森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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規則やぶりは、たとえがたい喜びの表現なのに。
「三国人発言」でも有名な石原慎太郎がこんなコメントを残すほどに、たしかに多くの人をうならせたようです(参照)。中国の北京五輪開会式は。
一方で、つぎの記事に私は目を奪われました。
北京五輪:ソフトボールの一部選手に口頭注意 開会式 |
開会式でソフトボールの一部選手がハメをはずし、注意されるということになったようです。けれど、口頭で注意というわけですから、しょせん軽重を論じるとすれば、軽い範疇に入るのでしょうが、これにあえて目くじらをたてる精神を疑うのです。
このシーンを直に、あるいは映像でもみたわけではないので、憶測の域を出ないのをまず断っておかねばなりません。重ねていえば、口頭でということなので、少なくとも誰の眼にも常軌を逸するという事態ではなかったと思えるのです。
結果はしかし、嫌疑をかけられて選手側が釈明するというのです。
この一連の流れに、わが日本国のスポーツ界を覆う一面-すべてがそうではないと信じるのでこんな言い方をあえてここではしておきますがーをみる思いですね。
どこがまずかったのでしょうか。
記事によるかぎり、それは、日本国のオリンピック委員会が定める「日本代表選手団としての規範」違反だとか。
同規範は、「代表選手団は公人であり、すべてに規律ある行動を行う事」とうたっているようで、選手たちの行為は、すなわち規律ある行動ではなかったということになります。
ここまでくると、規律を重んじるか、それとも個々人の気分・感情の表出を厭わないのか、端的にいえば、どちらに価値を置くのか、価値観の差異によるといわざるをえません。むろん私は後者をとります。選手たちは、おそらく心の底からの喜びを彼女たちの表現の仕方で表したかったのでしょうし、観客席と一体になりたかったのではないでしょうか。
この際の規律とは何なのかも、疑わねばなりません。機械仕立てのように、寸分もちがわないように傍目からはみえる行進の姿に美をみる人もいるのでしょうが、そんな連中に与する気は毛頭ありません。新体操や、シンクロナイズドスイミングではあるまいし。入場行進は競技ではないのです。
その上で、むしろおかしささえ感じるのは、かくいう日本オリンピック委員会なのですが、残念ながら金メダルを逸した谷選手などを選らんだ女子柔道の代表選出にみられるようなルールなき代表決定劇です。そんな日本オリンピック委員会なのですから、規則をうんぬんする資格はとうにないはずだと判断するのです。
それを選手にだけ求める鉄面皮じみた姿勢を疑わざるをえません。
日本オリンピック委員会は、選手選考からメダル獲得まで、思惑通りに管理し、目的を達成すればそれでよいのでしょう。選手たちのそれぞれの思いなど配慮する余地はそこにないということか。
そういえば、これまた日本オリンピック委員会の見方によれば敗退したということに結論づけられるのでしょうが、三宅選手のこの言葉は、さまざまな意味で、日本のスポーツ界のゆがみを反映しているとみるべきでしょう。
メダル、メダルと言ってきたことが恥ずかしい。 http://news.goo.ne.jp/article/jiji_sports/sports/jiji-sp-080809F327.html |
(「世相を拾う」08149)
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