美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




パウル・クレーは今年の二月に東京で観たのに引き続き...二十代を
起点とする 150点あまりの作品が楽しめました...

こうしてクレーの作品を一望すると、その表現の多様さに驚かされ
ます。ひとことでは括れません。しかし、そのどれもにクレーを感
じるのです...クレーが残した作品は 8000点だか、9000点だか...

多くの作品は小さいものなので、会場を細かく仕切って展示されて
いました。

コーナーは五つあって、順番に、光の絵、自然と抽象、エネルギー
の造形、イメージの遊び場、物語る風景...こうしたイメージの分類
は学芸員さんがやるのかな...

通奏低音としてあるのは、月並みな言葉ですが、詩情のようなもの、
なのでクレーの作品の展示をテーマに分けるような作業は、詩心が
ないとできないのではないかなぁ...とても難しい気がします。

だから本当はあまり細かなことを考えないで、素直に年代、あるい
は素材順、色彩順に並べたほうが楽しかったのではないかな...

# これって今年、横浜美術館で開催された『イサム・ノグチ展』
# の感想に近い...(私の感想はこれ)

好きな作品はたくさんありました。
○『赤と白の丸屋根』光を感じさせる淡い色彩
○『再構築』にじむ色のバランス
◎『緑の中庭』苔むす中庭の壁、これが一番好き
○『BORの大きな広場』小さな作品なのに広がりを感じる
○『野いちご』アザミ色ってあまり好きではないけど、あの色合い...
◎『上昇』ふっと浮かぶような感覚...赤い矢印が効果的...
◎『大聖堂(東方風の)』クレーの作品には『構築』する印象がある...
○『1915年29番に倣って(天使は所望品を運んでくる。)』うちにもおいで...(^^)
◎『動物園』中でも一番ちいさな作品。持って帰りたかった...(^^;
○『赤いチョッキ』大きな作品ではこれが一番
○『忘れっぽい祝宴の席もはててから』螺鈿のような輝きはテンペラ...

参考
二月に観たパウル・クレー展の感想

パウル・クレー展 (川村記念美術館) ~ 8/20 まで...

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



« 船を買う...(... 日本×画展(に... »
 
コメント
 
 
 
パウル・クレーの感じ方 (とら)
2006-07-23 22:07:47
わたしもあの分類はフォローが難しく、ちょっとついていけませんでした。

詩的な感性にはいろいろあってもよいのではないか・・・などと考えるのは負け惜しみでしょうか。
 
 
 
Re: パウル・クレーの感じ方 (lysander)
2006-07-23 23:00:06
とらさん

コメントありがとうございます。



> わたしもあの分類はフォローが難しく、

> ちょっとついていけませんでした。



私もそう思います。



> 詩的な感性にはいろいろあってもよいのではないか・・・



同感です。



普段の展覧会ではあまり意識したことがなかったのですが、

ある種の展覧会には鑑賞者の心に委ねるような試みがあって

もいいのではないかと思いました。観る人に余計なことを感

じさせずに、そっと背中を押すような展示...



# 難しそうですが...
 
 
 
大丸 (Tak)
2006-07-25 20:22:54
こんばんは。

TBありがとうございました。



おっしゃる通り、大丸のクレー展の方が

印象よく思えました。どうしてかな~



作品数的には川村が勝っていたのですが。。。

クレーは多く観ればいいってもんじゃ

なさそうですね、どうやら。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。