ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

神戸から

2011-03-27 21:46:00 | 日記
16年前の私は岡山にいて、1年前まで学生時代を過ごした神戸の街の変わり果てた姿をテレビの画面ごしに見ながら、ただいても立ってもいられない気持ちになるばかりで、(後は募金箱にお金を入れるくらいで)、何もできずにいました。
自分は神戸のために何もできないのかと、己の無力さを痛感したものでした。

今もやっぱりニュースを見ながら、自分には何もできないのか、一体何をすればいいのかと悶々とする日々です。
ただ同時に思うのは、神戸がそうであったように、復興までには、急がなければならない部分と、長い時間をかけなければならない部分がある。
マスコミがニュースに取り上げなくなったからと言って被災地がなくなる訳ではないですもんね。

今すぐに何かをする事ができないのなら、長くやろう、ずっと続けようと、今はそう思っています。
まだ募金以外で何ができるのかは分かりませんが、『自分も何かしなければ』という今の気持ちをずっと忘れずに持っていたいと思います。

震災から10年を経て私は神戸で働くようになり、神戸の復興に関わる企画をお手伝いする機会も頂くようになりました。これも何かのご縁かも知れません。


「しあわせ運べるように」

私がこの歌を知ったのは数年前のルミナリエでした。元々は、震災から2週間目に神戸の小学校の先生が作った歌なのだそうです。(参考)


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お願い:この記事から私の年を計算しないで下さい。

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フィギュアの世界選手権は、東京での開催は中止。4月末からロシアでの代替開催が決まりましたね。

過去私が知っている例だと、阪神大震災の年に、3月にTIサーキット英田(現・岡山国際サーキット)でやる予定だったF1パシフィックGPが10月に延期されたという例はあります。
が、色々状況が違うので、10月に延期は無理だろうな…とは思っていました。

私も東京に見に行くのを楽しみにしていたので(SPしかチケットなかったけど)、生で大ちゃんの勇姿を見ることができなくなったのはとても残念ですが。
試合自体が無くならずに済んだ事をありがたく思いつつ、日本から精一杯のエールを送りたいと思います。

読書感想文

2011-03-04 22:20:00 | 日記
NHKスポーツ大陸(石川遼・福原愛・高橋大輔)
これは読むためにというより、記念のために買いました。
内容は放送された「夢を持つかぎり」とほぼ同じ。児童向け(と言っても高学年向け)にテキスト化されたものです。こういう教育書っぽいものに取り上げて貰う機会って貴重かなと思いました。

復活の力
スポーツゴジラに掲載されていた長田渚左さんのコラムをまとめたもの。
大ちゃんの、靱帯断裂からの復活を支えた医療チームの活躍をはじめ、不屈の闘志で困難に向き合うアスリートたちの姿が描かれます。
これはスポーツゴジラを入手してない方には是非読んで欲しいというか、持ってる人でも是非買って欲しいなと思いました。
バンクーバーで銅メダルを取った当初、ワイドショー受けする「泣けるイイ話」としての「怪我からの復活」はいろんな媒体で取り上げられたけど、私が一番知りたかった大ちゃんの医療体制について掘り下げて取り上げてくれたのはこの方だけでした。
安易にウケるネタに走るのではなく、本当に必要な情報を提供してくれる。ジャーナリストとは本来こういう人の事を指すのではないかと思います。
大ちゃんの章以外もとても読みごたえのある内容です。
上辺だけの取材では引き出せなかったであろう生々しい証言が多いだけに、読んでるだけで痛くなるような描写も多々ありますが、最後まで読むと勇気が出ると思います。

STEP!STEP!STEP!高橋大輔
日本経済新聞での連載を担当していた原記者による4年間の密着記録。
何より写真が素晴らしく良いです。
日経新聞の紙面の写真はどれも評判が良かったですが、同じカメラマンの手によるこの本の写真はハズレなしでした。しかもホントに数が多い。これだけカラーページを入れるのはコスト的にも大変だったと思うんですが、これで普通の文庫本価格。文字も内容もぎっしり詰まってお買い得。
あと個人的には、著者がフィギュア専門のライターではない所も良かったです。
フィギュアだけにどっぷり浸かっているライターさんは競技の事に詳しいのは良いんですが、どうも「芸術観賞」的な視点に偏ってて「スポーツ」の描き方としては食い足りないものを感じたりもしてたので。
私も男性ファンが多いモータースポーツの方が馴染みが深いので、男性の(ていうかおっさんの)世界である野球畑からやって来た著者の戸惑いが何となく分かる気がします。
「フィギュアライター」ではなく「スポーツ記者」の視点で「チームD1SK」のメンバーそれぞれ「どんなお仕事をしているの?」を掘り下げているので、戦略の組み立てから身体の鍛え方、セカンドキャリアやお金の話など、フィギュアの世界では普段余り触れられない所までばっさばっさ切り込んで行ってて面白い。
ただそれだけに、話があちこちに飛んで主語も時系列も今いち分かりにくいとっちらかった文章の書き方だけが残念でした。新聞の限られた文字数の中で記事をまとめるのと、数百ページに渡る長文をまとめるのは勝手が違うのかも知れないですけど。

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拍手コメントへのお返事
□2011/2/27 22:42
こういう人は、最後に笑えると思います。