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張本勲のみた「地獄絵」
私がテレビで発言したのを聞いて、「初めて知った」「驚いた」と、反響はすごかったですね。励ましの言葉の多かったですよ。 本当は被爆体験は話したくない。思い出したくもないんです。忘れられるくらいなら、忘れたいくらいです。悲惨な経験でしたからね。(新婦人しんぶん、11・30) |
通算7度の首位打者になったような元プロ野球選手だから、この張本が平和を語ったとしたら、たしかに反響はすごいだろう。その張本はこうして語りはじめたきっかけを明らかにしている。
何年か前、テレビで話したとき、若い人が「戦争なんて関係ない」「そんな歴史を知ったからってどうってことない」と発言したのを聞いて、ハッと我にかえりました。いまの日本は、あの戦争による大勢の人たちの犠牲の上にある。言葉は悪いけれど「人柱」になった犠牲者たちを踏み台にして、この国があるんだということを知ってほしい。もう核兵器というもので、子々孫々まで悲惨な思いをさせたくないと、ポツリポツリ語りだしたんです。 被爆体験をしっかり元気で語り継ぐのは、私の世代が最後じゃないでしょうか。私たちが語り継ぐことによって、核の使用や核戦争を食い止めることができれば、心強いですね。 被爆のことは学校でもきちんと教えるべきですよ。 |
広島に原爆が落とされたとき張本は5歳だったというから、おそらく本人ものべているようにすべてを覚えてはいないだろう。だが、幼い張本の心には平和だった頃の思い出の断片と、一方の極にある被爆時の経験が重なりあい、または離れて、刻みこまれていたのだろう。義務あるいは使命感のようなものを感じながら、その後、高校生のとき弁論大会で話し優勝したという。そのときのテーマは「ケロイド乙女」。以来、話すことは封印したと張本は語っている。
平和だった頃の記憶の対極にあるであろう被爆時の経験とは、張本にとっては地獄絵のようなものかもしれない。「8月6日の平和式典も、われわれのような被爆者こそが出かけていって、核兵器廃絶を訴えなければならないと思っています」と張本は語っている。
この封印された張本の記憶を張本自身に再び蘇らせ、しかも他者に語り継ごうという衝動に張本を駆り立てたのは、先の高校生の発言に端的にみられる、日本における「被爆体験の風化」ともいえるだろう。張本はそのことを、被爆体験者としての他にかえがたい臭覚でもって嗅ぎ取ったのだった。「被爆体験の風化」は、たとえばつぎのような形でも現れている。中川昭一や麻生太郎の核保有発言である。これを契機に核の保有を語るべきではない、これは言論封殺だという議論があった。しかし、考えてみると、核の保有の前提は、まさに兵器としてのそれである。ならば、核保有論とは、被爆国として核兵器廃絶という国際的一致点をつくりあげてきた歴史そのものを否定することにほかならない。いいかえると、被爆の経験もへて、戦後の出発点ともなった二度と戦争はしないという「誓い」をこそ封印するものだといえるだろう。おそらく張本の視界は、これらの政治家の発言をふくめて戦争体験の風化をとらえ、さらにもっと遠くの、彼自身が本来封印すべきだと考えている61年前の8月までを収めているだろう。張本ならば、核保有論議によってまさに地獄絵をふたたび描くことになるのが容易に推測されるからである。
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いつもタイムリーな記事に感心しています。
私はアンチ巨人ですし、サンデーモーニングでの張本勲は全く買いませんが、張本さんは浪商時代から在日韓国人への差別に対し敢然と立ち向かうファイターでした。日本プロ野球界で原爆手帳を持っているのは、張本勲と濃人渉(のうにん・わたる、元ロッテ監督、1990年死去)の二人だけだったそうです。
高校の弁論大会で原爆のことを語っていたのは知りませんでした。彼は、最近の日本の言論の状況に危機感を持つようになって、原爆について発言を始めたそうですね。
張本氏のこういう活動は応援したいと思っています。
濃人さんのことは知りませんでした。張本氏自身は(スポーツ選手で手帳をもつのは)私ぐらいではないでしょうか、と語っていますね。
彼の最近の言動にふれて強い主体性を感じるようになりました。それはたぶん、在日、被爆という他からおしつけられた存在にたいする認識にもとづいているのではと私は思っていますが、どうでしょう。張本氏の平和にたいする意見はすごくまっとうですね。