ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

ストーブリーグでございます。

2006-10-31 19:43:46 | F1
06年のF1も無事に全戦が終了し、ストーブリーグが本番となりました。
最近では、上位チームの来期のシートはシーズン中に埋まっちゃうのが普通になって来ましたが、下位チームの椅子取り合戦はこれからが本番です。
プロスト先生が日産と組んで参戦するってどうなんでしょうね。日産ってルノーとは別なの? てかあんだけオールフレンチにこだわってた先生が日本のメーカーと組むって考えにくいんですが(ルノーの傘下だからいいの?)、実現すれば面白そうだとは思いますが。

そんな中、何故かやたら聞こえて来るのがミカの動向。言っても主にシュー兄絡みですが。

ハッキネン、シューマッハはレースが恋しくなる
「僕だってそうだった」……確かにミカは生まれ付いてのスピード狂だと思います。

ハッキネン、シューマッハのレース復帰を示唆
「僕たちの中にはレーサーとしての血が流れているからね」……またカッコいいこと言うね。確かにミカはスピード(以下略)。
ミカに限らず、キミとかニコとかの走りを見てても、フィンランド人の血中レーシング濃度は相当に高そうな気はします。
シュー兄もそうなのかどうかは私にはよく分かりませんが。

そのニコ(フィンランド人の父とドイツ国籍を持っててモナコ在住)はシュー兄に対してこんな評価をしてます。
ニコ・ロズベルグのコラム
私の評価もこれに近いかも。私はニコと違って自分じゃ走らないからなんとも言えないけど、でも何となく。

ついでに好き嫌いの話をすると、コースの外で勝負を決める、言わば「闘わずして勝つ」やり方は兵法の上策ですが、でもやっぱり「闘って勝つ」人の方がカッコ良くて好きです。いや寧ろ「闘う」だけでもいい。

一方のミカはこんな感じ。

ハッキネン、「シューマッハの記録破れない」
ミカなら当然こう言うだろうな、と思います。ニコと違って直接闘ったライバルでもあるから、ニコみたいなことは思っててもきっと言わない(笑)。
ライバルにケチ付けてると自分自身の品格も貶めることになる、ということを彼は分かってると思います。
で、ミカのそういう所ににシュー兄が甘えてるようにも見えるんですが、私の気のせいでしょうか。

そんなミカの語る将来の夢。

ハッキネン、マネージャーとしてF1復帰を目指す
さもありなん、と思いました。一昨年でしたっけ?ウィリアムズからのオファーを断ってDTMを選んだ時点で、ミカはもうドライバーとしてF1に戻って来ることはないんだろうなと思ったし。
彼は基本的に、自分が他人からやって貰ったことに対して、次は別の人に自分がやることで恩返ししようっていう感覚があるみたいです(その昔、「自分がデビューしたときにセナが挨拶してくれたから、バリチェロがデビューした時に今度は自分が挨拶したんだ」というようなことを言ってます)。
自分がケケ・ロズベルグ(ニコのパパですね)に引き上げて貰ったことをよく分かってて感謝しているからこそ、今度は自分が同じように別の誰かの力になりたい、というのはいかにもミカらしい考え方だと思います。
同時にその仕事の責任の重大さも、生半可な気持ちではできないことも重々承知という感じなので、すぐには実現しないかも知れませんが。

ていうか、ミカ来年はどうするんだろう。DTM続行ですか?

映画版「オペラ座の怪人」を見るにあたってのご注意

2006-10-27 21:07:54 | 日記
高橋くんの「オペラ座の怪人」を見て以来、なにげにこのストーリーについて考えてるんですが、今回いつも以上にスケートとは全く何の関係ありません。

なんていうか、従来私が思ってた以上に色んな解釈ができそうな気がして、私的にはラウルもクリスティーヌも置いといて、取りあえずファントムのことだけ考えてればいいか、みたいな感じだったんですけど、あのプログラムを見て以来、三人の関係性というものにも興味が湧いて参りました。
ちょっとネットをたどれば根強い人気のある舞台&映画なだけに濃いファンも多くて、そういうファンの方の思い入れの詰まったストーリー解釈は読み応えがあって面白いですね。
しかしここで一つ、注意しなくてはならないことがある……みたいです。

映画「オペラ座の怪人」字幕改善委員会

私も英語が分からないもので、映画を見る時は字幕が頼りなんですが、どうも日本の映画界は、こと字幕に関しては構造的に深刻な問題を抱えている様子。
早い話、「字幕をアテにしてはならない(かも知れない)!」

ちなみに、上記のサイトはここともリンクしています。

字幕改善連絡室

ここはもともと「ロード・オブ・ザ・リング」の字幕改善運動の中心だったサイトです。懐かしい。「ロード~」の運動の時、実は私も署名に協力させて頂きました。
思えばこの時に初めて字幕問題が明るみに出たんですが、この改善運動により「ロード~」の字幕はどうにか正常化したものの、映画界が抱える字幕翻訳の問題点自体はあんまり変わってないみたいなんですよね。

そういう訳で皆さん、くれぐれも字幕にはご注意を。映画を正しく解釈するには、正しい翻訳が必要です(英語が分かればそれが一番ですが)。上記のサイトには、ファンの有志の方の手による翻訳や、劇団四季版の翻訳との対照表などもリンクされてますので、ご参考に。
私も読んだ後で、またじっくりと「オペラ座の怪人」について考えてみたいなあ……と思ってます。

***

拍手コメントへのお返事。
お返事が遅くなってすみません。お褒めの言葉恐縮です。
私にとっても予想外でしたが、それだけに色々と考えることができて楽しいです。

のだめカンタービレ

2006-10-26 19:59:32 | ドラマ
普段あんまりドラマは見ない私ですが、コレは原作を(最初の方だけ)読んでたってことで第2話を見てみました。

予想以上に、原作に忠実に!って感じですね。キャストの衣装がコスプレの域に達している、こういう実写化は「動物のお医者さん」辺りが走りでしょうか。
竹中直人が竹中直人にしか見えないシュトレーゼマンはともかくとして、役者さんは芸達者な人たちががんばってる感じ。のだめは一歩間違えると果てしなくうざいキャラになりそうですが、上野樹里ちゃんはキュートだと思います。

脚本も、さすがに原作まんま、って訳にはいかないと思いますが、原作の複数のエピソードを平行して進めるまとめ方は中々上手いなと思いました。
何よりギャグのテンポが良いです。漫画で面白い場面でも、映像になった時に間延びしてしまうとシラけるだけなんですが、このドラマに関してはOKでした♪
BGMが全部クラッシックだったりさすがに手が込んでる。「くまんばちの飛行」はギャグシーンに似合いますね。
エンディングテーマがラプソディ・イン・ブルーなのもうれしいです。実は私は、この曲目当てにのだめのCDブック買いました。小学校の掃除の音楽でかかってた時から好きだったんですこの曲。

で。だからって訳じゃないけど、私は原作では峰龍太郎がお気に入りだったりします。
限りなくバカなんだけど、バカとしての方向性がとっても私好み。自分の感性に忠実に、自分の信じるカッコ良さを追求して他人の迷惑省みない辺りが。
そしてドラマでもやっぱり好きだなーと思いました。ちょっと髪爆発し過ぎだけど。
のだめや真澄ちゃんとのやりとりの間がコントみたいで面白いし。原作では三枚目キャラだけど、役者の瑛太くんは当然のように男前なので千秋さんとのツーショットは眼福だし。ドラマ見てて、峰くんものだめも実は他人に甘えるのがとても上手いタイプなんじゃないかと思えてきました。そしてそんな人たちに甘えられてしまうのが千秋さんの宿命なんじゃないかとも思いました。

多分感想はもうかかないけど、ドラマは今後もチェックしてみようと思ってます。

F1ブラジルGP・まさかまさかの最終戦

2006-10-26 00:14:01 | F1
シーズンの始めには、まさか最終戦がこんなことになろうとは予想だにしなかった、そんなブラジルGP。
ルノー&アロンソが楽勝で逃げ切るかと思いきや、結局最終戦までもつれてしまったチャンピオンシップ。とは言え、シューマッハの鈴鹿でのリタイアと今回の予選で、ほぼ勝負はあった感もあり、意外にあっさりアロンソに決まった印象です。
私は所詮面食いなのでアロンソは好みのドライバーではありませんが(ていうか、何なんだあの変な踊りは)、去り行く者がタイトルを持ち逃げするよりは、これからの時代を作る者が守った方が良かったのかなと思います。

そしてシューマッハ。確かに鬼気迫るラストランではあったけど、あんまりにも褒め讃えられてるのを見ると「ちょっと待て」と言いたくなる天の邪鬼な私。
「94年と97年」はシューファンに取っては禁句のようですが、あれを正統化するのは無理があるような(そしれあれが氷山の一角に過ぎない辺りがなんとも)。何より私は、ああいうのをカッコ悪いと思ってるんですよね。ガチで最後まで戦うことに耐えられないからこそ、安直な手段(それも本来許されない手段)に逃げ込んだと考えるのはおかしいですか?王道じゃなくて覇道。マキャベリズムは尊敬できない。

そしてそんなことを思う度に、ミカのファンで良かったと思う、私。
他人様から後ろ指を指されるようなことはついぞやらなかったドライバーでした。2度のタイトルはもちろん立派ですが、今は何よりそれが誇らしい。
そんなミカですが、ライバルの最後のレースを見届けるべくブラジルまでやって来たそうです。

インテルラゴスにハッキネン参上

「参上」と来ましたよ。なんかカッコいいな、ミカ。そして相変わらず大人ですね、ミカ。

そんな中、さりげなくセナ以来のブラジル人地元優勝を遂げたマッサ。彼の真価は来年問われると思うんですが、なんか妙な運が良さを持ってるかも知れない。バリチェロがあれだけ頑張って、未だにここでは勝ててないのに……(涙)。

そしてバトンもさりげなく3位表彰台です。
ホンダ公式サイトの写真が中々ステキ→これ
私的に、バトンは速いし男前だけどどうも今ひとつパンチが足りないっていう印象だったんですが、常にバリチェロ(私的には結構評価が高い)より上にいる所を見るとやっぱり速いんでしょうか。
ともかく、今は本人の気分的にもノリノリっぽいので、この調子で来年もがんばって下さい。

***

で。
今回一番の驚きは、なんてったって

佐藤琢磨10位完走。

リザルト見た時目を疑いました、マジで。ある意味今年一番の奇跡。
普段F1を見ない人にこの驚きを伝えるのはとても困難なんですが、シーズン初めには「スターティンググリッドにマシンが2台並んでることが奇跡」と言われ、少なくとも今年一杯は全レース最下位でも仕方ない、ていうか例え最下位争いであっても、他チームの車と競えるようになっただけでもめっけもん、というのがスーパーアグリだったんですよ。
それが完走17台中の10位。MF1やトロロッソ抜いて、トップチーム並みのラップタイム刻んで10位でゴール出来るなんて、誰が想像してたでしょうか。
……そうか、やっぱり琢磨ってすごかったんだ……(んじゃ去年のは一体?)。
そう言えば、名古屋のラジオの人が言ってたんですが、琢磨の英語はすごく上品なクイーンズイングリッシュなんだそうです。
スーパーアグリの進化もすごいですね。開幕戦ではピット作業もまともにできなくてバタバタしてたのが嘘みたい。まさかここまで化けるとは。

***

来年ホンダ&スーパーアグリはこの勢いを駆って更なる高みを目指せるか。
それぞれ新しいチームに移るアロンソVSライコネンは次の時代を築けるか。
ロズベルグ、クビサ、コヴァライネン……期待の新人たちはどこまで戦えるのか。
シューマッハの引退が大きく取り沙汰されていますが、ビルヌーブやモントーヤがF1から去ったという意味でも、大きく世代交代を感じさせる今シーズンでした。
来年が楽しみになって来た。


オペラ座の幕開け

2006-10-22 15:13:22 | 日記
落ちるシャンデリアーに♪……という歌が昔あったのをどれくらいの人が覚えてるんでしょうか。trfも今は昔。ボーカルの人は今、仮面ライダーの主題歌歌ってます。

閑話休題。改めて高橋大輔の「オペラ座の怪人」見てますが、これ、ほんとに挑戦的な構造してますね。
音楽自体がストーリー仕立てになってる。

冒頭に流れるオルゴールは「ここから過去の回想が始まる、物語が語られる」という合図という風に取れます(「オペラ座の怪人」は、1919年から1870年代の出来事を回想する話)。
主題と共に物語の幕開け。屋上でらぶらぶなラウルとクリスティーヌ。それ見てぶち切れるファントム。男の嫉妬って怖いよね。華やかな仮面舞踏会(マスカレード)の最中に現れるファントム。舞台の上でめらめら燃え上がるファントムとクリスティーヌの愛の炎にシャンデリアも落っこちる。そして怒濤のクライマックスへ。それで結局、どっちを選ぶの?クリスティーヌ。
ここまでわずか4分半。かなりの超展開ですね。

こうやって見ると、なんかオペラ座がものすごく面白い話に思えて来ました(いや実際面白いんですが)。特にファントム面白過ぎ。やることがいちいち極端なんだよねこの人。

それにしても。
私はフィギュアにはあんまり詳しくないんですが、こういう背景にストーリーのある音楽を使う時って、普通スケーターは登場人物の一人(大抵はヒーローorヒロイン)を演じてませんか?だから私も、「オペラ座」ではファントムというキャラを演じるとばかり思ってたんですが。
でも屋上ラブシーンは、あれはどう見てもファントムじゃないですよね(私の中で「ALL I ASK OF YOU」は予想から外れてたんですが、よく考えたら私の頭の中からラウルの存在自体が抜け落ちてました。だってラウルキャラ薄いんだもん)。
「マスカレード」では、特定のキャラではなくて場面そのものを表現してますね。仮面からひょこっと顔を出す仕草が可愛くってお気に入りなんですが、あれは主要キャラではなくモブの動作だったと思います。

そういう意味では、二重に挑戦的だなと思いました。
セオリー通りにやるならば、テーマ曲含めて多くても2~3曲でまとめて、キャラクターも一人に絞って徹底的に感情移入して演じる方が無難というか確実。
でもそういう「無難」なことは、モロゾフさんは今回やりたくなかったのかも知れない。敢えて難しいかも知れないけど、普通あんまりやらないこと、新しい表現を作ろうとしてるのかも知れないと。そこに「攻め」の姿勢を感じてワクワクしてるのです、私は。誰かが新しいことやんないと、いつまで経っても進化しない。進化の先頭に立つのはとてもリスキーなことだけど、それでも挑戦するっていう、そこにロマンを感じる訳です。気分はプロジェクトX。

それだけに完成度を高めるのはとても大変だと思いますが、ものに出来れば本当に楽しそう。映画やお芝居を見るように、物語を楽しめる素敵なプログラムになるような気がします。
そう考えると、本人は「全試合勝つつもりで」いただろうし今回の結果には凹んでるかも知れないけど、焦らないで欲しいかも。
よくよく考えてみれば今年は、本当に勝たなきゃいけない試合は暮れの全日本と年明けの世界選手権だけなんですよね(GPFで内定貰えればそれが一番楽だけど、そういう楽な戦い方をするタイプではないような気がすごくするし)。スケートカナダとNHK杯は調整のために出ます、くらいの気持ちで、GPFも無理に出なくていいかもとか思ってみたり。
そうはいいつつスケートカナダではいい演技が見たいなあとも思ってます。主に私の目の保養のために(←大変身勝手)。でも「ステキなオペラ座がみたい!」って思ってる人は、大ちゃんのファンに限らず舞台や映画のファンにもいっぱいいるんじゃないかと。期待が大きいとその分プレッシャーも大変だと思いますが、がんばってもらいたいですね。衣装も気になる。

***

拍手コメントへのお返事。
そういう訳で、私も今後の展開はリスクを背負ったスリリングな部分を含めて(笑)楽しみにしてます。
現地での反応は、なかなか良かったみたいですね。
思うに、アメリカはエンターテイメントの国なので、向こうの人は点数云々よりも「見て楽しめるかどうか?」を重視して見ているのではないでしょうか。そういう意味では日本人以上に、「魅せる」演技のできる大ちゃんの魅力を分かってくれてるのかも知れません。