ボッケニャンドリの思ったこと

思ったこと感じたことを書いているけど間違い、勘違い、思い込みも(^^;

声に出さずに読みたい日本語

2014年08月19日 07時20分13秒 | ボッケニャンドリとか天然とか
 図書館から借りている牧野富太郎の植物一日一題をヨメは読みだした。ヨメは時々本などをまるで俺に聞かせるように音読することがある。ただこの本は100年くらい前に書かれたこともあって耳慣れない言葉が幾つもある。例えば甘藍。カンランと読んでキャベツのことらしい。勿論初耳言葉である。

 そんなわけでヨメの口から聞こえるのは漢字を飛ばして読んでるのかなと思うくらいたどたどしかった。それどころかこの本の題名を見てヨメは植物のことをショクモツと読んだのである。そう読めないこともないがそう読むニッポン人は居ない。





 ヨメはアケビの所を読んでいた。人皇五十九代宇多天皇の御宇、それは今から一一〇五年の昔寛平四年に僧昌住の作った我国開闢以来(※)まで読むと「これってカイビャクって読むんだよね」と突然大きな声を出した。ここの所歳のせいか知らないけど兎に角声が大きいなと感じるんだけどこの時は素っ頓狂なという形容が似合うような声だった。

 カイビャクとは開闢のことでこの言葉を知らなかったヨメは「こんな言葉も知らないのか」とバカにされたことがあった。その時俺は傍に居た。俺も知らなかったけど一緒にバカにされては世間に対して旦那としての威厳を保てないので黙ってた。もっともヨメと結婚した時点で…

 そのうちまた「万葉集訓義弁証に曰く新撰字鏡に(…中略…)、蔔子の実の熟してあけたる形、女陰にいとよく似たりと読みだした。ニョ… 声に出して読みたい日本語なんて題の本があったけどこれは声に出さずに読みたい日本語。何というか声に出して良いような喩えは無かったんだろうか。

青字は牧野富太郎の植物一日一題から引用した部分。尚この本は青空文庫というサイトに載っていた。
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