ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

四大陸選手権

2012-02-19 16:01:00 | 日記
何か面白いタイトル付けようと思ったけど何も思い付きませんでした。
それはともかく四大陸です。コロラドです。標高1800mです。
今回も仕事でリアルタイムでは見れなかったんですが、正直これ生で見てたら心臓持たなかったんじゃないかと後で見て思いました。
一部の慣れてる選手を除いて、酸素の薄さにみんなバタバタ倒れて行く感じで、大ちゃんこれ最後まで無事に滑れるんですかみたいな(特にフリー)。

結果的には大丈夫でした。まずはそれが何よりでした。
ショートでは4回転で失敗した分、後のジャンプにコンビネーション付けてて、GPFと同じ轍は踏んでないのが素晴らしい。やっぱりちゃんと前進してるよ。
フリーでは4回転はともかく、トリプルアクセルの失敗が痛かった…けど、最後までスタミナを切らさずに滑り切ってくれて良かった。後半のジャンプ良かったですよね。
今回は練習から結構コンスタントに4回転が跳べてる感じで、ああやっと2007年くらいのジャンプの調子が戻って来たのかなあ…としみじみしてました。その後の試合の結果見て、なんとかに耽るにはまだちょっと早かったかと思い直しましたが。

あと無良くんと町田くんも、フリーはちょっと残念でしたが、SPでのがんばりが来期に繋がると良いなと思います。私はスケートに関しては素人だけど、2人ともそれぞれに魅力のある演技をする選手だと思うので、がんばって欲しいですね。なんか、倉敷リンクの存続イベントを思い出すメンバーですね。あの頃に比べると、3人共随分大人っぽくなったなあ…(そして刑事くんは大きくなった)。

何か相変わらず新聞等の報道と私自身の印象が埀離してて激しく違和感があるんですが、まあいいです。前にも書いたけど、マスコミがいくら褒めてくれたって、それが次の試合の結果を保証してくれる訳じゃないもんね。ていうかスケートに限らず、マスコミにとってはその瞬間盛り上がるものが全てって感じだけど、過去からの流れを読まなければ未来は読めません。故にファンはその流れを見ている。

そういう訳でファンの目線から今回の大ちゃんを見れば、点数や順位はともかく、シーズンの頭からこの試合まで、一つひとつ課題をクリアして、一歩ずつ着実に前進してるし、本人も次の試合迄にやるべき事が明確になってやる気になって、多分手応えも感じてるんじゃないかなと感じて、先行き明るいなと思った訳なんですが。
もちろん世界選手権でも、チャン選手の方がすごく有利なのかも知れないけど、勝機が全く無い訳でもないだろうし、そこで勝てなくても、もっと重要な試合が2年後に控えてるんだから、決して悲観する事はないと思います。
ほんとつくづく、「ソチを目指します」宣言があって良かった。優先順位が明確だから、目先の結果に振
り回されてその場しのぎに走らなくて済みますもんね。

…みたいな事をちんたら書いてたら、ポエマー青嶋さんとなんか微妙に言ってる事が被ってしまった。

世界を驚かせた“伏兵”とソチを見据えるエース、それぞれの戦い (3/3)
フィギュア四大陸選手権・男子シングル
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/text/201202130002-spnavi_3.html

ファンに取っては、強力なライバルの存在っていないに越したことはないのかも知れないけど、大ちゃん自身はすごく楽しそうですね。
ボルトを抜いて、やっと膝のバネとか色んなものが戻って来て、手応えを感じてるのもあるんだろうし、アーティストであると同時にやっぱり勝負師なのかな…と思います。
まあ、点差があるって言っても、その点差の大半は本人のミスで失ってる点だと思うので(そうして見ると最初の3Aもったいないですね~)、そういう意味ではそんなにショックでもないかなと思います。逆に本人が本人比で完璧に滑ってこの点差の方が困りますよね。どうすれば差を縮められるか分からないって意味で。

あと、これはものすごーく個人的な感覚なんですが、僅差の勝負であっても、点差以上に実際の実力には差があるんじゃないかと感じる試合があります。今回はその逆で、点数の差ほど実力の差はないんじゃないかなと感じました。あくまで私の個人的感想です。

だからって
なぜ高橋大輔はチャンに完敗なのか?ふたりの天才の結果を分けたもの。
http://number.bunshun.jp/articles/-/195587

こういう意見には素直に同意出来ない。この人は常にカナダに疑惑の目を向けてるけど、憶測でしかないんですよね、結局は。この人の言う「他の報道関係者もそう言ってた」っていうの、実際にどのくらいそうなんだろう。
「大ちゃんは表現の天才、だからもっと気前良く点下さい」っていうのは、個人的な感覚としては超同意だけど、それが世界の審判に通用するのかどうかは別問題というか。
前のエントリーにも書いたけど、私はもう、スケートの審判は私が感じる「表現力」とは別の、何か私にはよくわからない基準で点を付けてる、そういうものだと理解してます。

まあ、何はともあれ世界選手権は楽しみです。とにかくあと1回ずつは魂の庭とブルースが見れるー♪
時間に余裕があったら、大ちゃんの演技の感想も改めて書きたいです。

■拍手コメントへのお返事

2012/2/6 9:00
どうもです♪一事が万事といいますが、やっぱり氷の上で表現するのが上手い選手は、地上でもセンス良いですよね。見せ方の上手い選手は自分に似合うものも分かってると思います♪

明日への一歩

2012-02-05 23:00:00 | 日記
先日の日経新聞のセミナーが記事になってました。

高橋大輔「明日への一歩」~ケガから復活、五輪秘話  電子版セミナーから
http://s.nikkei.com/AhkpCZ

これ、すごく興味あったんですけど平日だし東京だしと思って諦めてたらユーストリームで中継があって、Web生中継なんて初めて見たけど良い時代になったもんだと思いました。
フィギュアに詳しくない人でも分かるように的なセミナーなので、大ちゃんファンにはおなじみのエピソードも多かったですが、大ちゃんが自分の口から語るのを改めて聞くと何て言うかこう…。

この人の、自分自身の欲求への素直さと、自虐的なまでの謙虚さが同居してる感じがなんか凄いなと。
「子どもみたいに自分の欲望へまっすぐ向かって行くのが強み」って書いてたのは今回の聞き手の原記者のテキストでしたっけ。
モスクワ世界選手権の後の(“みんな“”が自分から離れて行くのを本能的に感じて)「それはやだ、って思った」というエピソードを聞いて、ホントにそうだなと思いました。
でも自分の欲求をはっきり口に出すのも、自分自身にダメ出ししまくるのも、根底にあるのは自分を実際以上に大きく見せようとしない飾り気のなさなんでしょうね。
何度も書くけど、私は虚栄心の強い人が生理的にダメなんで、こういう、自分のワガママもダメな所もさらっと表に出せる人って安心します。
大ちゃんの場合、公の場面では他人にも万全の配慮をしながらそれをやるんだから、ある意味名人芸。

それと大ちゃんの自分へのダメ出しが嫌みにならないのは(たまにキツ過ぎて聞いてるこっちにぐっさり刺さる事ならあるけど)、あれ心にもない『謙遜』で言ってるんじゃなくて、シビアな現実認識から来てるからなんだろうなと思います。
今回のセミナーでも、『空気を読み過ぎてしまう』『見ない方が良いものまで見てしまう』『勘違いできない』って言ってましたが、感受性の強さ故に、自分に都合の良い幻想ではなく、不都合な部分も含めた現実が見える(本人曰く「見えてしまう」)って事なんでしょうね。

昔聞いた話ですが、誰でも小さいうちは根拠もなく『自分は特別』『自分は天才』って勘違いしてて、成長するに従って現実を突きつけられて挫折する。でも実はその挫折した所が本当の成長のスタートで、そこから一つずつ『でも自分にもここまでできた』っていう事実を積み重ねて自信に変えて行く。その自信は事実という根拠に基づいているからそうそう崩れないし揺るがない。…んだそうです。
(そういう『挫折』を上手く経験しないと、子どもの頃の万能感を持って現実に向き合えないイタい大人になりそうですが、それはここではおいといて)
大ちゃんは挫折するまでもなく、最初から現実見ちゃってたある意味特殊な子どもだったのかなあ…とちょっと思いました。
勘違いも含めて『自分が一番』なタイプが主流なスポーツの世界では、確かに珍しいと思います。周りの指導者の方に取っても、おだてて調子に乗せるみたいな事が通用しにくいって意味では難しい選手だったのかも知れないですね。
そういう現実を見過ぎてしまうが故に弱気になってしまう所は、確かにアスリートとしてはマイナスだったのかも知れませんが、逆にシビアに自分を客観視する事で自分に足りないものを素直に認めて克服への努力につなげる事もできるし、そうやって事実を積み重ねて納得して手に入れた「自信」は本物だからそう簡単には崩れない。そういう強さでもあるんじゃないかなと、そんな事を考えた今回のセミナーでした。

あと最近大ちゃん自分がナルシストである事を否定するようになりましたね。鏡を見るのが好きな人が全員ナルシストじゃなくて、鏡の中の自分を見てうっとりして初めてナルシストの要件を満たすのだという事に最近気付いたんじゃないかと勝手に思ってます。
(余談ですが、男性のナルシストは自分の容姿にうっとりっていうより、自分の能力や正しさを過信するタイプの勘違い君が主流らしい…大ちゃんとは寧ろ真逆)

***

という訳で読売新聞『挑む』。上中下の三部作。「もしかしてナルシスト?」な渡部トレーナーのファーストインプレッションから始まる「見せるという意識」など、限られた紙面に効率よく色んなエピソードが詰まっていて、大ちゃんの事をよく知らない人にも彼の素顔を分かって貰えるんじゃないかと思いました。プロのお仕事と呼ぶに相応しい良い記事でした。

…なんか、特にトリノの頃の大ちゃんてあの気合の入った髪型や眉毛があまりよく言われてなかった印象があって、スポーツ選手って(特に男子は)「見た目に気を使ってません」ってタイプの方がストイックに競技に集中してそうで印象が良いし、流行について行けない人(お洒落に疎いタイプやもう若くない人)にとっては安心するんだろうなあ…としみじみ思った記憶があります。
でもフィギュアに関して言えば、普段ダサい選手が試合の時だけがんぱってキレイな衣装着たって着こなせないと思うんですよね。おじさんやおばさんが思う「爽やかで若者らしい服装・髪型」なんて若い子から見ればダサいだけだろうし。面接の時だけ敬語使っても普段の言葉遣いが汚いとボロが出るのと一緒で、普段からがんばってお洒落してないと絶対演技にも出ると思います。
ていうか個人的に、普段着のセンスの善し悪しって結構「表現力」に比例してると思ってます。私の感じる「表現力」が必ずしも点数に反映されてる訳じゃないけど。
(言っときますが採点への批判じゃないですよ。私はあくまで素人なので、専門家の採点する基準とは違う見方をしてるという事です。まあその専門家の基準が分からないから素人な訳ですが)

読売新聞では原先生の連載もあって、その3回目が大ちゃんのお話でしたね。こちらも良い記事でした。

(下)氷上の復活劇に感謝:カルテの余白に
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53706

***

あと、ピアノスコア買いました。

ピアノが手元にないので、ウインドシンセで遊んでます。
そう言えばこれ買った時、大ちゃんのプログラム曲を吹きたいなと思って楽譜探したけど、以外と良いのが無かったのを思い出しました。こういうのが欲しかった。ジャズトランペットの音色でマンボの出だしを吹くとかなりそれっぽい感じになって楽しいです♪

あとこういうのも出るのね。
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そろそろ4大陸選手権も近づいて参りました。
お守り代わりに辰年の龍を貼って健闘を祈りたいと思います。