美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




東京都庭園美術館の刺繍の展覧会を観てきました。平日の朝一番に
行ったら女の人だらけでびっくり。あんまりいい評判を聞いていな
かったのですが、なかなか楽しめました。

ロビーには手塚愛子さんの作品がいきなり。みんな裏側に周って感
嘆していました。あのショッキングピンクは反則。床置きの青糸の
作品がちょっとかわいそうでした。

平面でなく空間で見せる作家さんだというのは所沢ビエンナーレ
も感じたことですが、今回は糸だけそのままインスタレーションし
たらどうなるのだろうと不埒なことを考えてみたりもしました...

ネオテニーにも出展されてた村山留里子さんの作品。こちらの展示
の方がダークな印象。マントの中からちらりとみえるまがまがしい
ものたち。白昼の光で観たらどうなるのかな...

伊藤存さんの作品には見方があるように思うのだけれど、どう見た
らいいのか分かりません。何かが描かれているようにも思うのだけ
れど、いつもイメージを受け取る一歩手前で終わってしまいます。
残念。

奥村綱雄さんの刺繍。ちょっと観ただけでは分からないのですが、
インスタレーションとして置かれている刺繍枠の真ん中に、細かく
stitchされた模様を見るとどれだけ緻密なのかと。そしてまじまじ
と間近で作品を見つめた時の、におってきそうな気配...男の刺繍で
すね。

秋山さやかさんの作品はいいと思いました。深川の作品は上地の刺
繍と下地の地図とで二枚の層になっています。暗い部屋の奥からプ
ロジェクターの光で透過して見せていて、下地の地図が見え隠れす
るところがいいのです。

一方、白金に滞在して作られた作品は拡大した地図のイメージに直
接縫い込まれています。上野のテオテニーと同時期に谷中でやって
いた個展の地図もそんな感じでした。何か不粋なのだな...

ベッドカバーに刺繍したストックホルムの作品も良かったし、これ
からもインスタレーション的な作品に期待したいと思います!

というわけで、現代アートファンとしては、いろんな作品が観られ
てとても満足しました!

ステッチ・バイ・ステッチ -針と糸で描く私- (東京都庭園美術館) - 9/27

余談
で、こういう文脈だったら青山悟さんの作品がみたかったなぁ...
と改めて。小さい部屋でいいから一部屋あげて、昨年、赤坂の料亭
に展示されていた白馬の作品
を飾った日にはもう...
# あの超絶技巧、もう一度観たいなぁ...

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



« ウィーン世紀... 長谷川祐子(キ... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (noel)
2009-09-18 19:58:33
こんにちは。なかなか新鮮な展覧会でした。

>こういう文脈だったら青山悟さんの作品がみたかったなぁ

同じこと思いました!グリッターキラキラの作品も庭美に合いそうでしたよね。
 
 
 
Unknown (lysander)
2009-09-19 01:22:45
noelさん
こんばんは

これは思いのほか楽しめました。

> 同じこと思いました!
ogawamaさんもそんなこと書いていましたし...残念だなぁ...
 
 
 
Unknown (Tak)
2009-09-20 09:14:25
こんにちは。

庭園美術館ってこうあるべき
といったイメージついてしまっているので
こうした破壊力のある展覧会は
とっても新鮮で楽しめますよね!

 
 
 
Unknown (lysander)
2009-09-20 23:43:45
Takさん
こんばんは

> 庭園美術館ってこうあるべき
> といったイメージついてしまっているので
> こうした破壊力のある展覧会は
> とっても新鮮で楽しめますよね!
そう、この箱は年に一回くらいこういう展示をしますよね。
今、都内でもっともオルタナティブな場所のひとつだと思います。
鴻池さんのガラスで作ったオオカミ、この空間で観たいなぁ...
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。