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貧困が視野から欠如する日本。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090424/crm0904240029001-n1.htm
少々古いこの記事は、西淀川の事件を虐待の悲劇として伝えています。報道では、この女児はこれまでも両親から虐待を受けていたわけですし、その兆候はみられたといいます。そのサインを周囲がつかむことができず、適切な対応がとられることなく、結果的に最悪の事態を招いたということでしょう。
さて、入院によって、これまでの自らの行動様式を、いやがおうでも見直さざるをえず、生活のすべてを大げさにいえば再検討することになりました。こうした環境におかれてみてあらためて、これまで余り気にとめなかったような問題をある意味で深く考える機会を与えてもらったと解釈すべきでしょうか。気づかなかったことももちろんたくさん発見できました。折にふれて扱っていければと考えています。
いっぽうで日頃、題材として政治をとりあげてきましたが、この期間中、政治のていたらくの感想をいよいよもたざるをえませんでした。およそ政治に信頼を寄せるなどとは考えにくい今日の国会状況だと思えます。自民党の終末期的右往左往は極まっていますが、一方の民主党も少なくない有権者には自民党とかわらないことが徐々に見抜かれてきたのではないでしょうか。
先の西淀川の事件は、こうした自民党と民主党の狭くて、少しも面白くはない政権争い劇とは、うってかわって、日本の今日の社会的状況を深刻に映し出す一つの出来事だと考えることもできるのではないかと思います。
虐待の背後に貧困の問題がある。
報道によれば女児は、離婚していた母親とともに、昨年12月に現父親と同居をはじめたといいます。その時期には、両親とも失職しています。背景に貧困の問題が横たわっていると多くの人が考えても不思議ではありません。
虐待という一種の病を、社会がつくり出している。そう思えます。だから、そう考えると、この家族の問題はこの家族だけの問題ではありません。
世界的な金融危機は、この病を拡大する可能性をはらんでいます。派遣切りで仕事と住居を奪うにとどまらず、正社員からも容赦なく仕事を奪う事態ですから。
ところが、わが政府の対応は、14兆円もの税金を使って人気とりはやるのですが、もっとも困難な立場に置かれている人びとにとって、これがどれほど有効なのでしょうか。そうではなく、政府がやってきたことは、一つあげると、この4月からの生活保護の母子加算の廃止です。もっとも弱い立場の人に目をむけるのではなく、もっとも弱い立場の人にさらに苦しい生活を強いたのが自公政権です。
この一例に象徴的なように、日本(の政府)には貧困の概念がきわめて希薄なのではないか。ほんとうに国民の生活を安定させ、安心できる社会をめざそうとしているのか、疑わしい。貧困の概念が希薄といいましたが、日本政府は貧困という概念をまず認めていない。貧困の基準をもちえていないのです。
相対的貧困という考え方があります。OECD(経済協力開発機構)などが採用しているものです。収入が仮に同じでも、発展途上の国と先進国では生活水準はまるっきり違う。分かりやすくいえば、この考え方は、その人が生きている社会の通常の生活レベルと比較して貧困を判断するというもので、基準は各国共通です。
全世帯の所得を世帯人数で調整後、高い方から低い方に並べ、その真ん中の世帯を中央値とよび、その中央値の半分に満たない世帯を貧困と定義づけるのです。仮に21世帯であれば、11番目の世帯の所得が中央値というわけです。
統計上は、ルクセンブルグ所得調査のデータが使用されていますが、日本はこのルクセンブルグ所得調査プロジェクトには参加していないといわれています。
数字は冷厳です。
貧困率をとりOECD所得と比較すると、日本はOECD諸国26カ国中10位。貧困率は14.3%。貧困率がもっとも低いのはデンマークで2.4%、日本の6分の1にあたります。貧困率1位はメキシコ(27.7%)、アメリカが第二位(21.9%)。
以前に日本のこどもをめぐる環境の問題について、以下のエントリーで言及しました。
日本の子どもは「孤独」、誰がこうしたのか
そこでは、日本は、親が働いていない家庭の割合が、先進国中で最も少ない0・4%。ところが、平均収入の5割を下回る家庭に暮らす「貧困児童」の割合は、14・3%にのぼり、最悪の米国(21・7%)から数えてワースト9位となり、子どもを持つ「ワーキングプア」の家庭が相当数に達していることにふれました。
80年代半ばから世界各国では貧困対策がとられてきました。その結果、80年代半ば~90年代半ばにかけての時期と、90年代半ば~2000年という2つの時期で貧困が拡大したのは、先のエントリーでも名前のあがっていたニュージランドと日本だけということです。
貧困の基準すらない日本。であればこその結果といえるのではないでしょうか。
西淀川の事件は、その日本のまさに氷山の一角。ましては、両親を責めるだけでは、虐待とその背景にあるだろう貧困を解消することはむろんできるはずがありません。
(「世相を拾う」09113)
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貧困に対する政府の無策ぶりに対する疑問、そして自民だ民主だという「二大政党制」に向かう政治状況に対する危機感…本当に共感し、考えさせられることの多い日記です。これからもよろしくお願いいたします。
コメント、ほんとうにありがとうございます。
まだ本調子とはいえない状況だと自分では思っていますが、こうして励ましのお言葉をいただき、なんだか元気がわき出てくる気分です。
拙ブログへの忌憚のないご意見をまた、頂戴できれば幸いです。今後ともよろしくお願いします。