ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

花ひらく

2010-03-29 00:25:00 | ノンジャンル

※写真は私の心象風景です。

確かに前のエントリーで「4Tでも4Fでも飛んだらええよー」とは書きましたけどね。

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…という訳で。

大ちゃん世界選手権優勝おめでとうございます!!

本当に、強くなったなと思いました。
なんていうか、オリンピックの後で燃え尽き現象が起きてるだろうことは想像に難くないし、実際にそういうコメントもちらほら出ていたし、関空を出る時にも会見はなかったし、隠し撮りっぽい写真も元気がなさそうに見えたし(そんな時でもファッションはばっちり決まってましたが)。
SPの朝の練習でも調子は良くなかったみたいですね。
調子が良い時に良い演技ができるだけでなく、調子が悪くてもきっちりまとめる事ができるようになればホンモノだな…としみじみ嬉しくなりました。

思えば2年前。
大本命としてイエテボリに乗り込んだ時には、色んな事が悪い方へ悪い方へと働き、どんどん歯車がかみ合わなくなって行くような感覚がありました。
流れが悪かった。きっとまだそいういう「時」ではないのだと、私も自分に言い聞かせたものでした。
そして今回。
万全の状態で臨めたようには思えませんでしたが、いざ試合が始まるとまるで水が流れるように全てが自然に動き初めて、彼は当たり前のように表彰台の真ん中に立ちました。
やっとその「時」が来たんだなと、そういう風に感じました。

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長光コーチが「ドラマでもくさいような結末」とコメントされていました。
実際これがドラマだったら、私も「何このご都合主義脚本」と突っ込んでたと思います。
でも、いるんですよねたまに。
こういう、やたらドラマチックなストーリーを現実にしてしまうような、強烈な運命を持ってる人が。
4年前、トリノ五輪でSP1番滑走・FS最終滑走という順番を引き当てた大ちゃんを見て「こいつ何か変なもの持ってるぞ」と思ったのが彼に興味を持ったきっかけ(のひとつ)でした。

こういう人って、良い意味で常軌を逸してる所があるんだと思います。
4Fを練習してるって聞いて、実は内心「4Tの調子悪いのかな」と思ってました。実際そうだった訳ですが、そこで「じゃあ4Fの方がリスクが少ないんじゃない?」となる所がどうかしてる。
初の世界タイトルに王手をかけた局面で、本人曰く「無謀な挑戦」を普通やりますか?
…でも「無謀」といいつつ、思ったより全然惜しい感じで飛べてました。今回はダメだったけど、その内本当に飛べちゃうんじゃない?みたいなみたいな。

いろんな記事を読んでてふと思ったんですが、大ちゃんに取っての4回転へのこだわりって、突き詰めると「かっこいいから」やるという結論なんじゃなかろうかと思うんですが。
大ちゃんに取って「かっこいいかどうか」は人生に於ける最重要課題だと思いますしね。ステップも、踊りもかっこいいから気合い入れてやるし、4回転もかっこいいから飛ぶ。それが彼の美学。だからこそ、彼の演技は多くの人を牽きつけるんじゃないでしょうか。

あとは来年こそ、試合の中で4回転を成功させるだけですね。靱帯の手術だと、完全に筋力等が戻るにはどうしても2年くらいかかってしまうそうなので、来年にはもっと確率を上げられるはず。
ていうか、来年もまた彼の試合での演技を見られるのがやっぱり嬉しいです。楽しみ。

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ともかく大ちゃん、おめでとう。
オリンピックの時より髪型決まってたよ!

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拍手コメントへのお返事

□2010/3/23 17:31
本当に、びっくりするくらい落ち着いてましたね。
バンクーバーでの戦いを経て、また一段階段を上ったように見えました。

□2010/3/25 11:53
私も正直SPの前の調子の悪さは不安でしたし、FSの時もGPFの時のことが脳裏を過ったのですが…。
おみそれしました、大ちゃん。本当に強くなったんだなと思いました。
4Fも本当に飛んじゃいましたよ。

4たび、トリノへ見参☆

2010-03-23 00:51:00 | 日記
バンクーバー五輪が終わりまして、男子フィギュア以外のことも書きたいなあとか考えながらもたもたしている内に、あっという間に世界選手権が近づいて来てしまいました。
バンクーバーについては取りあえず、遅くなってもボブスレーの事だけはその内書くつもりですが、それはともかくトリノですよ。

4年前のオリンピックに始まり、ユニバーシアード&GPF&そして今回の世界選手権と、ここでやる主要な大会に皆勤賞状態ですね大ちゃん。そういう訳で4度目の、そして4年目のトリノです☆
勝手な想像ですが、長光先生のコメントなどからも察するに、本調子という訳ではないとは思うんですよね。
思えば怪我明けの短い期間の中で、オリンピックに合わせて心身共に極限までトップギアに上げて臨んでいた訳で、終わった後の反動も相当だったんじゃないかと思います。
見てるだけの私たちでさえ、終わった後は気が抜けて1ヶ月ぼーっとしてたくらいですから(笑)。
でも落ちたテンションが底を打ったら必ずまた上がって来る時期は来る訳で、今は再び上に向かって行ってるようですし、今出せる力を十分に出し切れる試合になると良いですね。

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とは言え。あの怪我の後、氷上練習再開してからまだ1年経ってないんですよねー…。
(ダイアモンドアイス初日の4月4日が丁度1周年になる訳ですね)
ゼロからの再出発に始まり、1年と経たずにフィンランディア、グランプリシリーズと戦い、全日本で王者に返り咲き、オリンピックのメダルを手にするなんて、改めて思い起こせば、長光先生じゃないけど、本当に時間がない中よくやってくれたものです。
ファンとしてはもう十分幸せにさせて貰ったから、後はもう好きなようにやりなされ、4Tでも4Fでも飛びたいなら飛んだらええよーという心境になってしまいますな(笑)。

それでも本人的には、バンクーバー終わってまだ積み残したものがあると思ったからこそ現役続行を決意して試合の場に臨んでいる事と思うので、目標とする演技ができる様、そしてイタリアのお客さんにステキな演技を存分に楽しんで頂ける様、西の方向に向かって気を送っときたいと思います。

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トリノでの必勝祈願と言う事でいつものやつを。

F1もいつの間にか開幕してますが、バーレーンでは1-2フィニッシュかましてましたねフェラーリ。
アロンソがフェラーリ、そしてシューマッハが別のチームで走ってるって不思議な感じ。

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拍手コメントへのお返事。いつもながら遅くなってすみません。

■2010/3/4 23:59
ありがとうございます! 私にとってはあれで精一杯ハイテンションな文章だったりします(笑)。

■2010/3/5 1:17
本当に素晴らしい結果を出してくれたし、それ以上に素晴らしい戦い振りを見せてくれましたよね。
彼は氷上と普段のキャラのギャップが激しい上、誤解されやすい所もありますが、きちんと向き合えば、彼の繊細で感受性の強い内面があの表現に繋がっているのが分かると思います。言葉では想いの総てを語れないからこそ氷上の演技と、そして戦い方で語るのかも知れません。彼の現役時代をリアルタイムで追いかけられる私たちは本当に幸せ者だと思います。

■2010/3/19 22:59
彼の演技には中毒性がありますよね。
何度も見返したくなるような演技をあの大舞台で出来たこと、本当に良かったと思います。

龍のように翔び、鳳凰のように舞う

2010-03-04 01:25:00 | ノンジャンル
高橋大輔選手。銅メダルおめでとうございます!

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ニュースだ新聞だ雑誌だと騒いで(その合間に仕事して)あっという間にオリンピックも終了。無事に日本にお帰りなさい。激しく今更な気もしますが、私はいつもこんなもんですから。

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スポーツは結果が大事というけれど、守りに入って取った銅メダルと、全力で金メダルを狙って攻めて行き、失敗しても最後まであきらめずに戦って結果得た銅メダルでは値打ちが全く違うと思いました。

2008年10月末。膝の靭帯を切ったアスリートが果たして復帰できるのか。復帰できたとして、世界のトップを争っていた高いレベルにもう一度戻って来れるのか。
ファンは信じて待っていたけど、世間の空気は懐疑的でした。膝の怪我に泣いたトップアスリートが過去にどれだけいたのかを考えれば、それも当然のことだっと思います。

だけど、彼は戻って来ました。
SPの最後でコケたフィンランディア。ステップでコケたNHK杯。4回転のミスから調子を崩したGPF。
体力・試合勘・変わってしまった体の感覚・靴の問題…さまざまな困難と戦いながら、それでも一歩一歩着実に前進して、オリンピックの大舞台では復帰後で一番いい演技を見せてくれましたね。
この試合、SPとFS両方でガッツポーズが見れたこと。本当に久しぶりに、本人が納得して演技を終えたことが何よりも嬉しかったです。

「もし4回転で失敗しても、それ以外を完璧にやればいい」という発言が全日本の後にありましたが、まさか本当にそれをやるとは。でもこれ、「4回転を入れるか入れないか?」に思考のフォーカスを当てている内は絶対できない作戦ですね。リスクを背負う覚悟を決めたからこそ、リスクを最小限に押さえるための対策ができた。

オリンピックでよく「勇気を貰った」というフレーズを聞くけれど、正直今までピンと来ない言葉でした。運動音痴の私には、オリンピックに出ているアスリートは余りにも遠い存在なもので。

でも大ちゃんの、バンクーバーでの戦いは、私を含めた多くの人に勇気をくれたと思います。
挫折があっても、失敗しても、運命を呪いたくなったり、途中で逃げ出した日があったとしても。
人はまた立ち上がることができる。
必要なのはあきらめない気持ちと、ポジティブな思考。そして『覚悟』を決めること。

怪我をした当初、或いはその前のコーチ騒動から、彼が公の場で発する言葉は、とにかく事実を前向きに捉えて前へ進もうとするものでした。
実際には不安もあっただろうし、愚痴や恨み言のひとつや二つも言いたかったと思います。それでも、前を向かなければ未来はやって来ないと分かっていたから、敢えて前向きな言葉で自分に言い聞かせていたんだろうなと思うと、本当の意味で強いし賢い人だと思いました。

そして今回のオリンピックでは、最初から最後まで覚悟完了したいい顔をしてました。

多くの人に支えられて掴んだメダル、でもその沢山の人たちを呼び寄せたのも彼自身の持つ重力だと思います。
彼を幼い頃から知る岡山のスケート連盟の理事長さんが「彼と出会い彼のスケートを目の当たりにした方々は、例外無く立場を超えて応援団になっています」というように、周囲に人が集まるのも決して偶然ではないと思います。

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メダル取った直後に色んなメディアに出まくってたので、色んな情報が出て来ましたね。
いつもはスエードっぽいスケート靴が今回に限って普通の革っぽい靴だったので何でだろうと思ってたら、武史先生の靴だったんですね。
幾つもの偶然が重なった結果、かつて日本男子で最もメダルに近づいた男から託された靴で日本男子初のメダルを取ったなんて、そんな運命的なことが現実に起きるなんて。
この人のエピソードには、「どこの少年マンガだ?!」と思うようなネタが多過ぎていつもびっくりします。

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いくら言葉を尽くしても言い足りないけれど、とにかく本当におめでとう。

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地下鉄東梅田駅にて。こういうのもオリンピックならではですね~。
アサヒビールの「明日へつづく挑戦」っていいコピーだ。

■拍手コメントへのお返事。毎度のことながら遅くなってすみません。

2010/2/17 2:51
こんにちは。気持ちを同じくして下さる方がいると思うと嬉しいです。
大ちゃんの演技、ガッツポーズが出ましたね!

2010/2/17 9:28
始まる前は見てる方が倒れそうなくらい緊張しましたね。でも御本人は落ち着いていたみたいで…本当に良かったですね。