今月からWindows Fundementals for Legacy PCs(WinFLP)の後継OSである「Windows Thin PC」の正式版がソフトウェアアシュランス契約ユーザー(無償)/Technet/MSDN開発ユーザー向けにリリースされています。これはシンクライアント用のWindows 7(正確には組み込み版のWindows Embedded Standard 7 SP1ベース)で、若干古めのPCでもインストールできるように最低限のk機能のみがプレインストールされています。インストール容量も3~4GB程度なのでちょっと古いSSD搭載のネットブック(EeePC 901Xや16Gなど)にもインストールできそうです。ちなみに前バージョンのWinFLPはWindows XPベースでソフトウェアアシュランス契約ユーザーのみに配布されていましたが、今回からTechNet/MSDNの開発ユーザーにもダウンロード提供されるようになりました。ただし、あくまでシンクライアント端末向けのWindowsなので一般販売はされていません。ただ今回のWindows TPCでは一般ユーザーでも90日間実機や仮想環境に導入して試すことができる試用版が提供されるようになりましたので、これをVMware Player環境に導入してみることにしました。なお、Windows Thin PCは英語版のみの提供になります。Windows 7 Enterprise/UltimateやWindows Embeeded Standard 7では設定可能な言語変更も制限がかかっていてできなくなっています。(ただし、日本語フォントとIMEは含まれているので日本語入力や日本語版アプリケーションを動作させることは可能です)
ただすべてのアプリケーションが動作するわけではないようで、例えば.NET Framework 3.5 SP1はインストールできないのでこれを利用したアプリケーション(例:Windows Live おすすめパック関連)はWindows Thin PCでは利用できません。そういった制限があるにせよちょっと古いPCに入れるにはちょうど良さげな軽量版Windows 7なので一般ユーザーでも正式版Windows TPCを入手できるようになればいいなぁと思います。
Embedded Standard 7ベースなのでEeePCのカスタマイズなどでよく利用されていたEnhanced Write Filter(EWF)もデフォルトで利用可能です。またEnterpriseやUltimateに搭載されているBitLockerなどの機能も利用可能になっています。、(=ベースになっているEmbedded Standard 7自体がUltimate相当をベースに必要な機能を選択できるようにしたものです)
ちなみに試用版のイメージファイルの容量は約1.5GBほど。オリジナルのWindows 7(日本語版Home Premium)はたしか4GB程度はあったので英語版であることを差し引いてもかなり軽量化されていることがわかります。
Windows Thin PC 動作要件
1Ghz以上のインテル x86互換プロセッサ(Windows Thin PCはx86版のみの提供です)
1GB以上のRAM
最低4GB以上の空きスペースがあるHDD
WDDM 1.0に対応したビデオカード(*一応なくてもXDDMドライバやVGAドライバで画面表示は可能ですが、当然Aero関連の機能は利用できなくなります)
インストール画面はこんな感じ。一部画面デザインが異なる(ベースになっている組み込み版Windows Embedded 7と同じ)物のだいたいの流れはフルバージョンのWindows 7と同じです。
インストール直後のデスクトップはこんな感じ。OS名がWindows Embedded Standardになっていることを除けばほぼWindows 7そのものです。WDDM 1.0以降に対応したGPUがあればAero関連の機能も有効になります。
コントロールパネルで地域設定、システムロケールの設定を日本語(Japanese)に設定して再起動すれば日本語版アプリケーションも問題なく動作するようになります。MS-IMEも標準で搭載されているほか、MS-IME 2010などの導入も可能です。
ただし、表示言語の変更はできなくなっています。(LPKSETUP.exeがないと表示される)
余談ですがVMware Player 統合機能も普通に動くのでユニティ機能も使えます。(後ろの画面はホスト側のWindows 7 Home Premium SP1。前面のウィンドウ(IE9英語版)とRealPlayer SPのインストール画面はゲストのWindows Thin PCのものです。
製品版Windows 7とは異なりWindows Searchが搭載されていないので検索機能が利用できなくなっています。(スタートメニューにも検索ボックスがありませんし、エクスプローラにも検索ボックスがありません)
クドわふはWindows ThinPCでは英語版OSであるため起動しません。(リトバスEX以前のRealLiveではこんな挙動しなかったのですが例の問題があってからの仕様変更でしょうか)
当然壁紙変更もできます。本当に一部機能が使えないことを除けばフル版Windows 7と変わらない感覚で使えます。
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