ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

あの頃のボクらと今のボクら

2010-08-14 12:24:00 | 日記
…そういう訳で、ちょっと順番が前後しちゃいましたが、8月1日&8日の「ボクらの時代」もチェックしましたよ。
過去に1度集まったメンバーが再会するのはこの番組では初ということらしく、随所に「2年半前」のおさらいを入れながらの放送だったので、見ている私たちもこの2年半を振り返り、改めて感慨に耽るような番組になりましたね(個人的には前後編でやってくれたのが嬉しかった!「30分じゃたりないよ~」と思ってたので)。

前回はお洒落なダーツバーでしたが、今回は朝から和装で焼き肉。和服慣れした勘太郎さんの紋付が貫禄。大ちゃんの市松模様の浴衣は、「道」衣装のイメージでしょうね。あの市松模様は良いアイコンでした。旧衣装の時からあの模様がお気に入りだったので、途中でデザインが変わっても市松が残ってたのが嬉しかったです。曲想に合っていて、お洒落で分かりやすくて個性的。こういう所で取り入れられるのも、皆の印象に残ってるからこそですね。

2年半前を振り返ろうと↓を出して読み返してみたんですが、
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藤原竜也くん、前回は大ちゃんに対して結構お兄さんぽく気を遣った対応をしてたのに、今回やたらフリーダムだったのは何故だろう。その代わりに(?)勘太郎さんが前にも増して頼れる大人の男になってて「お兄ちゃんと2人の弟」状態にしか見えませんでしたよ私には。
勘太郎さんが聞き上手なのか、藤原くんからも大ちゃんからも結構ディープな話を引き出してましたね。
ていうか、バンクーバーの期間中に、歌舞伎の小ネタで大ちゃんSPのラストポーズをやってたのは「ほぼ日」で読んで知ってましたが、ネタを仕込んだのが勘太郎さんというのは初耳でした。

とは言え、大ちゃんも大人になりましたねえ…(しみじみ)。あの当時も、トリノ五輪前後に比べると随分大人の顔になったなあと思ってましたが、今の顔に比べると表情なども子どもっぽく見えて、この2年半の苦労と、そこから得た人間的成長の大きさを感じます。
あの頃、「僕大きな怪我した事ないんですよねー」なんて言ってた大ちゃんが、選手生命に関わるような大怪我をして乗り越えて…あんなドラマが待ち構えているなんて、一体誰が予想したでしょう。

***

このオフは他にも色んな番組でちょこちょこ大ちゃんの姿を見ることが出来ましたが、個人的にはBSでやってた北島康介TVが良かったです。
水泳の北島選手って、マスコミを通すとアグレッシブで俺様な側面が目に付くため、勝手にバキバキの体育会系のイメージを持ってたんですが、大ちゃんとの会談を見ると実はこの人もかなり繊細な感性を持ってるんじゃないかなと。大ちゃんと同じくお洒落好きだし(笑)。「若手の台頭にビビってる」とか、自分の弱さをさらっと表に出せる所に、逆に強さを感じました。
寧ろ「金スマ」の熊川氏の方が体育会系っぽいと思いました。「金スマ」では、安住アナのアドリブ力と再現VTRが面白かったですね。再現VTR、「上流階級の芸術的で華麗なスポーツ」と思われがちなフィギュアのイメージと、庶民的なご近所人情物語のギャップが可笑しかった。TVなのである程度の誇張はあるかも知れませんが、連島周辺の土地柄を思うと、実際にあんな雰囲気だったのではないかと思われます…。

それと、ソロモン流のcobaさん特集! 大ちゃんとの対談は短かったけど、濃い内容で満足でした。対談以外の部分も面白かったです。cobaさんもやっぱり感性が人並み外れて豊かな人で、味覚も感性の一つと思えば食へのこだわりもうなずけます。しましまシャツにこだわる理由やどんどん新しいものを開拓して行く取り組みなど、見応えがありました。

印象に残った場面。舞台の練習で若手の役者さんがタイプライターを打つ芝居をしている時に「何を打っているの?」と聞いた所。例え観客には手元は見えなくても、伝えたい言葉を必死で伝えようと一心に打ち込む、その意志は観客に伝わる(ただ打っている真似だけをしても伝わらない)みたいな。
これってフィギュアにも通じるな…と思ったのは私だけですか?
前のエントリーにも書いたように、フィギュアでは踊りの技術の上手い下手を「表現力」として評価することが多い。でも、見ている観客(=私)に伝わるのは、そのスケーターが伝えようとしているメッセージの方なんですよね。その動きに、どんな意味(意志)が込められているのか?それが伝わって来ない演技は、上手くても面白くない。

大ちゃんとcobaさんの対談では、「eye」を選んだ理由を聞かれた大ちゃんが、彼が「eye」という曲から受け取ったイメージ(それは同時に、彼が自分の演技を通して伝えようとしていたメッセージでもある)を伝えていました。そしてcobaさんは、自分が「eye」に込めた意味(意志)を語り、「ああいう風に表現して貰えて嬉しかった」と。
2人共、メロディーや動きの表層的な部分ではなく、表現の本質を見て語っている。とても「濃い」会話だと思いました。

それにしても、この対談で垣間見えた大ちゃんの感性が、ね。
前のエントリーにも書いたけど、この人うわべのきれい事ではなく、その下に隠された、ドロドロした醜い部分を含めた人間の本性に惹かれるんだなと。高校生の頃から既にそうだったんだなと思いました。
そしてそんな大ちゃんの感性が私は大好き(笑)。

点描!カケアミ!水木しげる!

2010-08-12 17:26:00 | 日記


帰省する前に神戸の兵庫県立美術館でやっている「水木しげる・妖怪図鑑」を見て来ました。

内容は、水木先生の手がけた一連の妖怪図鑑や妖怪辞典などのために書き下ろされた原画の展示・「ゲゲゲの鬼太郎」関連の資料や原稿・水木妖怪の元ネタになった絵巻物や浮世絵の展示・妖怪たちを立体化した「ゲゲゲの森の大冒険」の4部構成。

「ゲゲゲの森の大冒険」はちょっとしたお化け屋敷のような遊べる構成で、子どもさんはここで楽しんで行ってねという感じでしたが(そして実際お子様連れのお客様が非常に多かった訳ですが)、何と言ってもメインはタイトルにもなっている「妖怪図鑑」でしょう。

私が子どもの頃は、鬼太郎のアニメは見ていても水木しげるの漫画を読んでいたという記憶はなく、その代わりに小学館の入門百科シリーズから出ていた「悪魔」「妖怪」「妖精」なんかの入門シリーズに夢中になっていました。
今回の展示は「あの頃見ていたあの絵」の原画も多数あって懐かしいやら嬉しいやら。
境港にも何枚か原画は展示されていましたが、これだけまとまった数を一度に見られる機会はそうありません。

それにしても、生原画の迫力はすごかった。この人やっぱり天才だと思いました。
水木作品の特徴として、「シンプルな線でデフォルメされたキャラクターと、緻密でリアルな背景の対比」がよくあげられますが、背景ホントに凄いです。「マンガ」の描き方じゃなくて、あれはもう「絵画」。
一枚の絵画作品のように、生き生きとリアルに描写された背景の前に、怖いような可愛いようなとぼけた風情の妖怪がいる。

個人的に特に印象に残ったのは「座敷わらし」と「耳無し芳一」です。
「座敷わらし」の方は、背景の蔵というか納屋の描写が…ぶら下げられた植物(ほおずき?)や古びた藁縄など、ほこりの匂いまで漂って来そうなリアルさに圧倒されました。
「耳無し芳一」は有名な話ですが、琵琶を弾く芳一を奥に、平家の亡霊を手前に持って来る構図が独創的。さらっと描かれた芳一と劇画調の亡霊たちとの対比、はらはらと落ちかかる銀杏の葉まですべてにおいて味わい深い。

あと、水木さんはよくモノクロで描いた絵を複製して上から色を付けるということをやっていますが、その色のつけ方もかなり個性的だと改めて思いました。中々他では見られない、中間色を多用した幻想的な色づかいと、センスあふれまくる濃淡のつけかたを心ゆくまで堪能できます。

水木しげる・妖怪図鑑は10月3日まで兵庫県立美術館で開催中。妖怪好きなら是非一度。

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私の手元に、岩波新書から出ている「カラー版 妖精画談」という本があります。
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この本の目次に見開きで出ている絵が、小学館の「妖精なんでも入門」の表紙でした。
当時小学校高学年、ティンカー・ベルのような「妖精さん」は流石に子どもっぽくて恥ずかしいと思いながら何気にこの本を手に取った私は、この表紙の絵がどうにも気になってつい買ってしまい、結果これが水木先生のファンになるきっかけになったように思います。
低い木の下で笛を吹く少年。木には小さな花が咲き、3羽の鳥が止まっている。少年の目が水木マンガ独特のギョロ目で、可愛いような怖いような感じ。不思議なような不気味なような独特の雰囲気で、なんだか目が離せなくなったんですね。
内容はヨーロッパの神話や伝説・叙事詩や民話の中で語られる「妖精」を分かりやすく取りまとめたもので、今にして思うと、子ども向けにしてはえらく本格的な内容だったような。

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ちなみに、8月8日の「ボクらの時代」を見てたら、次週予告が水木ご夫妻&アリャマタコリャマタ氏こと荒俣宏。次回も録画せねば!と気合を入れたのは言うまでもありません。
そんな訳で、現在岡山帰省中です。