モーツァルト作曲
IL RE PASTORE(羊飼いの王様 2幕の祝典音楽) K.208 初演1775年4月26日
L'amerò, sarò costante 彼女を愛そう
L'amerò,sarò costante 彼女を愛するだろう、心変わりはするまい
Fido sposo efido amante. 誠実な花婿、そして忠実な恋人として
Sol per lei sospirerò. 彼女のためにだけ生きるだろう
In si caro e dolce oggeto これほどにもいとしく優しい彼女のうちに、
La mia gioia, il mio diletto 私の喜び、私の楽しみ、
La mia pace io troverò. 私の安らぎを見出すことだろう
(以上 ドレミ楽譜出版社アリア集より引用)
と、このアリアの歌詞はわずかこれだけ。
でも、牧歌的な雰囲気で朗々とレガートに歌うので、7分くらいかかってしまうのです。
歌うのは、元シドン国の王子である羊飼いのアミンタ。王子であることがわかり王様にならなければならないときが来るのだが、そのためには恋人のエリーザと別れてタミリと結婚をしなければならない。王様になることに迷い、エリーザの愛のほうが大事なんだ、と歌うのです。
だから歌詞は少ないけど(言葉は少ないけど)、彼女への愛を固めていくかのように、主題が3回も繰り返されるのです。
そしてここまで書いてわかるように、アミンタとは男性。今ではソプラノの曲となっていますが、当時はカストラートが歌っていたのですね。現在はどうなんでしょう?このオペラって上演あったんでしょうか?
モーツァルトはオペラを22曲作曲しているのだけど、IL RE PASTOREはその10番目、わずか1ヶ月程度で作曲されたオペラだそうです。
このアリア、レガートの練習用として4月からレパートリーに入れました。ドレミ楽譜出版社版ソプラノアリア集Ⅰの最初に載っている曲ですが、私はベーレンライターのオペラ・ヴォーカルスコアから楽譜を抜きました。伴奏がアリア集と違うのです。アリア集は本来オケの伴奏をピアノ用に直してあったりするからでしょうね。
オペラスコアで見ると、前奏も含めて主旋律の演奏にヴァイオリン・ソロが入ります。
ってことはヴァイオリンのように歌えってことなんでしょうねぇ。難しい・・・
ま、現時点は、レガート練習の位置付けです。
とはいえ、声出せばいいってもんじゃないし、どんなオペラなのかを調べておかないとイメージもわかないし。それができてないこともあり、歌うのを控えておりました。レッスン曲の言葉の意味を聞かれ、調べてなくて恥ずかしい思いをしたことは何度もあったのですが、声楽歴が長くなってきて、さすがにオペラの内容を全く調べずにアリア歌うのはちょっと憚られるので。。。。ま、それに今年度は、まず古典歌曲中心でレッスン受けてたし、この曲長いし。
でも、イタリア古典、歌えば歌うほど歌えなくなって落ち込むばかりだし、今日はこの曲を薦めてくれたY口先生のレッスンだったので、気分転換も兼ねて歌うことにしたのです。
モーツァルトの素敵な前奏の旋律を味わっていて、自分の音楽が遅れた!それに、レガート、体力続かず、クタクタ。
「この曲、モーツァルトのアリアでも、難曲中の難曲ですからねぇ~」と、何故こんな難しい選曲したの?というニュアンスの先生・・・。
『ゥゥ・・・レガートの練習にこの曲いいんじゃない?とおっしゃったのは先生なんですけどぉ・・・ 』
と心の中で叫びつつ、もちろん、そんなことは言わずに、レッスンを受けたのでした。
ご指摘いただいたことは、もっと口の中を開けて息を通して響きの位置を深くという、先日ヴォイトレのアッコ先生のところでやったレッスンと全く同じ内容。私としてはグッドタイミングのレッスンとなりました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます