徒然と四年、

それは岬の絵だといいます...

私の好きな作家さんの新作が展示される。そしてそれは岬の絵。九
月のある日にそんなお知らせをいただいて、私は色めきだったので
した。

しかも黄色だという...

その人の絵の色は、日が沈んだあとの夕暮れの名残が暗闇と溶け合
うような、寂寞としたイメージ...あるいは明朗とした朝の光が、青
く澄みきった空とまじりあうようなイメージ...

いずれも黄色い色とは遠く、それで余計にどんな作品なのか気にな
っていたのでした...九月のある日、なんとか仕事を片付ければ七時。
画廊は閉める時間だけれど、待っててくれるという言葉に押されて
向う銀座への道行き...その楽しさ...

まだ観ぬ絵を観に行く。

ただそれだけのことで、とても愉快な気持ちになったのでした...

『岬の午後』は黄色くて小さな絵。日差しは和らぎ、紅に染まる一
歩手前の時間...小高い丘には家、その前には季節外れのパラソル...
道の上には木々が影を落としている...そんな絵を眺めながら、二時
間くらい茶飲み話。そんな楽しみができたのもここ最近だなぁ...

ここのところ、仕事絡みで環境が変わることが多く、そのたびに色
々な戸惑いがあります。若い頃はそれなりに順応していたように思
うのですが、ここ数年はしんどさを感じることも多く...

一方、そんな年齢になってもまだまだ開いていく感覚を感じること
があります。そんな時はとても嬉しくて...

というわけでこのブログも四年になります。

いろいろ書いているようで、実はいつも同じことを書いているよう
な気がしています。一見、展覧会について書いているようですが、
実は好きな言葉を書き散らしているだけだったりして...

まぁ、こうしてあれこれ書くことは単なる気晴らしで、それ以上で
もそれ以下でもありません。毎年、何かしらの区切りをつけようと
はしているのですが、なかなかつかないのでもう少し続けて行くこ
とになりそうです。

まとまらないので、これまでの節目に書いたこと...

・徒然と一年、
> 好きでなければこういうことは続きません。きっとこうすること
> が好きなのでしょう。これからも、好きなことを好きなように書
> いてみようと思います。できれば、借り物ではない、自分の言葉
> で...

・徒然と二年、
> その昔、深夜ラジオや深夜テレビにはまった時期があったのです
> が、ノリとしては同じようなものなのだろうなぁ...と思う。ある
> 人にはバラエティ番組のようなものかもしれないし、ある人には
> 長電話のようなものなのかもしれない。
>
> こうしてあれこれ書いていて、この一年で変わったのは、実際に
> 何人かの人とお会いすることができたこと。ここのところブログ
> に限らず、二年前の私などには接点のなかったような人たちと知
> り合うことが多く、そんな機会に恵まれるたびに、いろんな人が
> いるなぁ...とあたり前のことをあたり前のように感じる。

・徒然と三年、
> アルコールを燃料にした自動筆記、というわけには行きませんが、
> 書く時には優柔不断を心がけています。というよりも、語尾にこ
> れだけ『...』のつくブログは他にはないでしょう。何となく話し
> 言葉のようなリズムで書きたい気持ちがあって、それで語尾をこ
> んな風にするのですが、それがどんな効果をあげているのか、書
> いている本人にはよく分かりません...


これからもよろしくお願いします...