ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

世界選手権男子シングルFS結果

2007-03-24 14:17:05 | 日記
大ちゃん銀メダルおめでとーーーー!!!!

とりあえず叫んでおきました。こういうめでたい時にはちょっとくらい壊れちゃってもいいかなと思って。
結果が出てからこれ書いてるまでの時差=私が壊れてた時間です。言ってる間に女子もなんだか波乱が起きてるし。女子の結果が出ればそっちにかっさらわれるだろうけど、それまでの間は君が主役だ!

***

SPの結果を踏まえてのFS、厳しい状況だったと思います。
SP3位という順位に、メダルいける、逆転も可能ってマスコミは簡単に言うけど、点数をみれば寧ろ、いつ転落してもおかしくないような際どい点差。
ここで諦めて開き直ってしまえば楽だったかも知れない。でも、プレッシャーのかからない楽な状況で伸び伸び滑って勝ったとしても、それはフロックにしかならないと思います。ビギナーズラックはそう何度も訪れない。勝ちを意識し、周囲からも期待されるそのプレッシャーの中で勝つのが本物の強者。

終わった後泣き出した大ちゃんを見て、心底意外でした。余り感情を表に出すタイプじゃなかったですよね。全日本でのガッツポーズも意外だったくらいだし。
でもあれが、押しつぶされそうな程のプレッシャーから解放されて、安堵の余り流してしまった涙だと気づいたとき、本当に、私なんかには想像も付かないような極限状態で自分自身と戦ってたんだと改めて気づかされました。

何でそこまで苦しい思いをしなくちゃならないんだろう、とも思います。でも彼が本当に目指している場所、そこへたどり着くためには、ここは絶対に乗り越えなくてはならない壁だったんじゃないでしょうか。
きっと本人もそれを分かってたんでしょうね。
そういう意味でも感動的でした。本当によく戦ってくれました。

***

SP終了後、自分の演技を「最悪」と切り捨てたコメントを読んで、これは大ちゃん、明日はやってくれるかも、と実は密かに思ってました。ニフティのレポートにもあったけど、私もこのコメントからは、彼の自分自身に対する「怒り」を感じたので。彼は多分、「怒り」を試合へ向けてのエネルギーに変えられるタイプなんじゃないかと思うのです。静かにキレる、こういうタイプは結構怖い。
トリノやスケートカナダでも、似たような自分への怒りはあったと思います。でも今回は、フリーではなくショートの後。大ちゃん、まだフリーが残ってるよ。挽回のチャンスはすぐ目の前にあるよ……と、そう思った訳です。
それでもやっぱり、そんな自分の直感が当たってるかどうか自信がなくて心臓バクバクで、最初の4回転で手を着いた時には気絶しそうになりましたけどね(笑)。でもそこから後は、全然転ぶ感じがしなかった。全日本の時みたいな「強い大ちゃん」が帰って来たように見えました。
「ショートで失敗しなければ」という声もあるけど、ショートでのあの失敗がなかったら、フリーであの「怒りのパワー」を発揮することもできなかったかも知れません。
様々な要因が絡んでの銀メダル。金にはあと一歩手が届かなかったけれど(それも又、終わって見れば順当な結果のように思えます)、これから戦って行くにあたっての足がかりがこれで出来たように思えました。
そういう意味では、彼は本当に強い。目に見えない何かに引っ張られているような、強力な運命みたいなものを持っていると感じます。

***

リンクサイドでモロゾフさんにすがりついて泣いて、キス&クライではモロゾフさんや歌子先生と抱き合って泣いて、でも表彰式にはけろっとした顔で、いつも通りのノーテンキな笑顔で出て来た所が大ちゃんらしくて良かったです。例えワールド・シルバーメダリスト様になろうとも、「大ちゃん」って気安く呼ばせて頂きます。なんかもういいじゃないですか。NHK杯のアナウンスから何からみんな「大ちゃん」呼びなんだから。
「大ちゃん」といえば、荒川さんや本田くんがめっちゃ素で「大ちゃん!」「大輔!」って話しかけてるのも微笑ましかったですね。

***

ともあれ、よかった。本当におめでとうございます。

世界選手権男子シングルSP終了

2007-03-21 23:51:49 | 日記
大ちゃん3位発進。F1で言えば2列目からのスタート。
ポジションとしては面白い位置に付けたと思うんですが。
内容的には、傍目に見ても、あー、気負ってるなーという感じの演技でした。決して悪くはないんだけど、本当ならもっともっと出来るはず!という感じの。ある意味トリノより盛り上がってるし期待されてもいる状況でしたから気負うのも無理ないかなとは思います。これまで、SPでは常に良い演技ができていただけに、本人に取ってはさぞかし不本意だったんではないかと思いますが。

見る側としては、それでも絶対に食らいついて行こうっていう意地みたいなものを感じて燃えました。
ていうかこの状況、燃えるんですけどね。首の皮一枚で繋がった状態。上との差は開いてるけど下からは迫って来ているという微妙な立ち位置。諦めて開き直ることもできないし、さりとて楽観もできないし。
絶対ファンに楽をさせてくれない人なのねキミは(笑)。いいですよもうとことん御供しますよ(って私桃太郎の犬みたい)。

勝ちを狙って勝ちに行く、勝ちを期待された中で勝ちに行く、というのが如何に難しいことかを改めて感じずにはいられません。でもだからこそ、敢えてこの難しい状況を戦って欲しい。
この状況を与えられたのも、天が与えてくれた強くなるための試練だと思いますので。

ていうか、先週のゲキレンジャーが「不安を解消するには修行するしかない、苦労したことが自分に自信を与えてくれる」っていう話で、妙に大ちゃんとのシンクロニティを感じたんですけどね。
この1年、誰よりも強い決意を持って頑張って来た、その自分の苦労を信じて戦ってくださいな。

***

流れが変わることを祈って、魔除追加。


目玉と

蹄鉄

実はそんなに心配してなかったりもするんですけどね。

世界選手権はじまりましたね。

2007-03-21 01:07:32 | 日記
シーズン始まる前の感覚だと、一番怖い試合が全日本。その全日本をがんばった結果の世界選手権はお祭りだー!という感じだったんですが。
いざその世界選手権を目の前にするとやっぱり怖いです。
怖いのは、期待してるからなんですよね。期待が大きい程、裏切られた時の落胆も大きい。それでも期待せずにはいられない。
期待していたけれど、期待以上の結果を出して、本人も意欲十分で乗り込む世界選手権。ああだけど、あの人もこの人も絶好調で一体どうなってしまうんでしょう、みたいな。

それでひとつ思い出したことがあります。
最近大ちゃん、男前度が妙に上がってないですか?特にアメリカでの練習から帰って来てからこっちは、しゃべってても何やってても前よりかっこよくなってるように見える。
トリノの頃、まだ純粋に「アスリート」として大ちゃんを見ていた時に、「まだ顔や雰囲気に甘い所があるな」と感じてました。だからこそ、それがどう変化して行くのかが楽しみだとも思ってたんですが……。
もしかして、あの頃感じていたあの『甘さ』が消えたってことなんでしょうか。大人の男の顔になって来てるってことなのか。
そう言えば、あの頃はちょっと背伸びしてる感じもあった顎髭も、今ではなんだか板に付きつつあるような(でもSPの衣装には似合わないと思いますけど。剃るのかな。そこはちょっと楽しみにしておこう)。
この1年で、彼ほど激しく「変化」と「成長」を見せた選手もいないだろうと思います。その成長の証しをここで見られたらいいなと思ってます。

以下、ショートプログラムに関する自分用の覚え書きです。

***

チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲 二長調』

【1】曲についてのメモ
作曲者のチャイコフスキーさん曰く、この曲に特に曲想はないらしい。敢えていうなら、離婚直後に書かれた曲ということで、その辺の苦しい結婚生活とそこからの解放といった精神状態が曲に反映されていると言えなくもない。メロディメーカーなチャイコフスキーさんらしく、民族的で美しい旋律が特徴。
今ではメンデルスゾーンの曲と並んで2大ヴァイオリン協奏曲と言われる程有名な曲ですが(ちなみにメンデルスゾーンの方は安藤さんがフリーで使用)、出来た当初は難し過ぎて演奏者に拒否られるなど色々苦労も多かったみたいです。
「のだめカンタービレ」では千秋が(多分)コンクールで指揮する曲として登場。のだめ曰く「くねくねの華やかな曲」。

【2】衣装
紺色ベースに白っぽいヒラヒラ付き。ヒラヒラが衣装から生えているのではなくて、羽衣を纏うような形になっているのが特徴的。
怪しい海洋生物のようにも見えますが、素直に作った人の意図を考えるに、これはきっと「風」をイメージしてるんではないかなと思います。

【3】ジャンプ構成
今までの実例だと
3F+3T 3A 3Lz ……らしいです。

【4】みどころ
大ちゃんの最近の3Aはとても美しいらしい。私にはジャンプの質はよく分かりませんけども。
華やかなサーキュラーステップ、加速するストレートラインステップは優雅であると同時に躍動的。
でも個人的にこのプログラムは、なにげない腕や指先の動きの繊細な表現が楽しめるのが何より良いと思います。そして笑顔。長調の曲には明るい表情がよく似合う。

【5】妄想
私の中ではこのプログラムは、「ノクターン」(シークレットガーデン)と対になっています。
完全にEX用に作られた大ちゃん自作のノクターンと、あくまで競技用に作られたモロゾフさん謹製のこのプログラムは全く性格が異なるものではあるんですが、でも何故か雰囲気を見ると、「ノクターン」からの流れを感じるんですよね。
ノクターンが春の夜の風なら、この曲は昼間の風。まだ肌寒い早春のそよ風から始まって、爛漫と花咲く季節の花嵐、そして青嵐のつむじ風。スケートのスピード感と優雅な表現が合わさって、風を纏って駆け抜けているような錯覚に陥ります。まるで風の妖精を見ているような、とか自分でも夢見過ぎだと思いますが。

***

生観戦に行かれる方は、是非気を付けて楽しんで来て下さい。
そして是非拍手と声援を。ノリノリでステップ踏んで貰いませう。

F1オーストラリアGP決勝

2007-03-18 22:34:55 | F1
フィギュアスケートで自分がぶっこわれる前にF1の決勝感想書いておきます。
(ていうか既に壊れかけてる。落ち着け私)

感想その1 CS入っててほんとに良かった。薄給の身にはちょっと苦しいけど。でもこの快適さを覚えてしまったら、地上波なんてもう見られない。

なんか、今宮さんと川井ちゃんが口を揃えてホンダのブレーキがブレーキがというので、ホンダはブレーキが苦しいんだなということが素人な私にも分かりました。
そしてまた、口を揃えてストップアンドゴーストップアンドゴーというので、ここメルボルンのコースが急減速&急加速を要するブレーキに優しくないレイアウトなのもなんとなくわかりました。
こののんびりした内輪な感じがたまりません。

そんな中、ホンダの二人のドライバーは多分頑張ってたんでしょう。今年1年でどこまで持ち直して来るのかを楽しみにしてます。

それでも、開幕戦にしては意外に波乱の少ない決勝だったような。
マクラーレンが復活して来て、キミVSアロンソのチャンピオン争いになるんでしょうか。チーム的にはマクラーレンに勝って欲しいんですが、ドライバー的にはキミの方が好みなので悩みます。
ていうかキミ、去年1回も勝ってなかったのね。なんかもう既に、タイトルの1回や2回取ってますみたいな妙な貫禄を感じたんですが。
マクラーレンの新人ハミルトンは、流石に秘蔵っ子だけあって新人らしからぬ上手さが光りましたが、個人的には新人くんはもっと荒削りな方が好みです。最近はレースデビューの前にTDで鍛えられるから、まっさらの新人ってあんまりいないんですかね?

そして佐藤琢磨ですよ。
スタートからは順位を下げて12位でゴールですが、スーパーアグリの「レース」がここから始まるのかなーと思うと感慨深かったです。
去年はもう、最下位でなければなんでもいーやみたいな感じだったんですが、今回は最初から最後まで、琢磨は今何位を走ってるんだろうとか、どうやって一つでもポジションアップできるだろうとか、すごく楽しく見れたんで、やっぱりレースはレースをやってなんぼなんだなーと思いました(笑)。

F1開幕・予選からお祭り

2007-03-17 15:47:01 | F1
昨日からF1・2007シーズンが開幕している訳ですが、今ちょっとスケートの方が大変で(別に私が何をする訳じゃないんだけど)それどころじゃないわーと思ってました。
が。そんな矢先に琢磨がやってくれました。

予選10位ってそれマジっスか?

去年のブラジルの終わって見たら10位にもびっくりしたけど、まさか今年の開始早々にQ3を走る琢磨が見られるなんて私は夢にも思ってませんでした。多分亜久里さんも思ってなかったと思います。

***解説***

F1の予選は3回に分けられてます。最初のQ1では22台のマシンががタイムアタックに出ますが、Q2→Q3とタイムの遅い方から順次足切りされて、最終Q3に残った10台のマシンで上位10番までのグリッド順位が確定する訳です。
昨年、急ごしらえのプライベーターチームとして滑り込み参戦したスーパーアグリは、残念ながら全戦Q1で脱落してました。
故に、今年の目標の第一歩が「予選でQ2に残ること」だったんですが。
まさか開幕から2台ともQ2に残った上、更に琢磨はQ3まで残っちゃうなんて。

***解説終わり***

こうなったらもう決勝はどうでもいいから取りあえず喜んどけ、と思って浮かれてたら、肝心のPPが誰なのか見落としてしまった。
1位キミ、2位アロンソは意外に順当ではないですか?まだちょっとチームとドライバーの組み合わせに違和感はありますが。3位ニック・ハイドフェルドおめでとー!でもできればヒゲは剃って下さい。折角美形な顔なのに、びっくりするぐらいヒゲ似合わない。アロンソはロン・デニスに気を使ったのか、髪の毛をこざっぱりさせて大分もっさり度が減りました。

で。
「Number」の中本さんインタビューによれば、ホンダの不調も予想の内だったみたいなんですが。
「高く飛び上がる時には一度沈み込む必要がある」とか、「失敗を恐れずにやって今失敗している、それをリカバリーしなければいけない」とか仰ってるんですけど。
ここまで沈んじゃってホントに大丈夫なんですか?!
地球に優しいカラーリングは、実際走ってるのを見ると思った以上に気持ち悪かったですが、あれは格好良さより分かりやすさを優先させたデザインだと思うので別にいいです。

とりあえず今日と明日は琢磨の為に踊っておきます。
嬉しい誤算。あーびっくりした。

ちなみに「Number」次の号の第2特集でF1開幕特集やるみたいです。そういうのは開幕前にやって欲しかったんだけどなー……。立ち読みして面白かったら買います。