。
 
 
 
Unknown (lysander)
2008-05-07 00:26:41
Takさん
こんばんは

> よかったら我が家へも
> 10個だけですがあります。
是非!
 
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