ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

NHK杯に行って来ました。

2009-11-12 02:15:00 | 日記
大変ご無沙汰しております。虹川です。
10月に入ってからというもの文字通り目の回るような忙しさで(自分で無茶なスケジュール組んだ手前、誰にも文句が言えない)、フィンランディア杯とかスポーツ大陸とかその他諸々の感想を書くヒマも無かった訳ですが。
11月の頭にはなんとかやっつけて、強行軍で長野に行って参りました。

■1日目
長野は関西方面からだと交通の便が正直悪い。ので、今回初めて夜行バスというものに乗って見ました。
6日朝長野に到着。朝の内に戸倉温泉に行ってから会場へ。
(何で戸倉温泉かというと、朝早くからやってる外湯があったから)

アイスダンスとかペアとか見てる内はいいんですが、男子SPの時間が近づいて来るにつれ、07年の全日本以来、実に約2年振りの生観戦の緊張が…。

久しぶりに見る大ちゃんは、フィンランディア杯の時に来ていた黒×金の衣装ではなく、胸に十字っぽい模様の付いた衣装でした(JOの荒川さんの演技で布持ってた時に来てたやつ…ですよね)。これ、後でよく見たら、遠目に花吹雪が舞ってるようにも見えるんですね。現地では、緊張してて細部まで見る余裕はありませんでしたが。

最初のコンビネーションジャンプはかるーく決まる。次のトリプルアクセルもふわっと。なのに3つめのジャンプでよろけて会場から悲鳴が上がる(笑)。それでも手を着く所までは行ってないからまずまずいい感じかな…?と思いながらかっこいいステップを堪能していたらいきなりこける(涙)。

いや、その前にもちょっと疲れてるのかな、ひっかかったかな?と言う部分はあったんですが。それでもまさかステップでこけるとは思わないからびっくりするじゃないですか。
しかも起き上がって再開するまでが、現地だとすごーく長く感じられたんですよね。ふら~っとリンクの端の方に行くもんだから、「まさか、やめちゃうの?!」とか思ってたらそこから再開。でも最後まで凹んだ感じは出さずにしっかり踊り切ってたと思います。

後で録画を見たら、そんなに印象は悪くないんですよね。テレビの画面越しだと、素早く立ち上がって、落ち着いて音楽に追い付く所を計算して再開してるように見えます。
実際大ちゃんもびっくりして咄嗟には対応できなかったんだろうけど(ジャンプ以外のところでこけるのはスケーターにとっても想定外みたいだし)、現地で見ていた私たちは、それ以上に焦って泡食ってたみたいです…。

そんな訳で、転んだ割には良い点数が出たんですが、でもそれだけにもったいない、ああもったいないとつぶやきながらFSに続く。
緊張の糸がぶっつり切れちゃったので、正直女子SPは睡魔との闘いでした…。

■2日目
ホテルでのんびり朝食を食べて会場へ。

今日の大ちゃんは第二グループ。この男子第二グループの6分間練習では、4回転ジャンプがばんばん出て来て大盛り上がり。
大ちゃんの4回転がまた、きれいだったんですよ。見た目力んだ感じもなく、かる~く飛んできれいに回って降りるという感じ。

もう、これが見れただけで、長野まで来た甲斐があったと思いました。
だって靭帯断裂ですよ。再建手術して1年経ってないんですよ。これまで、トリプルアクセルまではびっくりするくらい簡単に戻した(ように見えた)けれど、4回転だけはハードルが高そうで、初日の練習でも16回飛んで1回しか成功しなくて。でも、大ちゃんが丸々1シーズン棒に振って手術に賭けたのは、80%の力ではなく100%の力で戦うためで、大ちゃんの100%って言うのは、4回転ジャンプまで飛べて初めて100%な訳で。

ああ、本当に4回転が飛べる所まで来たんだ、ここまで戻って来れたんだと思うと、これは本当に奇跡と言って良いんじゃないかと思いました。

そして皆さんご存知のように。大ちゃんはFSのプログラムの中でも4回転に挑んだんですよ。これまたご存知のように着氷でバランスを崩し、回転不足を取られたために大きく減点されてしまいました。が、この際点数はどうでもいい(と私は勝手に思ってます)。
6分間練習できれいに4回転を飛んでいた選手たちのうち、本番でも成功させたのはジュベール選手だけ(それも、当初3回の予定だったものを1回に変更)。それぐらい、試合本番で、音楽の中で4回転を飛ぶってきっと大変なことなんだろうなと思います。
それをフィンランディア杯の時のように3回転にならず、4回ちゃんと回って転倒せずにこらえたのは、次につながる大きなステップだと思いました。
これならば、試合の中で4回転を成功させる日もそう遠くない、と思ったので、今日はもうどんな結果になってもいいやという感じでした。だからもう後半で2回こけようがどうってことないですよ(笑)。

それに、ジャンプこそ乱れたけど、表現的な部分はすごく良かったです。
フィンランディア杯のをテレビで見た時には、表情を含めたパントマイムがすごく芸が細かくてびっくりしたんですよね(コイントスの所なんか、視線がちゃんとコインを追いかけて動いてる。それで表情もしっかり作ってるし、そうしてる間も足元はずっと滑ってる。お花を渡す所なんか、後でちょっと照れくさそうに目を伏せて笑っちゃったりなんかしちゃったりしてるんですよ!!)。

今回、3階席から見てたのに、遠目でもちゃんとそういう表現が伝わって、すごく楽しめました。ストレートラインステップも、フィンランディア杯の時みたいに疲れた感じは見えず、最後までドラマティック。このプログラム、本当に楽しいです。今回の演技も、ジャンプ転んだ所を除いたら、すごくかっこよく見えるんじゃないかと思うんですが。
その素晴らしい表現と、4回転への果敢な挑戦に敬意を表してスタンディング・オベーションしました。

…といいつつ、もし大ちゃんがEXに出られないなんてことになったら、3日目見ないで長野観光に行ってやろうかと半ば本気で思っていた私(笑)。
結局日本人選手は、順位に関わらず全員EXには出たんですけどね。それでも大ちゃんが自力でEXの枠内に入ってくれたお陰で、川中島古戦場には行かずに済みましたぞお館様ー!(『戦国BASARA』の真田幸村の声で読んで下さい)

■3日目
そんな訳で、川中島へは行かずに済んだので、朝の内に善光寺へ。多少は観光っぽい所へも行きたいですしねと言いつつ、善光寺でこんな写真しか撮ってこなかった私たち。

私たち以外にも、2組くらいキャアキャアいいながらこのホルスタイン像と写真を撮ってたんですが、やっぱりみんなここを見た人たちなんでしょうか。
とりあえず温泉にも入ったし、そばも食べたので一応長野観光のノルマは達成しましたってことで今日も会場へ。ギリギリでアイスダンスのFDに間に合いました。

アイスダンスの競技と表彰式も無事に終わってEXるぶれたー(本人談)。
コメントで情報いただいたんですが、あの衣装のオレンジと紫の部分はちりめん素材のようです。フィギュア衣装の素材としては斬新ですが、あの袖口のヒラヒラなびく感じは、ちりめん独特のあのてろてろ感によってもたらされているのかも知れません。

競技会のEXというと、何故かみんなこぞってノリノリの今風音楽を持って来る(特に男子は、「制服か?」と思うくらいTシャツ+デニム率が高い気がする)中で、しっとりと情緒的なるぶれたーは逆に際立つんじゃないかと思います。もっと滑る順番が遅ければね(笑)。その時は、トリプルアクセルはなしでいいです。チャレンジ精神は買いますが、あのジャンプの犠牲になったあそこの振付けが好きだったのに~~~ということで。

でもやっぱり、夏にFOIで見た時以上にこなれてて、競技用の広いリンクで風のように駆け抜ける大ちゃんは素敵でした。袖口のヒラヒラが風に舞う花びらのようでもあり、蝶のようでもある。柔らかい腕の動きは鳥の羽ばたきを思わせる。それこそ扇子持って滑ってもおもしろいかも、とも思いましたけど、そうすると指先の繊細な表現が見れなくなっちゃうから、やっぱり無くていいですね。

フィナーレでは、男子シングル陣の動きが圧倒的に面白かったです。なんじゃあれは。
女子がやるような片手でエッジを持つスパイラルをやって、転びそうになって「おっとっと」となって、その後もみんなでバレリーナみたいなポーズとか、完全に遊んでる。全員でやるエグザイルモドキとか、すごく楽しそうでした。そしてリズムに乗って動く所では、やっぱり大ちゃんが一番ノリノリで踊ってました。ちょっとした動きが派手なんですよね。流石。

***

色んなことがあったけど、中々楽しい3日間でした。
現地でお会いした皆さん・お世話になった方々・毎度岡山から出て来て付き合ってくれた相方・そして何よりがんばってくれた大ちゃんとその関係者の皆さんに感謝を。
久しぶりの生観戦で心臓バクバクでしたけど、試合に出なければ緊張もへったくれもないんだと思うと、緊張ですら有難いと思った、そんな長野強行軍でした。

大ちゃん以外の選手のこととか男子シングル以外のこともほんとはもっと色々書きたいんですけどね。ヒマさえあれば。…もしヒマがあったらまた書きたいなーと思います。望みは薄いですが(笑)。

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拍手コメントへのお返事
もうどうしょうもなく遅くなってすみません。

■2009/10/5 14:57
■2009/10/5 21:42
2008年のDOI以降久しく大ちゃんの演技が見れなかったもので、DOI版の「Eye」を見過ぎて頭に刻み込まれちゃった人も多いと思いますが(笑)。新しいEyeは、また別の形に進化していると思います。試合ではすぐには結果に結びつかないこともありますが、早急に結果を求めるのではなく、総ては来年2月へと向かう「過程」なんだと腹を括って見守って行きたいですね。

■2009/10/6 8:32
コメントは気が向いた時だけして頂ければいいし、無理に書き込まなくても大丈夫ですよ。
素材の情報ありがとうございます。上でちょこっと触れさせて頂きましたが、中々効果的な使い方かも知れませんね。そこはかとなく漂う和のムードを表現する、面白い衣装だと思います。