美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




開館の日に行ってきました。浦賀の駅からバスで観音崎へ、そこか
ら美術館へは潮の香りのする歩道...私が到着したのはセレモニーが
終わった直後。しばし並んだあとに、入場。

二つ開催されている展覧会の、ひとつめはコンテンポラリーです。
開館記念《生きる》展 (横須賀美術館)

石田尚志さんは手描きの線をコマ撮りするドローイングアニメーシ
ョンの作家さんです。『海坂の絵巻』ではまっしろい紙の上を、何
本もの黒い線で軌跡を描いていきます。それを1コマずつ撮影した
映像と、その手前には長い長い原画...特徴的な形をみつけて映像と
原画を結びつけると、少しずつ描かれていく様子がよくわかって面白
い。今回は墨で描かれたあっさりした作品でしたが、もっと凄いのを
観たい人は横浜美術館は『水の情景』展の『海の壁-生成する庭』を
是非。悶絶すること間違いありません。

岡村桂三郎さんのごっつい作品はいつものように暗闇にたたずんでい
ます。ギャラリーで展示される時には窮屈そうに(ぎりぎりに)展示さ
れてて、どこからどう搬入するのか心配になってしまうのですが、天
井が高いこちらの空間では気持ちゆとりが感じられます。暗闇の中に
潜っていくような、ジャングルの中に息を潜めるような、そんな感覚
が好きな作品です。

小林孝亘さんの『Dream, dreaming us - 私たちを夢見る夢』...
同一タイトルで何作も描かれているようですが、2006-2007年とある
ので最新作でしょう。小林さんの作品とは相性がよくなかったので
すが、印象的なタイトルとゆったりと横たわる男性像(仏?)が強い
印象を残しました...さて、この作品は横5メートルを超える大作で
す。先日のコンテンポラリーアートオークションでは、1メートル
四方の作品1000万オーバーでしたから、今回の展示作品なんて、ま
じに我が家を買って釣りまで出てしまうだろうなぁ...
と下世話なため息。

さて、多くの展示作品にはギャラリーや個人蔵といったクレジット
があるのですが、ヤノベケンジの作品にはありませんでした。横須
賀美術館のコレクションなのでしょうか...広い空間を使った巨大な
人形や、会場の出口で愛想をふりまいているかわいらしい人形には、
視覚的な面白さはあるし、魅力的だとも思うですが、あんまり好み
ではありません。キャラクターとかフィギュアとか、そろそろいい
のではないかなぁ...
次は何が流行るのだろう...てなことを書いてる私が食傷気味だけな
のかもしれませんが...

開館記念《生きる》展 (横須賀美術館) - 7/16

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (あおひー)
2007-05-01 20:03:45
わたしが入場したのもオープンちょうどくらいなのでほぼ一緒のタイミングだったみたいですね。
石田尚志さんの映像は見てて気持ちよかったです。『水の情景』展はまだなのでこちらも近々に訪れたいところですね。

 
 
 
Unknown (lysander)
2007-05-01 23:50:34
あおひーさん
こんばんは

> ほぼ一緒のタイミング
たしか近代日本美術のコーナーでお見かけしました。
体調が悪かったので、声もかけずに失礼しました。

石田さんの今回の作品がOKならば、横浜美術館の作品も楽しめると思いますよ。
三面スクリーンで迫力があります。
 
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