イスラエル軍 ベイルート北方を初空爆 補給遮断へ橋破壊

イスラエル軍は４日、レバノン各地で前日以上の規模で空爆を続行した。ロイター通信によると、東部ベカー高原のシリア国境近くをミサイル攻撃し、シリア人労働者を含む少なくとも３３人が死亡。北部でも初めて本格的な空爆をした。　　　　　
【以上、朝日新聞】

レバノンの首都ベイルート北側の近郊への、初めての本格的空爆、戦火は拡大した。
ロイター通信によると、ベカー高原北端の村カア近くの倉庫近くで果物の荷積み作業をしていたシリア人労働者らにイスラエル機がミサイル３発前後を発射した。ベイルート南郊のシーア派教徒が多く住む地域も繰り返し空爆され、市民４人、レバノン軍兵士１人が死亡。ベイルート北方のジュニエでは首都と同国北部をつなぐ幹線道路の３本の橋を破壊した。

ヒズボラの指導者・ナスララ師はすでに３日、首都ベイルート空爆をやめなければイスラエルのテルアビブを攻撃すると警告していたが、今回のイスラエル側のレバノン首都北部への空爆拡大はこれを無視した形だ。

先の朝日新聞は、別のエントリーでのべたイスラエル政権内の「攻防」を以下のとおり伝えた。ひきつづき、同政権内での「強硬派」と「穏健派」の２つの流れがあることがうかがえるだろう。
イスラエル国内の報道では、国防相のリタニ川までの戦闘拡大方針に対し、オルメルト首相は慎重姿勢をみせているという。イスラエル紙イディオト・アハロノトによると、リタニ川までを占領すれば戦闘の長期化と犠牲の拡大が避けられないとの見方が軍内部にも出ている。（以上、引用）

一方、読売新聞はつぎのように伝えている。
欧州連合（ＥＵ）議長国フィンランドのトゥオミオヤ外相は４日付のイスラエル紙ハアレツとの会見で、レバノン南部に派遣される見込みの国際部隊について、「（ＥＵの）主要３か国だけで７０００人を派遣する用意がある」と述べた。
ＥＵ筋によると、フランス、スペイン、イタリアと見られる。外相は、欧州全体では、約１万人の部隊が派遣されるとの見通しを述べた。
国際部隊は、全部で１万５０００～２万人規模となる見通し。（以上、引用）

イスラエルは、国際世論の動向、具体的には以上のような国際部隊派遣の進展をにらみながら、どこまで攻め込むかについて、政権内でも議論がどのようにまとまるか注目されるところだ。（写真：オルメルト首相）