ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

2011全日本選手権

2011-12-30 23:43:00 | 日記
今更だけど、折角行ったので覚え書き。
印象に残った事だけをつらつらと。レポートなどと呼べるような代物ではございません。

***

23日の昼、地元(倉敷)から遠征して来る相方を新大阪駅にお迎えに。
「昼ご飯、たこ焼きなんてどうかなーと思うんだけど」それで相方にもピンと来たようで、2人で『蛸之徹』行って参りました。普段自分でたこ焼きなんて焼かない岡山人二人、店員さんにフォローして貰ってなんとか不格好なたこ焼きを焼く。でもすごく楽しい&美味しかったです。

それにしても。
全日本だけでも3回目のなみはやドーム、今回が一番寒かったです。特に23日はスタンド席の前の方で、MOIではステージがある方よりの端っこ。どうもあのステージの向こうにサブリンクがあるらしく、冷気が伝わって来て寒いのなんの。
私も相方も年末の繁忙期の最中でして、今年は3連休の社会人に優しい日程だよねーとか言いつつ、2人で前日までの残業疲れ引きずって、寒い客席でもっこもこに着膨れてうつらうつらしながらの観戦。それでも試合が終盤にさしかかり、大ちゃんの出番が近づいて来る辺りから緊張感で目が覚めます。

■大ちゃんSP編
大ちゃんは最終第5グループ。6分間練習、素人目には4回転以外のジャンプは3A含めて危なげない感じ。3Aと4回転以外のジャンプの見分けが付かないけど(笑)。
その4回転を飛ぶのか否か。報道では飛ばない方向って言ってたし、でも予定表には4ー3とか書いてあるみたいだし、でも6分間練習では成功はしてなさそうだし、それでも「感触は悪くなかった」とか言って入れて来かねないのが大ちゃんだし、どうするどうするキミならどうする?
…とか思ってる内に演技開始。
多分みなさんご存じだと思いますけど、最近大ちゃん4T飛ぶ時背中に手を当てますよね。あれのお陰でジャンプの区別が分からない私にも、大ちゃんの4Tだけははっきり分かるんですが…。
In the garden of soulに合わせて滑り始めた大ちゃん、おもむろに背中に手を当ててる。
ちょっとまってだいちゃんこわい…とか私がひらがなで思ってる間に、跳んでましたよ。4回転。
跳んだ?!しかも決まった?!とか思ってるうちに続けてきれいに3回転。
叫びました。
今期初。…ってことは、ボルト除去手術後初めて試合できれいに決まった4回転ジャンプ。が、3回転付きのコンビネーションってマジどんだけ。
その後もまったく危なげのない出来。終わった瞬間立ち上がりました。年甲斐もなくぴょんぴょん跳ねてしまいましたよ。だってさ、ここで騒がないでどうする?!って思ったんですもん。
まさかコレを生で、目の前で見れるなんて。
この一年の私の苦労はこの為だったのかって感じでございますよ。

■大ちゃんFS編
24日は早めに入場すると、男子の最終グループの公式練習が見れるんですよね。何か大ちゃんがいきなり4-3を決めていたような気がする。あと自分の曲掛けの後、何度か練習していたのは、あれは多分4回転フリップの方なんじゃないかと思いました。
ジャンプの区別つかないけど、大ちゃんトゥーループだと背中に手を当ててまっすぐ助走して跳ぶんですよね。で、くるくる回ってから跳ぶのはフリップなのかなあと。
そんでもって試合本番。6分間練習で4回転の調子が今イチなのが気になってはいたんですが…(あとまあ、公式練習も含めてやけにいっぱいジャンプ跳んでるなとは思ってたんですが)。
最初の4回転の失敗。…は、まあ想定の範囲内として、その後2回も転んだのは流石に心臓に悪かったよ。後からコメントで出たように、疲れてるのかなという感じはしました。生で観てると、以外と失敗するジャンプは飛び上がった瞬間に「あ、失敗したな」と分かるもんなんですが、今回の大ちゃんのFSは、「あ、いけたかな…?」と見えてるのに、降りた所で踏ん張り切れずにべしゃっとなる、っていう感じでしたし。だから転倒しても回転は足りてて、その辺で細かく点を拾ってたお陰もあって逃げ切り優勝できたんだと思いますが…見てる方は心臓に悪かった(笑)。
ちょっとほろ苦いブルースになってしまいましたが、それでも2年振りの王座です。優勝おめでとう。

後で出て来たコメントで、反省モードで「こんな演技で勝ってはいけない」とか言ってるのを見て、やっぱり私この人好きだなと改めて思いました。
SPで出遅れてFSで追い上げるのと、FSで失敗してSPの貯金で逃げ切るのと、前者に比べて後者はどうしても印象が悪いんだけど、試合はSPとFSの総合で争うんだから勝ちに変わりはない。あのSPの見事な演技あっての優勝なんだから、堂々としてても全く問題ないんですけどね。
それでも、勝てば官軍とばかりにふんぞりかえるのではなく、FSの内容の悪さを素直に認めて反省する、そんな大ちゃんの人間性があるからこそ、何があっても応援したいと思う訳です。それに今迄もこういう悔しい思いこそ糧にして自身の成長に繋げて来た人だから、今回のこともきっと次に活かしてくれると思えますしね。

■羽生選手について
私FOIで彼の事を「こわいなあ」って書いてたと思います。予感的中☆
こわいなあと思った理由は、あの年でバンバン4回転を跳んでるだけではなくて、見せるセンスもありそうな所。
これは私の持論なんですが、スケートに限らずセンスって『種』みたいなもので、種のない所にどんだけ水を撒いても肥料を撒いても育たないけど、種を持ってれば、最初は未熟でも環境次第で伸びて行くと思ってます。上手いんだけどなんか味気ない選手がいる一方で、荒削りでも見てて楽しい演技をする選手がいるってそういう事かなと。
羽生選手は後者のタイプと思われるので、これは結果が出れば人気も出るだろうし、そういう意味でも大ちゃんに取って脅威だなーと思ってたんですが…。

「彼が4回転を跳んで来るから、負けられないと思って」と楽しそうに語る大ちゃんを見て、大ちゃんも私が思う以上に勝負師なんだなと改めて思いました。他人に対する攻撃性が皆無なので分かりにくいけど、同時にすごく負けん気は強いんだろうなと。荒川さんに「アーティストでもありアスリートでもある」って言われる所以なんでしょうね。
羽生選手の台頭は、大ちゃんに取ってもプラスになってるんだろうなと改めて思った全日本でした。
でも私たちは田中刑事くんを応援するのです。地元贔屓なものですから☆

■がんばれ刑事くん
そういう訳で倉敷の期待の新星・田中刑事くん。今回がんばってましたね!
彼は岡山や倉敷のリンクに遊びに行くと割とよく見かけるんですが(たまに倉敷のリンクで無料EXとかやってくれるし)。見る度に背も伸びて顔つきもすっかり男らしくなって(しみじみ)。JGPFではちょっと残念な結果に終わってしまったし、きっと悔しかったんじゃないかと思うんですが、今回はSP・FS共なかなか良い演技で(特にSP!)、シニアのお兄さんたちに混ざって堂々と戦ってましたね。SPはちょっと大ちゃんぽい振付けもありました。FSはプログラムも衣装もすごく似合ってた。ショルダーホルスターは男のロマンだ。
同世代の羽生くんとちょっと差が出来てしまったけど、焦らず自分のペースで成長して行って欲しいなと思います。ジュニア世界選手権がんばってね!

■翠松高校同窓会
今回4大陸選手権の男子シングルの代表が大ちゃんに加えて町田くん&無良くんてことで、全員倉敷翠松高校OBだなと思った次第。無良くんは岡山にいた期間短かったですけどね。
その無良くんですが、えらいかっこ良くなってませんでした?元々彼の男らしく骨格のがっしりした体型はかっこいいなと思ってたんですが、今回SP・FS共にラテンぽい曲で、衣装が両方共似合うのなんのって。加えて顔立ちも男っぽくなって、オールバックも顎髭も板に付いてるじゃありませんか。SPはちょっとミスが勿体なかったけど、FSでは豪快な4回転も見れて眼福でした♪
そして町田くんも、いつの間にかしゅっとした外見になっててびっくりしました。もしかして背も伸びた?顔つきも体つきも急に大人っぽくなったような。今回SP・FS共ミスの少ない良い演技で、スタオベもお花も多くて、予想以上の人気にびっくりしました。彼もセンスのある選手なので、ジャンプが決まると見応えありますね。
今度の4大陸選手権は、場所がちょっと特殊(標高が高くて色々大変らしい)なので何か色々読めないんですが、3人共がんばって次に繋がる良い演技ができるよう祈ってます。

■日本男子のトレンド=SE
シングルの競技プログラムはヴォーカル禁止…とは言え、特定の言語による歌詞さえ入ってなければOKって事でかけ声やスキャットは最近当たり前になって来てますね。それに加えて、音楽にSE(効果音)を取り入れたプログラムが気になった今大会でした。上手く使えば下手なヴォーカル曲よりも分かりやすいし、言葉の壁もありません。
山田耕新選手の唸るエキゾーストノートもモータースポーツファンとしてたまらんものがありましたが、やはり今回のSE大賞は佐々木彰生選手でしょう。フリーはジャンプの失敗が多く、終了後本人は凹んでるのに、観客は「いやーおもろいもんみせてもろたわー」と大満足。あんなに選手と観客のテンションにギャップのある演技を初めて見ました。しかし時代劇ファンの私的にはSPの忍者がツボ過ぎる。音源欲しくなりました。

こんなのあったんだ。

■その他いろいろ
・大阪でやる全日本はいつも、お花拾いキッズスケーターの衣装が可愛いと思います。今回も可愛かったー特に女の子のメイドさん風フリフリ衣装!

・アイスダンスに出場の平井絵己ちゃんいつの間にか外人さんと組んでた。アイスダンスよく分からないけど、前に見たときよりずっと上手くなってるような気がします。雰囲気もダンサーらしくなって、相変わらず美しかったです。

・そして倉敷出身では絵己ちゃん以来、女子シングルで上位に食い込めそうな子が出て来ましたね。友滝佳子ちゃん。前に見た時は田舎の素朴な中学生という感じでしたが、ちょっとお姉さんになってて、なんかいい感じのジャンプ跳んでました。この先の成長が楽しみです。

・女子はSPしか見れてないけど、鈴木明子ちゃんは本当にすごいと思います。NHK杯の時に大ちゃんも褒めてたけど、女子であれだけイキイキした躍動感のあるステップを踏める選手って世界的にも貴重。26歳にしてジャンプでもまだまだ上を目指しているというのもすごいと思うけど、ベテランの活躍を支えてるのは踊りのセンスの良さだと思います。
あくまで私の印象だけど、女子は特に身体の軽い10代の内に実績を積んどかないと世界で中々認められないというイメージがあるので、その10代の一番良い時期に試合に出られなかった明子ちゃんは相当なハンデを背負ってたんじゃないかという気がします。そこからコツコツと努力を積み上げて、世界でもトップレベルで戦える今の位置まで来れたというのが、本当に凄いと思います。
そういう意味では、あくまで素人目線だけど、村上佳菜子ちゃんは良い形で成長してるんじゃないでしょうか。先シーズンは若さを前面に打ち出して評価を固めて、シニア2年目の今年は大人っぽく変身。技術的な細かいことはよく分からないけど、今多少足踏みしていても、色々挑戦している事はこの先で芽が出るんじゃないかなと思います。SPは目の覚めるような素晴らしい演技でした。
明子ちゃんも佳菜子ちゃんも、今回3回転-3回転に意欲的にチャレンジした事が、将来実を結ぶと良いですね。それに踊れる選手はやっぱり見てて楽しいですしね。2人共がんばって欲しいです。

・会場内で、大ちゃんも今年から使ってるらしいエデアの靴を展示販売してて、初めて実物を手に取ったんですが、すごいですねあれ。スケート靴業界にもようやく技術革新の波が訪れたかと思いました。

とりあえずこんな所かな。MOIはまた後日に。

君の向かっている明日はどっちだ

2011-12-19 21:52:00 | 日記
GPFに絡んだ話ではあるけど直接的には関係ない話。
なんかもう、マスコミの報道を気にするのはやめよう、と思ったという話です。なんか段々アホらしくなって来たというか。
自分のお気に入りの選手が大きく取り上げられて褒め讃えられるのを見るのはそれはもう嬉しいし気持ちいいけど、それはあくまでオマケであって本当の目的はそこじゃないはずですしね。
マスコミはその場の状況で、自分たちの都合で騒いでるだけで、そのアスリートの未来を保証してくれる訳じゃないから、そっちばっかり気にしていると本来の目的を見失いそうで危険だなと思いました。

ちょいと話が横道にズレますが、かつてTOYOTAという自動車メーカーがF1にコンストラクターとして参戦していた頃の事。『軽タンアタック』なんて言葉が囁かれたりした事がございます。
一例を挙げるとこんな感じ

予選の時に少ないガソリンで走ると、タンクが軽いから良いタイムが出る。でもそのまま決勝へ進むとガソリンがすぐに無くなるので給油のためにピットに入らなければならない(※予選終了後、決勝が始まる前に給油はできないルールだった。今はどうか知らないけど)。戦略上大変不利。

そもそも、何で予選をがんばるかっていうと決勝レースを有利に進めるためであって、予選で好結果を出すために決勝の戦略を犠牲にするなんて本末転倒な事は普通は誰もやらない。
それをなんでわざわざTOYOTAがそんな事をやってたかというと、多分「アピる」ためだったんだろうなというのが大筋の見方だったりします。
決勝がどうあれ、予選だけでも良い結果がでれば、ニュース等で代々的に「TOYOTAがフロントロー(※予選の1位と2位の事)を独占しました!」って騒げるし、「モータースポーツのTOYOTA」ってイメージアップできるって事で、会社のお偉いさんや株主様にも申し訳が立つ、らしい。
(こんな事ばっかやってるからTOYOTAのモータースポーツは大抵アレな結果に終わる)

***

話をGPFに戻します。もしも大ちゃんがSPで4回転を飛ばなかったら?
上記のトヨタほどの露骨な愚行ではないけれど、方向的には同じ事かも、と思います。

ここで「日本男子初のGPF優勝」って結果が出れば、マスコミは喜んで騒いでくれる(特に、GPFを執拗に「世界一決定戦」と言い張ってるTV朝日さんは)。でも彼らは、ここでの戦いが次にどうつながるかなんて気にしてないですからね。次の試合で勝てればまた騒いで、負ければ別の勝った選手を持ち上げるだけ。何の責任も負ってくれない。だから選手は彼らに惑わされずに、『自分に何が必要か』を考えなければならないんじゃないかと思いますよ。

大ちゃんに取っては、ここでSPに4回転を入れる事は、先の事を考えれば必然だったと思います。今回は「たまたま」チャン選手もミスが多かったから、NHK杯みたいな完成度の演技が出来てれば、もしかしたら勝てたかも知れません。でもこの先、もっと重要な試合で、チャン選手や他の若い選手が4回転を入れて高い完成度でまとめて来たら、4回転なしでは戦えない。と、私が大ちゃんなら考えます。

「もっと練習で完璧に跳べるようになってから」って意見も尤もだとは思いますが、でもそれを待ってたらいつまで経っても前進できないような気がします。
「1回の本番は10回の練習に勝る」って言葉もあるし、野球選手が1年浪人して試合に出ないと、練習を続けていても競技者としてのレベルは下がってしまうらしい。それくらい、「試合の中で」やらないと掴めないものって大きいんじゃないでしょうか。

よっぽど4回転の調子が悪かったら無理かなーくらいに思ってたので、入れたって事は4回転含めてジャンプの調子が結構いいんだなと思って、私は単純に嬉しかったです。

***

そして実は、このエントリーでこっそり言いたいのは、TOYOTAって会社の変さだったりします。
少なくとも、F1に於いては
「速いクルマを作る事」よりも「速いクルマであると言うイメージを広める事」優先。
「ファンに愛されて人気チームになる事」よりも「人気チームであると一般大衆に思われる事」優先。
…みたいな。F1チームの本来の目的である「勝つ事」よりも、マスコミに取り上げられる事を優先してたんじゃ、そりゃお金の割に結果が出ない(そしてそれ以上に人気がない)チームになるのも無理はない話。

なんかね、ここ最近のフィギュアの報道を見て、何故か私はそんなF1TOYOTAチームを思い出しちゃったんですよね…。

マスコミに持ち上げて貰った所で、彼らが先の試合の結果を保証してくれる訳じゃない。
持ち上げて貰えなくても勝てる選手なら勝つ。それだけの事。

大ちゃんはそういう所、達観してる節がありますよね。
だからこそ、結果だけ見れば波瀾万丈山あり谷ありな感じでも、どっか安心してついて行けるのかも知れないです。
次は全日本。私何気に、今シーズン初めての試合の生観戦です。
結果を思えばドキドキするけど、まずは大ちゃんの『進化』した演技を楽しみに、見届けに行って参りたいと思います。

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■拍手コメントへのお返事
2011/12/14 11:54
こんばんは、お久しぶりです。ファンの間で意見が割れてたなんて知りませんでした。
私NHK杯の後、次はSP4回転を目指すもんだと当然のように思ってたので(勿論最初から上手く行くなんて思ってなかったですが)。
ファン同士ああでもないこうでもない言い合うのも楽しみの内かも知れませんが、専門家に囲まれた選手本人が外野の声に耳を傾ける必要なんてないですね。
大ちゃんは自分の目指す所がちゃんと見えてると思うので、そこへ向かって進んでくれたらいいなあと思います。

SP4回転への道

2011-12-12 06:28:00 | 日記
大ちゃんSP5位から巻き返しての銀メダルおめでとう!
1つの試合でこのジェトコースターっぷり(逆のパターンじゃなくて良かった。ていうかこれのほぼ逆パターン2009年に既にやってた)。これだからこの人のファンはやめられません。

ていうか今シーズン、点数や順位はさておいて、JOも含めて試合の度に課題を洗い出して、次の試合までに一つひとつ確実に克服して来てるのが素人目にも分かって、それが本当に見てて楽しいです。
ボルト抜きの手術&リハビリが入って、ただでさえ短いオフシーズンが更に大幅に短くなって、当初は多少出遅れた感じもなきにしもあらずだったけど、それでもやっぱり膝から異物が無くなって良かったんでしょうね。

SPは、点数と順位はあれですが、進化してると思います。
コンビネーション付けられなかったのは勿体なかったけど(ていうか、当初どっちに付ける予定だったんだろう)。4回転いれたら、一時的に全体の完成度(と点数)が落ちるのは覚悟してたので、そんなにショックではなかったですし。
ていうか寧ろ、やっと4回転を入れたSPに挑戦できるとこまで来たんだなあっていうのが嬉しくて、土曜日は何故か一日ウキウキしてました。

***

SPはNHK杯の演技がすごーく良かったので、逆にもうこれ以上、『4回転抜きでほぼ完璧』っていうのを目指さなくてもいいのかなと思いました。なまじ高い点が出た分、4回転なしで出せる点数の上限みたいなものも見えたような気がしちゃったりもしてたし。
多分先シーズンも、できたら入れたかったんじゃないかと思うんですよね。でもその前に、『4回転抜きでほぼ完璧』っていうのが中々できなかった(それこそ、GPFでぶつかられて怪我させられてなかったらまた違ってたかも知れないけど)。
それを考えると今シーズン、前半戦の段階で第一目標をクリアできたのは本当に有難いなあと改めて幸せに感じた訳です。
宇宙マンダラとかナタラージャとか月光の射す庭とかの妄想はNHK杯の演技でやりますので、どうぞ心置きなく次のステップへ進んで下さい。高く飛ぶ前には一度は深く沈み込まなければならない。だからこの試合のSPも、先の事を思えば必要なステップだったと思います。

あと、SPから4回転を入れて来たという事は、ジャンプ自体は調子良さそうだし、FSは期待できそうかもっていう予感もあったかも知れません。

***

そういう訳でFSは、NHK杯よりも更に完成度が上がってましたねー。
07年の世界選手権のオペラ座とか、NHK杯のロミオとジュリエットを思い出しました。最初の4回転のミスを引きずらないっていうか、何かふっきれたみたいにそこから先は見ててミスする気がしない感じ。
仙台のロミオとジュリエットの時みたいに、終わりに向かってお客さんのテンションがどんどん上がって行くのが分かる感じでした。3Aー3Tもかっこ良かったー!
表現的にも大分身体にプログラムが馴染んで、段々自由に表現できるようになって来てる感じがありますね。
4回転も今回は認定されてたし、練習でも4Tの方が飛べてたみたいだし、右膝のバネが大分戻って来てるのかなと思いました。あともう一息。

そして衣装はこれからも地味に装飾が増えて行くのか、こちらも気になる所ですね。
付け足した布地のテラテラ黒光りしてる感じは割と好きだけど、個人的には地味なままでも良かったんですけどね。
(衣装と言えば、いつもお洒落な衣装を着てるコストナーさんが今回もすごかった。ていうか、SP・FS共にかっこ良く着こなしてたけど、他の人にはあれ絶対着れないと思う。イタリアのお洒落は高度過ぎると思いました)

GPFが来る。

2011-12-09 07:01:00 | 日記
前回のエントリー名を「NHK杯(1)」ってしたまま(2)を書く間もなく。気が付けばもうすぐGPFですね。
ニュースとかを見ると良さげな感じですか?時差ボケその他心配なこともありますが、なんか取りあえず、全日本につながるいい演技ができるといいですね。
※途中ちょっと追記しました。

***

高橋大輔「25歳…まだ成長できるって感じてる」
今回も良い記事。写真も素敵。

「スポーツは結果が全て」っていうのは確かに一つの真実ではあるけど、それはあくまで『過去』を語る上での話であって、『未来』を予測するんであれば、表面的な結果だけでなく、その結果の裏にどういう理由があるかまで読まなければ、正しい予測は立てられないと思います。

何が言いたいかっていうと、先日の『S☆1』の特集にあったように、昨シーズンの結果だけ見て安直に「高橋は終わった」とか思ってた人がいるなら、それはちょっと読みが甘いんじゃないかと思うよって事(←えらそう)。

何だか、フィギュアをよく知っているはずのファンとか関係者とかライターとかがそういう『結果』に振り回されて右往左往したりしてる中、さりげに松岡修造氏が冷静にいいとこついてた…なんてオチがついたりして。

私も威張れるほど知識ないしそもそも運動やってないし(今も昔も)見るのもモータースポーツくらいしか見ないし、ですが、こと日本人選手に関しては、前シーズンの試合結果より、オフシーズンの様子を見てる方が調子を読みやすいかな、という気がします。

過去と言えば、多分最初に世界選手権で銀メダルを取った2007年だと思うけど「メダルはもう過去の事」って言ってた記憶があります。「お世話になった人たちに喜んで貰えるのは嬉しいけど、メダルがこの先の自分の演技を保証してくれる訳じゃない」って。
謙虚っていうか、シビアだなと思います。大ちゃん自身は謙遜してるつもりもなくて、シビアに現実を語ってるって認識なんでしょうね。
「もちろん、金メダルは欲しいですし、目指して練習していますが、全力を尽くしても取れないこともある」って言葉にそれを思い出しました。
「あきらめなければ夢は叶う」って言ったって、世界選手権で金メダルが取れるのは1年に1人だけだし、オリンピックで金メダルが取れるのは4年で1人。
私たちファンも含めて、自分の都合の良い未来を夢想しがちだけど、現実はかくも厳しい。
でも大ちゃんはそこの所を良く見てるからこそ、幾多の荒波を超えてここまで来たし、これからも進んで行くんだろうなと思いました。

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そしてこんな本ももうじき出ますね。
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この表紙、すごいなと思います。何気なく切り取った一瞬なのに、指先から肘・腕・表情まで神経が行き渡ってる感じが伝わって来る。
やっぱり名前のある写真家って、それだけの仕事をしてるって事なんでしょうか。
しかし内容が想像できないですね。やっぱり写真の比率が多くなるのかな。

一方、山陽新聞は田中刑事くんを応援中。

フィギュアジュニアGPファイナル 田中初出場 濃い演技見せる
顔つきも身体つきもどんどん男らしくなって頼もしい。岡山勢二冠か…そんなに甘いもんじゃないと思いますが、万が一そうなったら全力で喜ぶ用意はあります。

***

そんな訳で、お守り画像の代わりに今回はこれを♪

ルミナリエ!!!

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拍手コメントへのお返事

■2011/11/17 18:21
こんにちは!本当に予想以上の回復と進化にびっくりですね。
大ちゃんの演技にはいつもイマジネーションが膨らみますが、SPは題材が題材だけに余計に想像をかきたてられます。NHK杯の大ちゃんはまさにナタラージャって感じでした♪

■2011/11/17 21:32
私も偉そうなことは言えませんが(笑)、今回の試合でひとつ流れが変わったのは感じます。マスコミが何と言おうと、結果で示すのが一番強いですね。
大ちゃんは課題を見つけて適切に努力できるのも凄いと思うけど、その成果がこんなに早く現れるのは才能ってことなんでしょうね。

■2011/11/18 11:19
今回の演技で、たくさんの人にブルースの良さが分かって貰えて嬉しいです!!

■2011/11/25 0:46
臨場感あふれるレポートありがとうございました。
コメント欄だと皆さんにも読んで頂けるんですが、私だけが楽しませて頂いて良かったんでしょうか。
ともあれ、今回現地に行った方は勝ち組ですね。全日本でも素敵な演技が見られますように。