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余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

パリの砂漠、東京の蜃気楼

2024-03-18 22:38:20 | マイブック(か)
「パリの砂漠、東京の蜃気楼」
      金原ひとみ 著

著者のエッセイ。
パリに行き暮らし、東京へと帰ってくる、
その時の思いを綴る。
生きるという原罪を抱えて、
人間の黒く塗られた感情を膨らませながら、
辛さ、悲しさ、寂しさ、その中でも見出そうとする希求。
エッセイでありながら、小説を読んでいるような感覚に陥る。
居場所の揺りかごを求め続ける。
オアシスを焦がしながら。

これは水です

2024-03-06 00:58:51 | マイブック(た)
「これは水です」
      デヴィッド・フォスター・ウォレス 著
                  阿部重夫 訳

著者は自殺している。
その三年前にオハイオ州で卒業生に贈った言葉、
ケニオン・カレッジでスピーチしたもの。
少年時代はテニス選手で、そこから数学そして作家へとなる。
伝えること、伝えたいこと、
そして伝わるもの、伝わっていくこと。

副題は
思いやりのある生き方について、
大切な機会に少し考えてみたことである。

胸を打ち、そのあとに考えてみる。
水についてを。