そらいろのそら

土曜日の昼間、窓をあけたら空が見えた
ホワイトチューブの絵の具にコバルトブルーをとく
バレットの上に現われる空色
描きかけのキャンバスに色をおとす
まぶしく見える空の色とは違う
けれど、私が思う好ましい色

正月、実家に帰ったときにこんな本を見つけました。
本格的技法でじっくり描こうステップアップ油絵

以前、近所に住んでた絵描きさんが書いた本です。著者自らうちの
両親に贈ってくれたもの。いまもお元気なようで何よりです。

手にとってみたら読みやすく、自分でも絵筆をとってみたくなりま
した。そういえば私は油絵の道具を持っていた。押入れをがさごそ
探すと、ほとんど新品の油絵セットが出てきました。封入されてい
た奥付をみたら、二十五年前の誕生日プレゼントでした...

親父が買ってくれたものです。自分で望んだわけではないけれど、
当時中学生だった私にどんな希望が託されていたのでしょう。まだ
使われたことのない絵具に、親父も懐かしそうな顔をしていました。

このおもちゃで何を描くかなぁ...

一月のある土曜日、近所の東急ハンズでキャンバスを買いました。
18センチ×14センチの小さなキャンバス。その時、いい加減に空や
ら海やら船を描いたらとても楽しめて...

一ヶ月ぶりに絵の具を出して、同じキャンバスに色を重ねます。空
は空色、雲も空色、船の帆影も空色に...海もチューブから出したま
まのウルトラマリンブルーで塗り直し、ちいさな長方形が二色で満
ちた...


日曜日の昼間、空には雲がなく、遠くに富士山がはっきりと見えた。
発電所の煙突からは真横にたなびき、風速20メートルの海には白い
三角波。そんな二月の東京湾には深い緑が沈んでいた。

観察というほどのものではないけれど、この次、落描きするときに
は、ウルトラマリンブルーに緑をといてみようと思いました。

どんな絵になることやら...